異常気象による被害で高齢者たちがたくさん亡くなった。自分自身を助けることが出来ないほど筋力や体力が不足していたという。目の前に動けない老人がいるのに、自分の筋力が弱いために見殺しにしてしまったという事例もある。65歳を過ぎると体力も筋力も衰えていくことを肌で強く感じる。

私の知人70歳は腕立て伏せが1回も出来ない。何かにつまずいて倒れれば、腕だけで支えきれないで地面に顔をぶつけてしまう。体力と筋力の衰えは普通の生活ではさほど気が付かない。気がつくのは体力測定やスポーツをした時である。以前は体力的に問題がなかったのに今回は様子がおかしいと気がつく。

60歳を過ぎたシニアは自分の体の変化を意識する必要がある。筋肉は使わないと急激に衰えていく。その年齢が60歳を過ぎた時になる。普通の生活では必要以上に筋肉を使わないから筋肉の衰えに気が付かない。これが落とし穴!

老人が普通の生活から介護される生活になるきっかけは転倒である。つまづいて転び骨折する。自分の身体を自由に動かせる筋力があれば、骨折しない転び方が出来る。脚力で踏ん張り、倒れても腕の力で身体を支え衝撃を和らげられる。

シニアが転んで怪我をしたという話が老人の会話の中で頻繁に出てくる。筋力の衰えは身の危険に及ぶ。幸運な事は筋肉は年齢、性別に関係なく鍛えれば成長・強化できると証明されている。体を鍛えて自分の体を自由に動かしたいという意識があれば、筋トレを始められる。無理をせずに出来るところから始めるのがコツである。

成果は直ぐには出て来ないがちょっとづつ体の筋肉は成長していく。年単位で筋肉は増えていくので辛抱強く筋トレを定期的に続けることである。

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怪我から自分を守り、他人を助けられる筋力と体力

外でも室内でもつまづくことがある。老化で感覚が鈍ってきている。つまづいても上手くバランスを取れれば問題はないが、転倒してしまうと怪我をするシニアが多い。体を自分の腕だけで支えきれないため顔や頭を傷つけてしまう。

雨の日に鉄のマンホールの上を歩くと滑る。滑って足幅が普通以上に広がる。この時点で脚力があると倒れないで踏ん張れる。ほとんどのシニアは足幅が広がるのを止められないために左右どちらか後ろに転んでしまう。この時に手と腕で倒れる体を支えようとするがそれが出来ない。そのために腕、腰、お尻などを骨折したりする。

転倒時に自分の体を支える筋力が体にないと怪我をする確率が大きくなる。

自分の基礎体力を知る

69歳の私は筋トレをしている。筋肉は鍛えれば鍛えるほど正直に答えてくれる。筋肉は体に掛かる負荷に適応する能力がある。今60歳以上のシニアは自分の基礎体力がどれほどあるかを認識する必要がある。

  1. 腕の力をチェック・・・>腕立て伏せ10回できるか
  2. 足の力をチェック・・・>スクワット10回できるか
  3. 起き上がれる力をチェック・・・>腹筋10回できるか

これらが出来るシニアは転倒した時に必要な最低限の基礎体力があると思う。自分の体力は意識してチェックしないと分からなくなる。若い時は出来た記憶があるが、今は分からないというのが現実である。

異常気象で今まで考えたことがない災害が身近に発生している。災害が発生した時に物を言うのは、素早い動きができる体力と筋力である。自分の体を負担なく動かせる身体能力が最低限求められる。自分の足ですばやく走ることが出来なくなったら、生命の危険が目の前に来ている。自分よりも年寄りの老人が踏切で倒れて動かなくなったら、その老人を抱えて踏切から離れられるだけの力が必要になる。 

日頃から筋トレをやっていると40キロ、50キロ、60キロ、70キロ、80キロの重さを感覚的に体が覚えている。40キロ以上の体重の人を抱いて踏切から離れるには、日頃から筋トレをやっている必要がある。人間は重い。火事場の馬鹿力が出ない限り、奇跡は起こらない。

老人の体重が40キロから50キロぐらいならば、私は今の体力と筋力で老人の体を抱えて線路外に連れ出せる自信がある。その自信は筋トレでそれ以上の重さのバーベルを使ってスクワットをしているからである。スクワットで1セット10回を50キロ以上の重さでできれば踏切で倒れている老人を助け出せる。 

