還暦を迎えるとなぜか自分の健康に意識が行く。意識して10年が経過した。人それぞれ持病を持っている。歳を取るにつれて体の至る所に不具合が出てくる。70歳は老人の入口。体は確実に衰えていっている。その衰えは病気として突然浮上する。
例えば、腰痛、指のこわばり、体が硬くなったり、関節が痛くなる。今までは何ともなかったのにある日突然発生する。これが加齢による現象だと気がつくまでしばらくかかる。帯状疱疹も加齢からくる免疫力低下が多くの原因である。私も60歳頃に帯状疱疹に襲われた。帯状疱疹という病気がわかるまで内科、脳外科、皮膚科などを渡り歩いた。左側の頭の毛に触ると痛い。この症状が帯状疱疹であるとわかるまで苦労した。
筋トレを本格的にやり始めて10年が過ぎた。週1回から2回の筋トレ習慣で自分の体が変わった。自分では体の変化に気が付かなかったが、息子たちや家内から体格がスーパーマンのようにがっしりしてきたと教えてくれた。食事ではタンパク質を多く摂ることを意識している。
病気らしい病気にはかかっていない。持病の緑内障だけである。生活習慣病と言われる症状は一切ない。お腹辺りに脂肪が少しついているが、目立つような脂肪の付き方ではない。お腹はフラットである。体脂肪は20%前後、問題は内臓脂肪で14%(やや多い状態)。毎朝夕に体重計に乗り体重の変化をモニターしている。
急激な体重の増減はないので安心している。「健康」は意識していないと上手く管理できない。
目次
意識して自分の体の変化を見る(70歳から老いが急激に襲ってくる)
毎日朝とお風呂に入る前に体重計で自分の体重の変化を調べている。急激な体重減は注意に値する。大学生時代の体重を今も維持している。体重に変化があまりなければ問題が無い。まずは、これが基本になる。最近の体重計は色々な健康チェックデータを表示してくれる。BMI、体脂肪率、基礎代謝量、体内年齢などだが、参考程度にしている。
体の変化は夜お風呂にはいる前に鏡に自分の体を映す。体に何か変化がないかを調べる。皮膚や贅肉、体型と筋肉のつき方、浴槽の中でも体を触ってしこりがないかを調べている。このおかげで背中にできた粉瘤や太もも裏に出来た脂肪腫などを早期に発見し、手術で摘出した。
自分の体は神様からの借り物
自分の健康は体力に出てくる。胃腸の調子が悪いと体全体の調子が悪くなる。自分の体は生まれてこれまで当たり前の物と思ってきたが、体は借り物のように思えてきた。大切に取り扱わないと駄目になってしまうレンタカーのような物。
70年以上もこの体を借りながら生きてくると自分の体の弱い点が自然とわかってくる。それは遺伝から来る物かもしれない。無理が出来ない年齢であることが分かってくる。若い頃は徹夜をしても体力があるから耐えられたが、今は徹夜をしたくないし、耐えられない。海外旅行で8時間以上空の旅になると眠れない。目的地に到着した時は徹夜状態になる。不快感が体に残る。
健康寿命を伸ばしたいならば、意識して今の肉体を大切に取り扱う必要がある。健康寿命を維持できなくなった時点で死に向かう路線を走り始める。健康寿命を回復できれば幸運である。多くは老人ホームに入居して介護を受けながら自分の死を受け入れることになる。
健康に悪い生活習慣をやめることである。これができれば、確実に健康寿命を伸ばせる。
シニアは老いに従い自然と自分の体に気を使い始める
自分の体の状態を意識すると体の使い方に気を遣うようになる。風邪気味の時に外出は控える。出来るだけ、水とビタミンを取り体を休める。当たり前の事だが、若いとこんな事を無視して外に出てしまう。それでも体力があるから何とかなってしまう。
でも、還暦を越えた体はそうはいかない。精神年齢と体の年齢が同期しない。そう、頭は若い自分であると思っているのに体は年相応の反応を示す。このギャップに驚く。初めて自分は思っているほど若くないと意識し始める。
日常生活でつまづいて転ぶことがなかったのに還暦を過ぎた頃から躓くことが増えてきたというシニアが多い。友人や知人の中には転倒して病院に入院したというケースもある。肉体の老化サインは意識して身体の状態を観察していれば分かるようになる。
70歳近くになって朝立ちが感じられなくなった。これも老化現象である。食事をすると鼻水が出る。これもそうだ。急に立ち上がって歩き出すと呼吸が苦しくなる時がある。今まで経験したことがない現象を体験する。
シニアの健康管理
