私が住む大規模集合住宅にはまだ定年を迎えていない隣人が多い。あと数年で60歳になり、定年するか、再雇用されて1年更新の仕事をするか、または、起業をするかを選択するときがやってくる。60歳で定年退職をする人と65歳で定年退職をする人がいる。多くの隣人は、60歳で定年退職をするが再雇用制度を使って65歳まで働ける人が多い。
夫である私達と違って妻たちは、独自の井戸端会議ネットワークを持っている。親しい隣人の奥さんたちが隣人の家に数人集まって井戸端会議をする。皆さん年齢的に子育てを終わっている奥さん方だ。井戸端会議のテーマは、多岐にわたるが今はご主人たちの身の振り方について情報交換をしているらしい。
夫の定年退職後、妻たちは何を夫に期待しているのか?
目次
今まで通りの生活リズムを夫に期待する
定年退職後の身の振り方は人様々。元の会社で再雇用され65歳まで継続雇用を希望する人。60歳で起業をする人。転職をする人。60歳代のシニアはまだ十分働けるため、自分にあった仕事を探す。妻たちは夫に出来るだけ長く働いてお金を稼ぎ続けてもらいたいと思うと同時に今まで通りの生活リズムを維持してもらいたいと考えている。
65歳までは再雇用で働き続けられるがその後が問題!
奥さん方は夫が65歳以降どのような生活を送りたいか不安に思っている。70歳まで同じ会社で働けるならば働いてほしいのだが、それが出来ない場合の選択は
- 働くのを辞めて自宅で自由な時間を過ごす(引退生活)
- 起業する
- アルバイトやパートで小遣い稼ぎ
- NPO団体やボランティアの活動をする
- 趣味の生活に没頭する
妻にとって夫が自宅で時間を過ごす生活形態が一番嫌がる。今まで自分一人の生活空間が夫に侵略される。夫に気兼ねする生活時間が増えるのが苦痛になる。できれば、起業して毎日忙しくビジネスに励んでもらいたいと願っている。それで、既に起業している私の妻に起業生活について色々と聞いてくる。
会社を退職して起業した私について奥さん方が妻に聞いてくる
家内に聞いても答えらしい答えは出てこない。起業したのは私だから私に聞かないと分からないはず。家内が答えられることは、私が起業した最初の年のことぐらいである。本当に食べていけるのかどうか全然分からない時のことぐらいである。私よりも家内のほうが不安を感じていた。
幸運にも神様のお陰で初年度から黒字になった。非常に稀なことだが、色々な方の見えない支援があったからだろう。初年度が黒字になったのを家内が知って次年度から私のビジネスについてあまり不安を感じなくなった。家内が隣人の奥さんたちに話せることはこんな事ぐらいである。
他のご主人たちはどうしているのか?
他のご主人は、奥さんの父親の不動産ビジネスを継ぐことになっていると聞く。別のご主人は、65歳まで現在の会社で再雇用の道を歩む。私と同じ起業を目指すご主人もいる。定年退職まであと2年ほどある方なので今から色々と準備をしているのではないかと思う。すべて井戸端会議で話された情報を家内が私に教えてくれる。
定年退職は、会社員すべてがどこかのタイミングで迎える「大人の成人式」みたいなもの。住み慣れた会社を離れて一人で世の中を渡っていく門出になる。今までのビジネスや人生経験を肥えにして新しい自分の人生を作って行く。隣人たちは、年金を受給するまでまだ時間がある。気力も体力も私よりはある人達だ。自分が本当にやりたいと思っている事で新しい人生を形作っていってもらいたい。
今まで通り朝自宅を出て夜帰ってくる生活を期待している
家庭を守る専業主婦である妻たちは、夫が自宅でいることを拒む。定年退職後は、今まで通り朝の通勤時間帯に自宅を出て何処かに行ってほしいようだ。定年退職する前からそんな要求がご主人たちに伝えられている。ご主人の都合も聞かないで身勝手なものだと私は思う。
ノマドワーカーである私は平日の朝9時に自宅を出る。昼間はスターバックスのお店を仕事場として利用している。夜の7時頃に自宅に帰る。このような生活のリズムであると私の妻は自分の生活空間を侵されないため文句を言わない。ただ、最近のコロナ禍でオンライン会議が増えてきたため自宅にいるときが増えている。妻は不機嫌な顔をする。
定年退職後の生活は自分の居場所を自宅外に確保することから始まる。自宅の空間は妻に独占されている。その空間に共存していない夫が昼間侵入してくると妻は拒絶反応を示す。今までの生活が維持できなくなるからである。夫には今までと同様に自宅と会社(第三の場所)を行き来する朝9時から午後5時の生活を送ってもらいたいと妻は思っている。
結論
妻は夫が自宅で生活する時間を気にしている。会社を卒業すると仕事がない限り夫は自宅で生活する時間が増えてくる。今まで自分一人で生活してきたリズムが夫の定年退職で変わる。それを妻たちが一番嫌がる。今までと同様な生活のリズムを夫に望む。平日は朝自宅を出て夜帰ってくる。そんな生活リズムを維持できるように望んでいる。