どのシニア夫婦の間で良くある話だ。家庭では、妻が主人。妻の手の平の上で夫は泳いでいる。妻なしには生活が回らない。それが、世の中全ての夫ではないか。別に日本だけではない。どの国でも類似な現象が夫婦間にあるのではないか。
歳を取ってくると妻の暴言が激しくなる。知らない人がその暴言を聞けば、喧嘩を仕掛けているように聞こえる。あの言葉は何がなんでもないだろう!と一瞬思えてしまう。そんな夫婦間の会話というか、妻からの一方的な暴言をスタバのカフェで聞いていた。
夫は外でお金を稼いでくれば妻はハッピー!
「今日は夜の7時過ぎに帰ってきなさい!」という妻からの命令で自宅を出る。自分の家に帰ってくるのに自由が無いのはいかがなものか。自分のお金で買った自宅なのだが、いつの間にか妻が陣取って采配を振るっている。外で過ごす時間が多い夫たちは、家庭内の事全てを家内に任せている。どこに何が置いてあるのかも殆ど分からない。
料理をすることがない私であるため、自分で何かを料理しようとすると調味料探し、鍋探し、茶碗探しが始まる。料理を作るまで30分ほどもの探しで終わる。何か必要なものを自宅で探そうとすると自分がいつも使っているもの以外は、家内の生き字引マシンに相談しなければならない。
私は、生活費を稼ぐスキルを持っているが家内が日常やっている家庭での作業スキルは持っていない。私の年代(60歳代)は、夫婦の役割分担がはっきりしていた。旦那は外で給与を稼いでくる。妻は、家庭で炊事、洗濯、料理、子育てをする。そのため、旦那は家事について良く分からないし、経験も少ない。
定年退職で自宅にいるシニアは、大きな子供がいるように妻はきっと感じているだろう。だから、いつも、日中は外出して!と叫んでいる。
スタバのカフェで暴言を夫に吐き出していた妻は、夫よりも若く見えた。夫は、弱々しい体づきであった。明らかに妻と夫が喧嘩をすれば、妻が体力的に勝つような感じだ。私の世代よりも一つ上の世代だ。その妻の暴言から夫への恨み節が想像できる。弱々しくなった夫をこの時こそチャンスと言った感じで積もり積もった若い頃からの不満を暴言にして何度も何度も吐き出していた。
長い間、相当心の奥底にしまっておいたのだろう。
暴言を言われている夫の方は、もう、慣れてしまったのか何も言わずじっとして聞いている。我関知せず!でいる。老後は、妻のお世話になる場合が多くなる。一旦、お金を稼ぐ仕事から離れると夫の立場は非常に弱くなる。老後の生活の主導権は、お金を稼げなくなった時点で夫から妻に100%移る。
そんな印象をこの老夫婦の会話から感じ取っていた私だ。
私の家庭は、死ぬまでお金を稼ぎ続けるようにという妻からの命令で毎日仕事場に通勤する生活だ。他人がこの言葉を聞いたらきっと驚くだろう。ブラック家庭だと!
でも、
シニアの男性は、死ぬまで仕事をしてお金を家庭に納める生活が一番良い。妻は、家庭にお金が入ってきて日中は外で働いている夫の姿を望んでいるからだ。夫は、普通の生活が続けられる。夫のメンツも保たれる。老人は、精神的にも肉体的にも引退したら終わりだ。終わり=棺桶行きだ!
こちらもお読み下さい!