「雪深い津軽平野の田んぼのまん中に、わずか100円で入ることができる源泉かけ流しの銭湯「100円温泉」がある。ここでは、先に湯につかっている人に硬貨を見せて料金箱に入れるのがルール。 」(引用先)
弘前から車で30分のところにある津軽の100円温泉だ。
温泉は老人の憩いの場所、旅行では温泉がある旅館を選ぶ
100円温泉 青森県黒石市追子野木3丁目434
ドキュメント72時間「冬・津軽100円温泉で」の番組で登場する津軽のおばさんの言葉に驚かされる。「わいは〜」の意味がわからない。意味は「びっくりした!」だそうだ。弘前には仕事で一度訪問したことがある。地元の方の会話を聞いても外国語としか聞こえない。本当にここは日本なのかと疑い始める。
東北弁は、確かに東京で生活している人にとってわかりにくい。
でも、
人間味が言葉にあふれているのが良い。
津軽の黒岩市にある100円温泉のことは、ドキュメント72時間の番組で初めて知った。登場してくる地元の老人たちはこの温泉で生気を得ているという感じだ。老人たちの憩いの場所であり、体を休める場所でもある。温泉を楽しむというよりは、そこに来る人たちとの触れ合いを楽しんでいるという感じだ。
老人たちの顔を見て、幸せそうな顔をしているのがわかる。今までの人生の苦労を温泉で流している。一人ひとりの老人の話を聞きながら人生の縮図を見る。温泉は確かに老人たちの憩いの場所である。
温泉を利用するときのルールが素晴らしい。先に湯につかっている人に硬貨を見せて料金箱に入れるのがルール。こんなルールで温泉が運営できるのが津軽らしい。
一人の老人は、こんな事を言っていた。私の思いと同じだった。「一生働き続けないとダメだ。死ぬまで働かないと・・・」。別にお金がほしいという意味ではない。自分のことは自分で世話が出来るようにするために体と頭を動かす。そのために死ぬまで働けということだ。
どんな職業をしていても引退して何もしなくなったら、自分で死を迎えるだけだ。死にたくなかったら、まだ、働ける健康と体力があるならば、仕事があるならば、仕事が見つかるならば、老人でも働くべきだ。
働き続けて疲れたら、100円温泉で体を休めながら交流を深め幸せを100円でつかむ。
幸せは、お金の額で決まるものではない。幸せは、温泉で他の人たちと触れ合うことで得られる。若者は余り来ない100円温泉だが、100円温泉を維持して使い続けたい老人たちがいる。老人たちの生きがいと憩いの場所でもある。こんな場所が各地で生まれれば地域での交流も助け合いも増えてくるだろう。
老人の人口が増えている今、老人たちが自主的に運営維持する憩いの場所がもっともっと必要だ。政府に頼ることなく、必要とする人たちだけで運営できる施設が無償供与されれば、100円温泉のような憩いの場所が増えるのではないか。
もし、もう一度弘前に行く機会があるならば、黒岩市にある100円温泉に行きたい。