新潟の田舎にオアシスホテルがある。1泊2800円。ゲーセン、トースターサンドイッチ自動販売機など古き時代の生き残りが見つかる。そんなオアシスホテルを憩いの場所にしている男たちが多い。多くは、人生の終着駅に向かう途中にいる人たち。60歳前後の男性が登場する。私も60歳。彼らの気持ちが分かる。
NHKドキュメント72時間「田んぼの中のオアシスホテル」の定点観測ドキュメント番組は、私にとって違う人間の世界を垣間見せてくれる。そして、人生を考えさせてくれる。
憩いの場所を求めてやって来る60歳シニアたち
廃墟のように見える公楽園(オアシスホテル)は、知る人ぞ知る悩み多きシニアの男たちの憩いの場所になっている。普通の世界から離れた田んぼの中にある孤立しているホテルである。口コミで同人誌の若者が昔ながらのトースターサンドイッチ自動販売機の写真を撮っている。何かが大衆の世界からはじき飛ばされた人たちを引きつけている。
自分がリラックスできる場所としてオアシスホテルに来るシニアの男性。自宅にいると窒息するから逃げ場所としてやって来る介護疲れのシニア男性。埼玉で庭石を仕入れて新潟で大きな家を構えているところに売り込みをしている60歳の男性。
多くのシニアは、年金だけでは暮らしていけない事を肌で知っている。老いてくる自分に対し不安を抱き、もがきながら生きていこうと努力をしている。そんな人生の中で一時の憩いの場所としてオアシスホテルに来るシニアの男性たち。
自分の死を意識しながら苦しい環境で生きているシニアの男性たちは、人知れず廃墟のように見える公楽園にやって来る。こんな世界がある事に私自身驚く。自分の人生は、他の人の人生とは違う。ドキュメント72時間の番組を見れば見るほど違う人生がある事に気づかされる。
現実は奇なり!
これから多くのシニアが自分の居場所を探し始める。居心地の良い居場所だ。リラックスできる場所である。60歳の人生の先は、誰もわからない。人ぞれぞれ違う。大学を卒業したら会社に入るという一般的な道は無い。自分が求める道を歩いて行くしか無い。