介護の話題が新聞を賑わせている。両親の介護で会社を退職して介護に専念したら、老後破産状態になったという記事が多い。又は、親の介護をやり始めたら仕事が出来なくなったとか。介護の負担で自分も体調を崩して職を失ったとか。介護が原因で子供たちに余分な負担が行く。

自分たちの子供に私達の介護の負担を極力少なくするには、介護を必要としない体を作る生活習慣を身につけるしかないと思っている。介護負担は自分の身の回りの世話が自分でできなくなった時に始まる。それが認知症だったり、他の病気だったり、足腰の筋力の衰えだったりする。

健康寿命を伸ばすことが家族に介護負担を負わせない確実は方法になる。健康寿命を伸ばす基本は何か。

介護の世話にならない体作り

私達夫婦は4年間妻の両親の介護支援をしてきた。現在、義父は介護付き老人ホームに入居している。義母は老健施設で足のリハビリ生活を送っている。4年間の介護支援から介護の負担がどんなに重いかを体験した。自分の時間が介護に取られると今までの生活リズムが崩れる。

自分たち夫婦が介護される立場にならないことを意識した。介護負担を家族に負わせないようにするにはどうしたら良いのかを考えて予防策を今から行う必要がある。

介護のお世話になる状態と予防策

  1. 認知症になる
  2. 足の筋肉が衰えて歩けなくなる
  3. 骨を骨折して入院する

この3つの状態が大半ではないか。認知症にならないためには、アクティブに動き回れる生きがいや目標が必要になる。刺激が無い日常生活が続くと脳は退化する。脳を活発に働かせるには、頭と体を使うしかない。会社に勤めていれば、自動的に頭と体を使う。意識しないでも脳を刺激してくれる。

よく見る事例は、定年退職をした男性が毎日が日曜日で自宅でぼーっとしている状態である。精神的にも肉体的にも脳に対して刺激が発生しない。1年以上遊び続けても遊びが趣味でない場合は精神的に満たされない。誰が見ても不衛生な生活、普通の生活では無いと思うはず。何でも良いから体と頭を使うアルバイトなどをやるべきである。

歩ける体が基本

自分の足が動かなくなる。歩けなくなる。立ち上がれなくなる。こんな状態が続くと自分で動き回れなくなる。足の筋肉は、60歳を過ぎると急激に衰え始める。特に、定年退職をして毎日通勤をしなくなると足を定期的に使う必要がなくなる。会社と自宅との間を通勤する運動は足を知らず知らずのうちに鍛えている。

歩く習慣が定年退職でなくなる。その結果、足の筋肉に刺激が生まれなくなり筋肉が衰えて歩けなくなる道筋が生まれる。これは、誰もが経験する自然の原理であるので今から対策を取る必要がある。対策は至って簡単。定期的に歩く習慣を作る。医者が毎朝、毎夕散歩を奨励する理由がここにある。1日1万歩以上。

実際、散歩だけでは足りないと私は思っている。足の筋肉を意識して鍛える筋力運動をするべきである。老いてくると自然に体の筋肉が衰えてくる。体を使わない生活が続くからである。体を使わないと必要以上に筋肉を必要としなくなる。会社員時代は毎日外に出て活動していたのに、定年退職したら毎日自宅にいて体を動かす機会が無くなる。この違いは大きい。

農家のシニアは、毎日野良仕事をして体を使っている。80歳以上の農家のシニアは凄く元気だ。体が衰えていない。いつも体を田んぼや畑で使っているからだ。元会社員は、生活の習慣で違いがある。体を動かして働くことがない。

スポーツジムに通って体の筋肉を鍛える

仕事以外に体を動かす運動をする必要がある。私は定期的にスポーツセンターに行き筋トレをすべきだと思っている。筋力運動を定期的に行うことで筋力を維持・強化するだけでなく健康も同時に向上できる。老後は一般的に体を活発に動かさない生活が増えてくる。これが体力を落とさせて筋肉の量を減らす。体力と筋肉は環境に適応する。体に楽な環境はシニアにとって良いようで良くない。

例えば、駅の階段である。駅にはエスカレーターと階段がある。エスカレーターは足の筋肉を使わないで楽をさせる。階段は苦労して足を使う。多くの人が足に楽なエスカレーターを使う。階段を使う人は目的を持って使っている。階段の上り下りは足の筋肉を鍛える。それが生活習慣として身につけば意識しないで健康増進が出来るようになる。それが分かっている人たちである。

ポイントは体を定期的に動かして筋肉を鍛える生活習慣を身につけることにある。筋力が付いてくれば、自動的に骨も丈夫になってくる。当然、食事もそれをサポートする。タンパク質と植物繊維を沢山取る必要がある。

定期的な運動習慣で新陳代謝が良くなれば、骨の再生も活発になる。骨も刺激が無いと丈夫にならない。力仕事をしていた人の骨は、頑丈に育つ。骨も筋肉も外部の負担に耐えられるように作り替えられる。

結論

介護の世話にならない体作りは健康を増進する生活習慣を身につけることから始まる。60歳を過ぎて自分の時間に暇が生まれたら、衰えてきている体を鍛える運動習慣を身につける必要がある。加齢で体の筋肉が毎年1%づつ失われて行く。それがあるポイントを過ぎると歩行障害につながる。歩行障害が起きると介護される立場になる。そうなると家族に介護負担が発生する。

自分の世話が自分でできる健康と体力を維持するには健康増進につながる定期的な運動習慣が必須である。