筋トレをするためにスポーツジムの会員になるシニア。時間とお金をかけて健康増進のためにやってくるのだが、その効果がイマイチ。その理由ははっきりしている。もし、スポーツジムで筋トレをしているシニアならば、この記事を読んで頂くとさもありなんと思うはずである。

私は毎週月曜日と金曜日の午前中にスポーツジムで筋トレを2時間ほどやる。自分の筋トレメニューに従って計画を持ってやっている。筋トレをしている時は一人黙々と筋トレに集中している。時々、見慣れた顔のシニアがやってくると挨拶をするぐらいである。

69歳になるとスクワットを1セット終わる毎に3分ぐらい息を整える必要が出てくる。ベンチプレスや懸垂のときも同じようにセット後に3分ぐらいはどうしても息を整える休憩が必要になる。Fitbitの時計で心拍数を見ながら心拍数が100以下になったら次のセットを行うことにしている。

休んでいる間にジムの様子を眺める。 ジムのトレーナーや管理スタッフが女性であるとシニア男性が必ず話しかけておしゃべりが始まる。筋トレをしている時間よりもおしゃべりをしている時間のほうが長い感じだ。数人で筋トレをしているシニアグループが居る。ベンチプレスでお互いを補助しながらやっているのだが、セットが終わる度におしゃべりが仲間の間で始まる。

ジムで筋トレをする時間よりもおしゃべりする時間のほうが多いため無駄な時間を使っているという印象がある。ジムはシニアにとって社交の場であるが、目的を間違えないことである。ダラダラと筋トレをする時間を伸ばすと筋トレ効果は生まれてこない。

スポーツジムでお金と時間を無駄にするシニアたちの行動

シニアがスポーツジムでお金と時間を無駄にする行動

この画像は米国のスポーツジムで指摘されている間違った筋トレ行動の図である。英語で書かれているが読めばポイントがすぐに分かる。

ウォームアップ運動をしないで筋トレを始める

ちゃんとウォームアップ運動をしてから筋トレ器具を使う人が年令と性別を問わず少ない。特に若者はすぐにベンチプレスをやり始める。若者の体は若いのでウォームアップ運動をしないで筋トレを始めても無理が効く。一方でシニアの体はそうは行かない。

ウォームアップ運動は筋トレに慣れていない筋肉や心肺に「これから筋トレを始めるぞ!」という信号を伝えるためにある。老いてきた体にはその信号が必須である。急な負荷がかかる筋トレは体を不調にしたり、怪我をさせたりする。良く起きることは筋肉の筋損傷で1週間以上痛みが続く。

実は先日懸垂をちょっとやりすぎた。予備運動が不十分であったためか左側広背筋の下部にある筋肉の筋を痛めてしまった。3日経ってもその痛みが続いている。湿布を貼っているのだがすぐには痛みが引いていかない。老いで回復に時間がかかっている。

シニアの方はウォームアップ運動を必ず行うべきである。それも十分時間をかけて身体の柔軟性を調えて使っていない筋肉を運動に耐えられるようにすることである。

知り合いのシニアと長々と無駄話を始める

シニアの体は筋トレのセット後に十分休まないと続けられない。そんな状態まで体力が落ちている。ただ、ベンチに座って休む時間が長くなると近くにいる知り合いとおしゃべりが始まる。おしゃべりが始まると筋トレをやりに来たという意識が薄れ口の筋トレの社交場になってしまう。その落ちが筋トレを十分やらないで知人と一緒にロッカールームに行ってしまう。筋トレは続かない。

基本、筋トレは一人で黙々とやるべきである。自分のペースで筋トレが出来るし、メニューに従って行うという意識が保てる。仲間がいてもいつも一緒に筋トレをするという保証はない。筋トレ仲間は筋トレを終わった後に口の筋トレを始めれば良い。

不定期にスポーツジムにやってくる

運動は定期的にやらないと効果が出ない。筋トレも運動習慣をまず作らないと続かない。週に1回から始めて週2回を目標にする。私が観察しているシニアたちは不定期にスポーツジムにやってくる。スポーツジムに足を運ぶだけでも立派なのだが期待する筋トレ効果は得られない。

肥満で体重が増えて血糖値が上がっているシニアは体の筋肉全体を活性化してカロリー消化量を増やす必要がある。筋肉は余分なカロリーを効率的に消化する。筋肉量が老化で少なくなってきているシニアは消費カロリー量が減っている。筋肉量を増やす筋トレはダイエット効果をもたらす。

但し、定期的に筋肉を刺激する筋トレ習慣が必須になる。筋トレ効果を出すには定期的にスポーツジムにやってきて一人黙々と筋トレに励むしか無い。

筋トレ中に十分な水分補給をしない

私はスポーツジムに塩を入れたマイボトルを持ってくる。セットを終わる度にひと口、ふた口と水分を補給する。その理由は汗と口から失われる水分を補充し血液の流れを良くするためである。体の疲れは血液の流れが悪くなると回復が遅れる。水分補給は筋トレで必須になる。若い人の筋トレを観察すればすぐにそれが理解できる。

マイボトルを持ってセット毎に水分補給をしているはずである。アクエリアスやポカリスエットはオススメしない。あまりにも糖分が多すぎる。塩というミネラルを含むただの水で十分である。

筋トレを1時間ぐらいやれば必ず喉が渇き始める。高齢者は水分不足であるので意識して水分を多く摂る必要がある。

筋トレメニューや目標計画がない

体の筋肉量を増やすには毎回行う筋トレメニューと目標計画が必要なる。筋肉はトレーニングの負荷が増えていくに従って負荷に耐えられるよう適応していく。その過程で筋肉量が増加する。それを達成しやすくするために今日やるべき筋トレメニューがある。

目標計画は厳密なものではなく大雑把な計画で良い。例えば、ベンチプレス50キロを1セット5回を3ヶ月後に10回にするとかである。筋トレメニュー毎に目標回数とセット数を期間で設定する。筋肉は3ヶ月毎に生成される。生成される度に筋肉量が増えたり減ったりする。筋トレ効果が出るのは最低でも3ヶ月後である。多くは1年後にその効果を体感できるようになる。

1年間にベンチプレス50キロを60キロまで上げるという目標があると黙々と筋トレに集中できるし、運動習慣も身に付きやすくなる。

結論:

スポーツジムにやってくるシニアには本当に筋トレをしたいのか?と思うような人達がいる。普通、筋トレをやりに来る人達は一人黙々とストイックに筋トレを始める。そうでないシニアは筋トレを始める前にベンチに座り、近くのシニアとおしゃべりを始めるか、じっと他人の筋トレ姿を眺めている。

筋トレの恩恵を受けるには計画的に筋トレメニューにしたがって黙々とやるしか無い。単純なことなのだが、運動習慣と目的意識が強くないとジムに来て無駄なお金と時間を費やすだけになる。シニアが筋トレを始める時に注意すべきことがある。

  • ウォームアップ運動をしないで筋トレを始める
  • 知り合いのシニアとの無駄話を始める
  • 不定期にスポーツジムにやって来る
  • 筋トレ中に十分な水分補給をしない
  • 筋トレメニューや目標計画なしに無理な筋トレをする

上のような行動を始めるとスポーツジムで筋トレを行う意味がなくなる。お金と時間を無駄にする。