電車の中でマスクをしていないで咳をしている若者がいる。新型コロナウイルスの脅威にさらされている65歳のシニア男性にとってその若者の行為は常識知らずに見える。テレビで何度も注意と対処法、咳マナーを聞いているはずだと思うのだが、それが守られていない。

シニアとして怒りが首まで上がってくる。一言、「そこの若者!マスクをしろ!咳エチケットを忘れたのか。」と言いたい。感情の起伏が激しくなる自分を意識する。ことを荒立てたくないので私が取った行動は、その若者がいる場所から遠くへ移動することであった。

最近、ちょっとした事で自分が怒り出すようなことが増えてきている。いつも、なぜだろうかと感じる。感情も老化するのだろうか。

感情の老化現象

老化によって肉体も精神も自分が楽をする方向に向かう。肉体の老化は筋肉の損失から歩行困難をもたらす。精神的な老化は好奇心や意欲が減退し人との付き合いを面倒になったり、何かを学ぼうという気力が少なくなる。こんな状況をなんとかしたいと思っているのは私だけではないのではないか。頭ではマンネリ化した生活を見直し、積極的に驚きや感動と出会うことが大切であると思っているのだが行動に移せない。

スタバでの出来事

昨日のスタバで店員さんとお客が何やら問題を起こしていた。お客の老人(70歳以上)が大声で店員さんを一方的に怒鳴り散らしていた。店員さんは何も言わずにお客の老人の怒鳴り声を聞いていた。その状態が10分以上続いたので一体何が起きているのかを探りに席を立った。

そのスタバの常連客の私であったので困っている店員さんを助ける意味合いで怒鳴っている老人にこう話しかけた。

私:「怒鳴り声がお客である私や他のお客に聞こえて迷惑を被っているのですが、・・・」

老人:「うん、何だ。ああ、分かった!」

老人に冷静になる時間を話しかけることで与えた。同時に周りのお客に迷惑になっていることを気づかせた。

その後も少し怒鳴り声が聞こえたが音量は小さくなっていた。そして、その老人客はその場を去っていった。 

なぜ、その老人客は怒鳴り出したのだろうか?

30分後に店員さんが私の席まで来て事の原因を説明してくれた。原因は2つあった。

  1. ディカフェのアメリカンコーヒーを老人客は注文した。老人の認識ではディカフェにはカフェインがゼロであるという認識でいたが、スタバのディカフェには数%のカフェインがどうしても入っているということを知って嘘をついていたと言い始めた。店員はディカフェには数%のカフェインがどうしても入ることを過去に何度も老人客に説明していた(老人客は過去に何度もこのスタバのディカフェを注文していた)。今回もその説明をした時にカフェインが入っているではないかと怒り出したという。
  2. 困った店員さんは外出中の店長に連絡を取り、店長に対応を求めた。店長がすぐに外出から戻ると店員が勘違いしたため、老人客を必要以上に待たせてしまった。それでまた激情してしまった。

私のような第三者の目で分析すると老人客と定員さんの両方が原因を作っていた。老人客のディカフェコーヒーの理解不足。定員さんと店長とのコミュニケーション間違い。老人客は自分が正しいと思っているから納得ができない。どちらにも問題になる種があったのでこれと言った解決策はなかった。

気になったのは老人客が感情を抑えきれずに大声で店員さんを怒鳴り散らし続けたことである。感情的になっているので自分がいる場所に他のお客さんもいるということを忘れている点である。

私も感情を失いかけるときがある。幼児連れの奥さんグループがスタバに入ってきておしゃべりに夢中になり幼児の叫びや大声を注意しないときである。幼児たちには何も罪はないのだが、一般大衆がいるカフェで母親たちは幼児教育として幼児に「静かにしなさい!」というしつけをする義務がある。

次第に周りのお客が奥さんグループに白い目で見つめ始め、それに気がついた母親たちが雰囲気を察してスタバをで始めた。私の不満が爆発する一歩手前であった。今、そのことを振り返ると不快な刺激に耐える気力が弱まってきているのではないかと感じる。

感情老化から怒りが収まらなくなる

こんな記事内容を見つけた。参考になるので引用したい。(Woman Smartライフスタイル

感情老化とは、脳の中の「前頭葉」という感情や意欲、創造性などをつかさどる部分が老化することをいいます。和田さんは長年、高齢者医療の現場で膨大な量の脳のCTやMRI検査画像を観察してきた結果、「加齢によって脳は萎縮するが、均等に萎縮するわけではなく、前頭葉が最も早く萎縮することが分かってきた」と言います。前頭葉の萎縮は、早い場合は40代から始まるのだそうです。

前頭葉が萎縮すると、怒りが収まらない、意欲が湧かない、柔軟性がなくなるといった「感情老化」の症状が多くなります。下のチェックリストで算出した感情年齢が実年齢を上回った人は、「感情老化が始まっていると自覚して」(和田さん)

感情の老化という現象が老人の忍耐力を弱体化していた。感情の老化を改善するには前頭葉を刺激して衰えを遅らせるしか無い。参考になる本がある。

私が感じる一番の方法は、自分がやりたいことを追求する生活を始めることではないか。日頃の生活とは違った新しい経験を求める。やったことがない体験をする。世間体を気にしないで自分の好奇心を満たすことであると思う。

結論:

老化によって感情を抑える忍耐力が弱まっている。冷静に物事を考えるプロセスをスキップして結論に飛ぶ。自分が伝えたいことが出来なかったり、理解されないと感情が声に移って怒鳴りだす。自己中心的に物事を考えがちの精神状態になるのが感情の老化が進んだ老人である。 

なぜ、老人は感情をむき出しにして怒鳴り始めるのか?を考えると感情の老化が影響していると思わざるを得ない。肉体の廊下に加えて感情の老化が起きるということをまずは理解すべきだ。