不安定な時代に成ればなるほど2種類の労働者に別れる。(1)自己防衛のためにより安定した職を求める労働者と(2)自分でお金が稼げる力を身に付けるために今を頑張る労働者だ。若い人もシニアも不安定な時代にはこの2つに別れる。
ただ、シニアには安定した職を探しても見つからないという年齢によるハンディーがある。そのため、最後に残ったオプションを考えることになる。起業である。会社員が定年退職をして起業を考える時、何かが足りない。起業は簡単ではない。多くの会社員は自分でお金を稼いだ体験が無い。組織の歯車として売上を出しても個人では難しいというジレンマがある。
60歳、65歳に会社を卒業したあとに何をするか。再就職か、起業か、引退かの三択しか無い。
シニア起業で困ることは?
多くのシニア起業家は、どうしようもなく起業という道を歩まざるをえないという。好き、嫌いを問わずそれしか生きていくための方法が見つからないと考えている。アルバイトやパートの仕事ではいづれ年齢制限で雇い止めになる。年齢が、年金受給前の60歳代であれば生活費を稼ぐ仕事が必要になる。
自営業の経験が足りない
会社の歯車として忠実な僕的労働をしてきた定年退職後の高齢者、または、定年前の早期退職者は、自営業を経験したことがない。自分の力だけでお金を稼ぐ経験がない。出来上がっていた組織内での仕事とゼロから作り出す仕事では、凄い開きがある。
そのため、知らない事だらけで失敗が多い。起業家を狙った悪い奴らに狙われやすい。営業代行業者、税理士、社労士、保険外交員、経営コンサルタントなどから売り込み電話が頻繁にかかってくる。特にビジネスの広告宣伝を無料でやると言いながら、騙して割高な請求をする業者が多い。ビジネスの初心者だから騙しのカモになる。
シニア起業の失敗は自分で1円でも稼いだという経験がないために起きる。シニア起業では1度、2度の失敗経験を通して成功のコツを身に付けていく。最初から成功するのは稀である。
会社在籍のうちに副業でお金を稼ぐ経験を積むこと
2017年時点で副業を許可する会社が22%ぐらいだというリクルートキャリア社のアンケート結果があった。代表的な会社として、NTTデータ、リクルート、ヤフー、サイボウズ、アクセンチュア、リブセンス、メルカリ、グーグル、クラウドワークスなどである。
副業・転職のキャリアSNS「YOUTRUST(ユートラスト)」を運営する株式会社YOUTRUSTが行った2020年5月の調査で4割以上が「副業意欲向上」「副業しやすくなった」と変化|新型コロナウイルスの影響下における働き方の実態・意識調査という調査結果もある。
時代の変化をうまく汲み取っている会社が多いが、時代は確実に会社員に副業を許可する方向に進んでいる。今、会社員であれば会社を離れる時に自分の力だけでお金を稼いだ経験が役に立つ。起業は、1円でも自分でお金を稼いだ経験がある、ないで相当変わる。
ビジネスの種探しを副業で試す
副業は夜か週末に行う場合が多い。一番やりやすいビジネスはインターネット関連のビジネスになる。自分の経験や知識、そして、興味がある分野でインターネットビジネスを試してみることである。インターネットビジネスとはでウエブ検索をしてみる。リストされた情報を読みながら、分からないことを明確にしていく。
インターネットの知識とスキルがないシニアが多い。まずはインターネットスキルを身に付けることから始める。私がお勧めするビジネスはブログで広告収益を稼ぐビジネスである。このビジネスで上手くいく、行かないを問うのではなくブログビジネスでインターネット関連の知識を身に付けるきっかけにする。
ビジネスの種はやりながら見つけるほうが見つかりやすい。試行錯誤がなければ何も生まれない。政府は、これから65歳以上の高齢者向け専門の就職斡旋窓口を300箇所に設置するという。それに並行してシニア起業を推進していく。年金財政が緊迫しているため、働ける高齢者に働いてもらい年金支給を減らしたいのだ。
今の時代の流れは、高齢者にとって「働かざるもの食べるべからず!」の時代に向かっている。
結論
雇用されている会社員は、将来必ず会社組織から離れる。自分一人になって働かざるをえない。その時に副業を通してお金を稼ぐ経験があると自営業者として何か仕事を作り出しやすい。自営業者は、大企業の社員よりも優秀である。自分の力だけでお金を稼げるからだ!!