老人が集まるといつもこんな言葉であふれる。「きょういく? きょうよう?」。

きょういく > 今日行く所があるかい?

きょうよう > 今日行う用事があるかい?

つまり、老人は暇で暇で仕方がないのだ。個人差はあるが、毎日やることがある老人は幸せだ。特に自分の仕事がある高齢者はそれで暇から逃れる。

会社を卒業したシニアが抱える問題

年金生活を始めた高齢者は、きゅういく、きょうようを毎日見つけて置かないと奥方様に邪魔扱いをされる。最初の1年ぐらいは、遊ぶことで暇を上手く使えるのだが、2年目からは遊びに飽き始める。自由になった身の振り方で焦りだす。仕事を探そうとするが1年間のブランクで社会から離れてしまっている。70歳代のシニアは、皆こんな感じで暇の無くす方法を探している。

きょういく・・・今日行く場所

今日行く所で迷っているシニアは、何でも良いからあまり考えないでアルバイト先を見つけることだ。週3日ぐらいアルバイトで働き、新しい生活のリズムを作る。残りの平日2日間は、アルバイトの息抜き日にする。映画を見に行ったり、カフェで文庫本を読んだり、夫婦で外食をしたりして楽しむ。

働くことが嫌な、出来ない、高齢者は、スポーツセンターに毎日午前中に開催される健康教室に参加することだ。毎日午前中に体を鍛える運動をすることで健康を維持しながら午後は昼寝をする。または、都会に出て街中を歩き回る。

自分の居場所を自宅以外の所に確保する。これが老後の生活でいちばん大切だ。夫婦二人で1日中顔を合わして生活が出来るのは、新婚のときぐらいだろう。何十年も一緒に生活をした老夫婦であると喧嘩が絶えない。自宅は、奥方様のお城。後からやってきた旦那は異人だ。奥方様から言えば、仕事をしないで自宅にいてもらうのは自分のパーソナルスペースを侵害しているのと同じだ。

シニア男性の「きょういく」は年金生活に入る前に準備して置くことが何よりも最優先される。

きょうよう・・・今日する用事

自分の居場所が自宅以外の所に確保できたら、「きょうよう」を見つけることになる。週3日でもアルバイトが出来るようになれば、「きようよう」でそれほど悩むことはなくなる。もし、何もやることがなければ、アルバイトの日数を5日間にすれば平日にやる仕事が定まる。

本当は、自分がやりたい事で毎日が費やされるのが理想だ。誰もがそんな状況にいるとは思えない。私のように個人事業主としてビジネスを毎日やっているならば、やることは既に決まっているので問題はない。

年金生活に入ってもやりたい仕事を持っているシニアは、その仕事を生涯続けるべきだ。歳だからという理由で辞める必要はないし、辞めた後に何か特別なことをやる事情があるならば、それは有りだろう。

「きょうよう」は男女区別なくスケジュール帳にやるべきことが書かれていれば楽だ。毎日誰かとカフェをするスケジュールを作ったり、散歩を一緒にしたり、ランチを食べたり、何でも良いから思い付くことをスケジュール帳に書き込むことだ。

年齢は増え、体は赤ちゃんのように自分で動けなくなる

歳は毎年増えて行く。体はその逆で弱くなっていく。こんな感じでライフスタイルが変わって行く。

  1. 普通の生活が出来て、活動面で支障がない
  2. 足腰が弱くなり、行きたい場所に行けなくなる
  3. 杖や歩行器がないと歩けなくなる
  4. 車椅子でないと動けなくなる
  5. 自宅から老人ホームに生活の場が変わる
  6. 介護スタッフの支援が必要な生活になる
  7. 介護ベッドの中で寝ている生活になる
  8. 他界する

きょういく、きょうよう」が問題になる時期は、自分で動き回れる体力がある間だけだ。健康寿命を維持できている年齢が限度になる。その後は自分で動けなくなる不自由な生活を送るだけ。

結論

  • 「きょういく」は、今日行く所。「きょうよう」は、今日する用事。年金生活で仕事をしていないシニア男性は、この2つの問題に直面する。
  • 私からの助言は、何でも良いからアルバイト先を見つけて小遣い稼ぎを始めることだ。アルバイトという仕事を生活のコアにして自分の生活のリズムを作ることである。
  • 理想は、やりたい事で自分独自の生活スタイルを築くことである。