Walt Disneyがこんな事を言っている。
"The way to get started is to quit talking and begin doing" (何かを始める方法はまず話を止めて行動に移す事だ!)
定年退職は一般的に60歳。多くの企業は、60歳になった社員を退職させてから雇用条件を変えて再雇用をする。同じ仕事をするシニアもいるし、全く別な仕事をするシニアもいる。再雇用で喜ぶ人は少ない。提示される雇用条件を見て戸惑う社員が多い。背に腹は代えられない社員だけが再雇用契約をする。
再雇用契約をしないシニアは何をするのか?私の知人は56歳になった時に自分でビジネスを始める準備を始めた。60歳から起業するためにはこれからの4年間の活動が物を言う。私も起業家として色々と彼に助言した。
目次
65歳まで再雇用されても残された選択肢は起業しかない
会社で55歳を過ぎれば人事部より第二の人生を考えるようにと通知が来る場合が多い。法律では65歳まで会社で働けるようになったが、現実は誰もが平等に働けない。会社にとって必要だと思われる人だけが現在の仕事を引き続きやれるという現実である。そんな人は限られている。
定年後、多くの人が直面する現実
- 再雇用時の給与は大幅に減額される
- 仕事は誰もが嫌がるろくでもないような仕事になる
- 単身赴任を強制させるような異動を促される
- 子会社に出向となるが、子会社には仕事がない
- 退職する
- 派遣会社に登録されてキャリア育成として別会社に出向される
- 1年ごとの契約更新で65歳まで継続して働ける保証がない
こんな事が起きる。ある程度の自信とやる気がある人は退職を選び独立する。
あと4年ある彼は色々な起業セミナーに出かけていって自分でビジネスを起こす勉強をしている。4年もあれば、十分起業の準備が出来る。問題は自分が本当にやりたいビジネスを見つける事が出来るかどうかである!
私の助言
私は彼にこう助言した。既に会社を後にして独立した友人、同僚、知人に会って起業の現実を学ぶ事が第一歩であると。失敗した人からの話も聞く必要があるし、何とか生活が出来ている人の話も重要である。最初から成功する人は本当に少ない。成功者の話は色々な書籍やセミナーで取り上げられるが失敗者の体験や話は表に出ない。だからこそ、事前にすでに独立した先輩から「ビジネスを失敗させる方法」を学ぶべきではないか。
定年退職を予定している人全員が起業すべきだというわけではない。適している人とそうで無い人が必ずいるが、現実は私たちに選択というオプションを提供してくれないかもしれない。そんな場合は自分が起業に適していないと思っても起業せざるを得ない。
何事もやってみなければ分からない。だから、あなたはやってみる価値がある。別の選択があれば、その選択をすれば良い。無い人は、何かをやるしかない。
独立するための勉強と副業体験
起業家になるための勉強はある程度は必要である。ビジネスは勉強だけで成り立たない。一通りの勉強を終えてから実際に実験ビジネス(副業)を体験する必要がある。4年間の内、2年間ぐらいは試行錯誤の実験ビジネスを体験する。特にインターネットではそれが可能になる。
時代は社員に副業を許す傾向にある。自分がやりたい、考えたビジネスを試すために副業としてやってみる。やりながら自分にかけている知識やスキルを見つける事が重要である。ビジネスはやってみないと分からないという世界である。初年度に売上を立てることが出来るビジネスならば、見込みがある。後は起業のタイミングである。
起業のタイミングは予定したタイミングに訪れない。今だと思ったら、そのときに決断して行動を起こすしかチャンスはない。そのためにも起業のための助走期間は長い方が良い。副業は助走期間である。助走している間にお客と売上をある程度確保することが成功の元になる。
ビジネスを始める前にお客を捕まえて売上を立てる
個人事業主で始めるのか、最初から法人を設立して始めるかで対応が違う。いずれの形態を取るにしても最初にやるべき事は独立する前にお客を捕まえておく事である。ある程度の売り上げが生まれている状況を作ってから起業するのが望ましい。
これは私の経験から言っている。51歳で独立した。独立時には月額10万円以上の収益があるビジネスをやっていた。独立後は別のインターネットサービスを始めたためしばらくは新しいサービスからは売り上げがない。
でも、既に売り上げがあるサービスで何とかビジネスを継続できた。ビジネスが立ち上がるまで時間がかかる。最低1年間は必要。その1年間の内に生活が出来るような売り上げを計上できる仕組みを作り上げる必要がある。
65歳まで再雇用で働けてもその後はどうするのか?
やりたい事がやれる機会は定年を迎えるときである。他界する時に後悔しないように与えられたチャンスをつかむ!定年退職はそんなチャンスを与えてくれる。再雇用で65歳まで働けてもその後に何をするかを決めておく必要がある。
60歳で定年退職、65歳で再雇用を終えても、直面する現実は同じである。自分で何かをやらない限り同じ問題に直面し続ける。早いうちから自分でビジネスを始める経験をすれば、定年退職後の問題は問題でなくなる。自分でお金を稼げば良いだけ。
定年退職前に会社から退職を強要されてもそれをチャンスと思うべきである。早期退職優遇制度で退職金が大幅に増える。その一部を起業資金にすれば良いだけ。ピンチはチャンスになる。神は意味がない事を私たちに与えない。
結論
60歳で起業するか、65歳で起業するかを退職前に決めておく。65歳以降に再就職する可能性は極めて稀。経営者は特別な理由がない限り高齢者を雇わない。残された高齢者は自分でビジネスを始める選択しかない。虫の良い仕事をしたければ、自分が経営者になることである。
あと4年で定年退職になる会社員は起業を意識して準備することである。再雇用で65歳まで働いて年金をもらい始めて引退するならば、起業なんか考える必要はない。何かやりたい、お金を稼ぎたいという欲求があるシニアは起業すべきである。