介護費用の支払いで本人の代理としてお金を引き出す手続きを銀行窓口でしたのだが、面倒な手続きをしないとお金が引き出せないことがわかった。銀行側は、本人が引き出し手続きをしていただけないとだめだという。介護ベッド状態にいる本人は、銀行まで歩けない。その状況を説明しても代理人ではお金が引き出せない。

高齢者の住宅が多い地域であるためとオレオレ詐欺事件の影響で多額のお金の引き出しに銀行は過剰反応している。高齢者は、銀行から簡単な手続きでお金が引き出せるよう準備しておいたほうが良い。

銀行は本人口座からお金を引き出す際に本人の意志を確認する(介護状態の老人)

銀行は、本人代理人(例えば、介護状態の妻の夫)である夫がお金を引き出す際に本人の意志を確認するために自宅までやってくる。銀行の支店長と副支店長がやってきて本人の生存と多額のお金の引き出しに同意しているかを確認する。同時に法定相続人である子供にも多額のお金の引き出しの同意と確認を行う。

本人の意志確認と子供の同意確認ができてから、本人の手で現金引き出しの依頼書にサインをする。書類手続き完了後、別途日を決めて引き出した現金を支店長と副支店長が自宅まで運んで手渡してくれる。

金額が100万円以内であれば、代理人でも引き出せるようだが介護費用で100万円以上必要な場合は、上記の手続きが必要になる。問題は、認知症になっている老人の銀行口座からお金を引き出す時だ。本人の意志確認ができる状態であれば、問題がないがそれが出来ない状態である場合は、成年後見人が必要になる。

認知症がひどくない場合は、本人があらかじめ選んでおく任意後見制度を活用する。すでに本人の判断能力が不十分になったときには法定後見制度を活用することになる。

家族信託契約を両親と子供の間で結ぶ

家族信託とは、ごく簡単に言うと「自分で自分の財産管理をできなくなってしまった時に備えて、家族に自分の財産の管理や処分をできる権限を与えておく方法」(引用先:相続サポートセンター

両親が認知症になる前、または、介護状態になる前に家族信託契約を結んでおけば、子供が両親の財産管理をすることが出来る。詳しくは、こちらのページ(家族信託ってなに?手続きから費用まで徹底解説)を参照。

両親のCash Cardを使ってATMから50万円単位/日で事前に引き出しておく

面倒な手続きをしたくない場合は、事前に必要な金額を両親のCash Cardを使ってATMから引き出して必要な金額を手元に置いておく。ATMの場合は引き出し上限が50万円/日であるので急に多額の現金が必要になった場合は難しい。日数的に余裕があるならば、毎日50万円を引き出して準備すれば良い。

結論:今回の教訓

本人名義の銀行口座から100万円以上の現金を代理人が引き出すときは、上記のような面倒な手続きが必要になる。高齢者が介護状態になり銀行で手続きができなくなる前に銀行にある定期は解約して普通口座に移しておく。多額の現金は、引き出して手元に置き元気な配偶者の銀行口座に移しておく。

ATMから1日50万円引き出せるので日数に余裕があるならば、必要な金額をキャッシュカードで引き出しておく。両親の財産管理対策として家族信託契約を結んでおけば、子供が両親の財産管理をすることが出来る。