怪我から自分を守る、他人を助ける筋力

腕立て伏せが1回も出来ない65歳以上の高齢者は、自分がつまずいて倒れた時に自分の腕の力だけで上半身を上げるのが難しくなる。つまずき方が悪ければ、腕の力で転倒する自分の身体を支えられない。顔を地面に当てて怪我をする。

足の力が衰えると一度座ったら何かに捕まらないと自分で立ち上れなくなる。そんな体力になると異常気象による災害で自分を助けることも出来ない。脚力は人間が生きて行く上で最も重要な機能になる。自分の身体を自分の力で動かせなくなると死活問題になる。

外を歩いている時に強風に煽られて道路に倒れた。自分で立ち上がることが出来なければ、誰かが助けてくれるまで何も出来ない。自分を助ける体力と筋力があっても他人を助けるだけの体力がないと災害時に困っている人を助けられない。

筋トレは筋肉と体力を向上させる。重さ、回数で自分の体力と筋力の程度を自覚できる。筋トレの運動習慣が身に付けば、重さとセット回数が現在の自分の体力と筋力を教えてくれる。

自分の身を守るには、最低限、走れる脚力を維持する必要がある。足の筋力が衰えると自分の命を守ることが出来なくなる。動物も同じである。足は今からでも良いので鍛えるべきである。最低でもスクワット運動は毎日でも週一回でも良いから始めること。

93歳の時の義父は椅子に座ったら何度か立ち上がろうとするが上手く立ち上がれなかった。3回、4回立ち上がろうとしてやっと立ち上がれる状態であった。脚力が相当衰えていた。98歳になった今はどうなったか。老人ホームで車椅子生活になり、ベッドから車椅子に乗り移るときも介護ヘルパーの支援が必要になっている。

体力と筋力を生活習慣の中で身につける

毎日散歩して歩いていればそれで十分だと思っているシニアは、思い違いをしている!普通の生活では体力と筋力は気が付かないうちに少しづつ衰えていく。散歩で足を鍛えるには普通に歩く以上の負荷を足に与えながら歩く必要がある。

朝と夕方に散歩で道路を歩いているシニアを多く見かける。歩かないよりは歩いたほうが良いのだが、足の筋力を付けるうえでは効果がない。どうせ散歩するならば、階段がたくさんある神社やお寺参りをしたほうが良い。階段は足腰の筋肉をすごく刺激し筋肉を増やせる。筋肉痛が出るほど階段の上り下りをする散歩であれば理想的な散歩になる。

筋肉は普通以上の負荷を定期的に与え続けないと維持、成長できない。足に負荷をかける階段上り降りをする生活を意識的にするだけでも脚力は強化できる。60歳を過ぎたら、足を楽にさせない。エスカレーターやエレベーターを極力使わないで階段を使う意欲が求められる。一度、駅に有るエスカレータと階段を観察してほしい。どのような人たちがエスカレーターよりも階段を選んでいるか。

健康意識が強い女性、若者、中高年、主婦、老人が階段を上がっているのに気がつくはず。階段の上り下り運動は運動ということを意識しないで生活の中に取り込める。外出する時に駅やデパートでエスカレーターを使わないで出来るだけ階段を使えば良いだけである。 

老人の体力と筋力は老化現象で何も対策をしなければ確実に落ちていく。意識して体を鍛える筋トレをしないと自分の生命、他人の命を助けることも出来なくなる。

シニアが意識的に生活の中で筋トレ運動を取り込むには、こんな事(出来ること)から始めると良い。

  1. 外出時にはエレベーターやエスカレーターを極力使わないで階段を使う
  2. 散歩するコースに階段がある場所を取り込む
  3. お風呂に入る前にスクワット運動や腕立て伏せをする
  4. 週2回以上スポーツジムで筋トレをする

結論:

  • 眼の前に動けない老人がいるのに、自分の筋力が弱いために見殺しにしてしまったという事例。
  • 私の知人70歳は、腕立て伏せが1回も出来ない。何かにつまずいて倒れれば、腕だけで支えきれないで地面に顔をぶつけてしまう。
  • 老人の体力と筋力は、老化現象で何も対策をしなければ確実に落ちていく。意識して体を鍛える筋トレをしないと自分の生命、他人の命を助けることが出来なくなる。