年の初めに我が家の金融資産を確認する事にしている。前年と比較して増えているか、減っているかである。銀行口座にあるお金、証券会社にある株券、手元にあるお金を見てどのような変化があったかを知るのは面白い。
今年は何が欲しいかをリストしてお金を使う予算を見積する。ビジネスからの収入、年金所得からどうしても支払いが必要になる費用を考える。固定資産税、所得税、住民税、自動車税、自動車保険、車検、住居費、健康保険、食費、ガス・水道・電気料金、インターネット接続や電話(スマホと固定)費用など。あとは変動費に分類される雑費である。
生活のために必要なお金を差し引いて残るお金を貯蓄や消費に回す。貯蓄は計画を立てれば確実に積み立てられて行く。消費は買いたいと思った時に予定以外のお金が出る。買いたい、使いたいという消費は変動になる。
ただ、年齢が75歳を過ぎると買いたいという物への欲求がしぼんでくる。物で満たされなくなる。お金は使われなくなり使い道の選択が狭まる。
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貯めたお金をどうするか?
老後のお金の使い方はその人の懐次第。お金の使い方を気にしないほど沢山お金がある人は下記のことを考える必要はないかもしれない。お金が少ないために使い方などを考える余裕がないシニアも同様である。老後に必要と世間で言われている金額一人2000万円を目標にお金を我慢して貯め続けている高齢者がいるかもしれない。
私の考えでは、
- お金を使う時に味わう恩恵の程度が年齢で違ってくる。老いるほど恩恵が少なくなる。それでお金の使い方と時期が決まる。
- 貯める事に拘る必要はない。お金は使わなければ意味を成さない。
貯めたお金を買いたい物に使う選択
年齢が行くに従い必要な物、欲しい物がそろってくる。物に満たされてお金を使うものが少なくなる。それは誰もが感じている事なのかもしれない。これも各自の金融資産状況に依存するが、私はお金の価値は年々減って行くと思っている。
お金を使って味わう感じと効果が老いて来ると思うほど感じなくなるからだ。今年は新しいChromebookを購入しようと思っている68歳のシニアである。もし、年齢が78歳であればもうChromebookを購入したいと思わないかもしれない。その理由は年齢に伴う体の機能劣化である。
緑内障で視野欠損がひどくなっている。今見える視野(パソコンの画面を見ても問題を感じない視野)が78歳になった時に維持できていないかもしれない。そうなるとChromebookでブログを書くことが難しくなる。目さえ問題なければ78歳になっても新しいChromebookを購入している。
仕事で使っている道具はお金を使う対象になるからだ。年齢による体の機能低下はお金を使う上で障害になる。欲しい物を買っても買っただけの価値と効果を味わえなくなる。そう考えると体の機能が普通に使えるうちにお金を使って欲求を満たしたほうが良いと考える。
貯めたお金をお金を作るために使う選択(投資)
お金は誰もが欲しいもの。どれだけお金が有れば十分かなど分からないがお金が沢山あればそれで良いと考える人が多い。それで今あるお金を増やしたいという気持ちになる。そんなシニアの欲求を逆手に取って詐欺にあう老人が増えている。現実的に有りそうもない利率に引き込まされて大金を詐欺師に渡してしまう。
投資は自分がコントロールできる範囲で行うべきである。他人に委託して投資するやり方は元金保証が確実で誰もが信用している大会社を選択すべきだろう。私は余裕資産を使って株式投資をしている。株は上がったり下がったりする。損失は売却した時に起きるので売らなければ損失にならない。売るタイミングや時期を待てば利益は自分で確定できる。
貯めたお金でお金を作るために使うのはお金を使う目的があれば意味がある。それがなく、ただただ、お金をたくさん所有したいという目的であるとお金に心が食べられている。お金は使わないと意味がない。手元に1億円の札束があっても使わなければ紙でしかない。
投資する目的を持つことである。何々をするための資金を作るとか、何々を買うための資金を作るとか、目的があるお金の使い方を決めることが先決である。お金のためのお金の投資は生きている時間が短くなって体が不自由になる老人にとって意味がないし、自分のためにならない。
貯めたお金を贅沢な日常生活のために使う選択
「ハレとケ」という言葉がある。ウキペディアによれば、こんな説明をしている。
”民俗学や文化人類学において「ハレとケ」という場合、ハレ(晴れ、霽れ)は儀礼や祭、年中行事などの「非日常」、ケ(褻)は普段の生活である「日常」を表している。”
私は単純に「ハレ」を非日常のイベント、「ケ」を日常のイベントとして受け取って使っている。お金の使い方にも「ハレとケ」の区別があるのではないか。「ハレ」の時にお金をパッと使う。「ケ」の時は節約に努めるといった感じである。
老後の生活のために節約に努める人が多い。いつまで生きているのかが分からないために万が一お金が必要になった時に支払いが出来るようにしたいという気持ちからである。もしそのような考えがないならば、「ハレ」と「ケ」の「ハレ」だけを取って日常生活を贅沢にするために貯めたお金を使う。
外食する機会を増やして今までに高くて食べたことが無い料理を高級レストランで食べるとか、カフェはホテルのラウンジで味わうとか、今までと違ったお金の使い方をして贅沢と感じる体験をする。
貯めたお金を老人ホーム用に貯め続ける選択
私の義両親は年齢が90歳を過ぎた頃に老人ホームに入居した。それまでは自宅で節約の生活を続けていたというか、お金を使う必要があまりなかった。そのため、お金は老人ホームに入居した時に困らないように貯められていた。
90歳過ぎに老人ホームに入居する場合、一時入居金を支払わないで月額費用だけを支払う形にする。いつ他界するか分からない年齢であるので月額費用だけで充分であると考えた。入居時の年齢が75歳ぐらいであると入居している期間が長くなるので月額費用を下げるために一時入居金を支払うほうがお得になる場合がある。
「終の棲家」を老人ホームにすると決めているシニアは貯めたお金を老人ホーム費用に貯め続けるほうが良い。これから介護スタッフの人手不足で老人ホームの価格が上がって来るのではないかと感じている。都会よりも地方の老人ホームのほうが価格的には安い。今のうちに地方の老人ホームを調べておいたほうが良い。
貯めたお金を子供に残す(相続)ために貯め続ける選択
貯めたお金の使い道が分からない高齢者は子供に残す相続金として貯め続けても良い。貯めたお金を自分のために使う欲求が薄れた老人は他界するときにお金が子供に残るように貯め続ければ良いだけである。
結論:
お金を使って恩恵を感じる年齢が健康で普通の生活が出来ている75歳頃までと私は感じている。今年68歳になった。まだ若いと感じている。今が75歳ならば、体にガタが来ていて体の機能の一部が使い難くなっているだろう。お金の有難みは健康な体を持っていないと味わえない。
それゆえ、貯めたお金はその恩恵を感じる使い方をタイミング良くする必要がある。75歳を過ぎて老いて来ると欲しい物が無くなる。お金があっても買う物が無くなる。宝の持ち腐れが老後に起きる。そうなる前にお金を使う事で得られる恩恵を感じる時に使うしかない。
老人ホームで発生するお金に気を取られてお金を我慢して貯めると後で後悔することになる。貯めたお金を有効に使えなくなる。お金の価値は年齢とともに消えて行く。