高齢者は自分が抱いている年齢と実際の体の年齢を同期する事から健康管理を始めるべきである。これが同期できないと無理が体にでる。無理をしないという事がシニアの健康管理の基本になる。もう、若くないという事を頭にたたき込むことで自分の健康管理に気が行くようになる。
60歳、70歳、80歳の時に自ずと頭が歳を感じ始める。体が頭にそう伝える力が強くなるからだ。膝、足腰、肩、体のいたる場所で不快感が生まれてきて、「ああ、俺はもう歳なんだ!」と悟る。筋トレを数十年続けている私の体も年々体に違和感を覚え始めている。筋トレ後の疲れの回復に時間がかかっている。今まで2日間で疲れを回復していたが、今では3日間かかるようになった。
シニアになると成人病という天敵が現れる。肥満から来る糖尿病、高血圧、ガン、脳梗塞、心筋梗塞などを身近に感じ始める。それは友人・知人が成人病で命を縮めてきているという事から知らされる。60歳から70歳を過ぎた頃、人間ドックで生活習慣病であるので定期的な運動をしなさいと医者から強く助言されるシニアが多い。
加齢から来る活動の低下とそれに伴う新陳代謝の衰えで免疫力が低下する。それを意識しながら健康維持の方法を考えることになる。シニアが健康を考える時、直ぐに手を出すことは健康食品やサプリメントに頼ることである。テレビや新聞広告で目にするシニアをターゲットにした健康食品やサプリメント等を医者は勧めていないと言う事実を認識するべきである。
楽してお金を稼げないように楽して健康を維持できない。テレビ、ラジオ、新聞、ネットではお金で健康や若さを買う宣伝で満ちている。現実はありえない。健康はお金では買えない。
医者はシニアが陥る運動不足を改善するために運動習慣を身に着けなさいという。加齢から来る体力の低下は筋肉の損失から来る。運動不足で体を動かさないと自然に使わない筋肉が体から失われていく。新陳代謝の低下も運動不足から来る。アクティブに体を定期的に動かす生活習慣を身につければ、肥満にまつわる病気のリスクを低減する。
私の知人は高血圧と痛風で病院通いである。歳を取ると病院が友達の家になる。一方、別の友人はスポーツジムで筋肉運動(ウエイトトレーニング)を定期的にしている。体重が減り、体が軽くなったという。食事も美味しく沢山食べるようになった。
筋トレで筋肉量を増やすことが出来る。だが、落とし穴がある。筋肉は定期的に鍛え続けないと維持できないという事実である。今やっている筋トレを1年間お休みすると逆三角形の体格が普通の老人の体格になる。体力のそれに伴って落ちて行く。元気な体を維持したければ、継続して運動を続けることである。
健康を意識した生活
シニアは老いに伴い楽なことを考えがちになる。体の体力低下で自分の力で動くことをしなくなる。100m先にある知人宅に行くのに自動車を使う。自分の足で十分歩ける距離であるのに自動車を使う。そのほうが楽であるからだ。
シニアの健康改善で一番効果があるのは
- 毎日5キロから10キロ、歩くこと
- 足腰の筋肉を鍛える筋トレを週2回行うこと
- タンパク質の多いバランスが取れた食事をすること
- 体を疲れさせて睡眠時間を増やすこと
活動量を増やせば、自然と食欲も増し、疲れで睡眠が十分取れるようになる。粗食や少食はシニアの体を低栄養状態にする。偏った食事は病気を誘発する。食べる量が減ると生命エネルギーも減ってくる。たくさん食べて沢山活動する生活を心がけるべきである。新陳代謝を増やすにはそのような生活が不可欠になる。
シニアの健康の基本は3つある。
- 体を積極的に動かす生活をする(運動習慣を身につける)
- タンパク質を多く取るバランスの取れた食事をする(筋肉を増やす材料になるたんぱく質を多く取る)
- 睡眠を十分取る(アクティブな活動で体を疲れさせて睡眠時間を増やす)
結論
シニアの健康管理は自分の体の変化を観察し気遣うことから始まる。体重の増減、血圧、睡眠時間、水分量、食の質と量、食事から十分取れないビタミンやミネラルを健康食品やサプリメントで補完できているかどうか。
老いから来る体力の低下は健康に影響する。体力不足の原因は体を活発に動かさなくなり、筋肉を作るタンパク質を取れなくなる食事から来る。運動習慣を身につける重要性をシニアは認識すべきである。生活習慣病を改善するには定期的な運動が一番効果がある。
毎日1万歩、10キロを歩く生活を1ヶ月するだけで体重が減り、足腰の筋肉も増える。食欲も増えて新陳代謝も改善される。老いで楽をする生活にならないことである。