私は、51歳の時に起業した。65歳の今、51歳の時に起業していて良かったと思っている。これが65歳以降であったら、躊躇するかもしれない。65歳以降に起業する高齢者も多いが、体あってのビジネスであるので体力、健康、そして、情熱が問われる。

もし、時間を戻れるならば私はきっと社会人生活を3年から5年経験した後に起業に挑戦するだろう。最初から成功すれば良いが、失敗してもかまない。むしろ、失敗経験から成功するコツを学べる。30歳になる前までに起業家の体験をすると会社に努めたときに大きな視野で会社の仕事に専念できるようになる。

もし、60歳過ぎで起業するならば、65歳になる1年前に起業するプランを立てることである。

何故、65歳になる1年前がシニア起業で最適なのか?

64歳で起業に挑戦すると失敗しても精神的にダメージを受けない。65歳になれば年金収入が入ってくるので経済的な余裕が生まれる。深い経済的な傷を負わない程度の失敗にするだけで再度挑戦が出来る。起業を65歳以降から始めると安心材料がない。

シニアはギャンブルで起業をすべきではない。気楽に構えてちょっとした小遣い稼ぎのビジネスを一人で展開したほうが失敗しても撤退が簡単になる。最初から初めてのビジネスで成功する確率は非常に少ないが、挑戦することで第二の人生を見つけやすくなる。

やりたい事がビジネスであれば、その夢を追う第二の人生が生まれる。

ビジネスモデルをテストマーケティングする1年間

ビジネスの初心者は自分が思いついたビジネスモデルに陶酔しがちである。そのため、脇に空きがたくさんあり、間違いをする。出来るだけ多くの間違いを事前に経験しておくと成功への道がはっきりと見え始める。本格的に起業する前に1年間時間をかけて自分のビジネスモデルをテストすることだ。

64歳という年齢は1年後に年金収入が入ってくるという安心感がある。失敗してもなんとかなるという気持ちでビジネスモデルをテストできる。もし、そのビジネスモデルがうまく行かなくても次のビジネスモデルのアイデアがテストマーケティングしている間に見つける可能性が高い。

1年間の試行錯誤で欠けている知識、スキル、人脈に気が付く。その気付きをベースにして65歳から本格的にしっかりしたビジネスモデルで起業に挑戦できる。

65歳で年金を受給してから再度自分に問う(起業への強い意志が本当にあるかどうか)

1年間の試行錯誤で起業は自分に向かないと思うシニアも多い。年金をもらいながらアルバイト・パートで新しい生活リズムを作ったほうが良いと考えを変えるかもしれない。大きな失敗をする前に本当に起業をしたいのか、どうかを自問する最後の機会になる。

起業は体力、気力、情熱がないと最初のジャップが出来ない。私の起業も情熱の熱で最初の3年間を走り続けた。失敗を続けながら、落とし穴に落ちながら情熱だけで走り続けた。65歳になった時点でビジネスを推進させる情熱が本当にあるのかどうかを自問すべきである。

1年間の試行錯誤で起業の向き不向きが分かるはずである。

加齢リスクをビジネスプランに含める

身体の老化は確実に進む。シニアが起業する時は自分の健康と体力を考えて何歳まで仕事を続けるかをビジネスプランに入れておくことである。65歳と75歳では体力と健康面で相当の開きがある。ビジネス活動も年齢に従いながら変える必要が生まれる。肉体労働から知的労働にシフトしないと老化で体が問題を抱える。

65歳から70歳までは体力も健康も温存できるシニアが多い。問題は70歳を過ぎるときである。定期的な筋トレをしていないと足腰に筋肉が失われ、体が疲れやすくなり歩行で支障が生じる。体力の衰えが体で感じやすくなるので無理な仕事を続けられない。

70歳から75歳までは自分の体力と健康を考慮に入れながらどのようなビジネス形態で仕事を継続すべきかを準備すべきである。万が一の時に今のビジネスをどのように終わらせるか用意しておくと家族に迷惑が行かない。ちょっとでも健康に障害が生まれたらその時点でビジネス終了のソフトランディングを始めるべきだ。

年齢とともにシニアは弱者になっていく。加齢リスクは避けられない。

結論

シニアが起業する時は自分のビジネスモデルをテストする時間が必要になる。65歳なる前までに本当にニーズが有るのかをテストする試行錯誤が必要だ。シニアには若者と違って再度挑戦するだけの十分な時間が与えられていない。失敗経験を事前に積みながら本ビジネスに挑戦すべきである。

65歳なれば生活を支える年金収入が入る。それを安心材料として使い、64歳のときに起業に挑戦する。失敗経験を身につけるための起業挑戦である。その経験をもとにして65歳時に本当の起業に挑戦する。