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80歳前後のシニアが歩いている。突然、道路を渡ろうとする。歩道から離れて道路の脇まで出て信号機を見ようともしない。よろよろと道路を渡り始める。自動車は、急ブレーキをかける。ご本人は、そんな事などを何も気にしていない様子である。私の目には、常識外れの老人としか見えない。

歩道があるのに歩道を歩かない。道路を歩き出す。普通の人ならば、こんな事をしないはず。信号機と横断歩道が近くにあるのにそれを交通ルールに従って利用しない。こんな状況を何度も目撃している。常識を疑う老人の行動に驚くしかない。

老人にとって常識なんでどうでも良い?

交差点に横断歩道と信号機がある。周りには信号が変るのを待っている人たちが大勢いる。なのに、信号機も見ないで堂々と交差点を渡り始める老人がいる。常識外れの老人に見える。単純に自分の都合を優先しまっているのだろうか。自動車に引かれるリスクを理解していないのだろうか。

私だけが、あっ、危ない!と思っていただろうか。 周りの人を見たら、その常識外れの老人を見つめていた。自動車は、その老人の近くを迂回しながら交差点を走り出す。

老人の常識外れの行動には理由がある

その老人は、視覚障害や認知障害などがあるかもしれない。それとも、交通ルールなんて関係ないと思っているのか。トボトボと危なっかしい歩き方で交差点を歩いて行く後ろ姿には危険を自覚していない。

知覚機能の低下

老いると知覚機能が低下するという。私自身、緑内障で右目の半分近くが白くなって視野の障害を持つ。左目も緑内障の症状が出てきてしまっている。知覚機能には聴知覚、視知覚、嗅知覚、味知覚、触知覚、視空間知覚の機能がある。目の悪い老人で視空間知覚が衰えていれば横断歩道の信号機を認知できていないかもしれない。

認知症の影響

認知症になって徘徊している老人であるならば、これらの現象は理解できる。そうでない老人があからさまに信号無視で道路を渡るのは本当に理解しがたい。

精神的な余裕の欠如

73歳のシニア女性に交差点で信号無視で横断する老人の話をしたら、こんな回答が帰ってきた。

老人になると1つの事に意識を向けていると他の事が目に入らなくなる。その状態で道路を渡ろうとする時、交通ルールという常識を忘れてしまう。普通の人でもなにかに集中して考えていると周りの状況が認知できなくなるのと同じ。老人はこの状態になりやすい。老化で精神的な余裕が少なくなる。

横断歩道の信号機を見て「青」を確認し、左右を見て危険がないかを再度認識するという精神的な余裕が乏しくなる。道路があれば直ぐに渡らなければと思い始めると横断歩道も信号機も認識されなくなるという。

自分の都合を優先する思考

老化で歩行障害がある老人は道路を渡るときに横断歩道がある場所まで行かないで目の前の場所で道路を渡る。その場所が一番自分にとって都合の良い場所であればあるほどそうする。不自由な体を移動させるのは苦労する。常識を無視して苦労が解消できるならば、老人は楽な手段を取りがちに成る。この判断は一般の人にも通じるが老人はその傾向が強く出る。

理由が分からない老人の行動

道路に歩道があるのに道路脇を歩く老人。歩道があるのに「歩道がない道路側を歩くシニア」を見かけるのが多い。見の安全を考えたら、歩道を歩くのが正解なはずなのだが。自分の都合で問題がないと思っているのだろうか。

子供の行動を見ていると老人の行動と類似なことに気がつく。物事をあまり深く考えないで自分の今の欲求を満たす行動をする。老人にも色々な人がいるので個人差が大きい。目立つ老人は一般の人の目に異常に映る。理由が分かれば理解できるのだが、常識の範囲を超えた行動は理解できない。

結論

老人は交通ルールで常識外れの行動をする。知覚機能の低下、認知症の影響、精神的な余裕の欠如、自分の都合を優先する思考などが交通ルールで常識を外れる行動となっている場合がある。内的な要因であるため本人しか分からない。身の危険を考える前に自分の都合を優先してしまう老人。