老化する集合マンションで生活する高齢者 - シニアの仕事、健康、筋トレ、暇

私が住む集合マンションは560世帯ある。建築されてもう30年が経過する。昨年から今月まで管理組合の監査をやっていた。理事のメンバーを見て、皆歳老いてきていると感じた。私がマンションを購入した年齢は38歳だった。マンションの価格が下げ止まりと言われていたが下げ続いた。

でも、タイミング的にその時しかなかった。多くのマンション購入者は30代後半から40代前半であった。今、私を含めて住民の年齢が60歳を越えている。これから住民の老齢化による問題が集合マンションで増えてくる。老化は住民だけでなく集合マンションにも発生する。具体的にどんな問題が発生するのか?

マンションも人も老いて来る

住民もマンションも高齢化して老化問題が発生する

30年経過したマンション。最初の住民の平均年齢は60歳を過ぎている。当然、住民の入れ替わりがある。60%以上は購入した当時の住民になる。理事が21名いる。その中で一番若い人は30歳代前半である。売り出されたマンション価格が30歳代の人でも買えるぐらいの価格になったためである。

マンション住民の若返りは中古価格での売買で住民が入れ替わることで進む。引っ越しをする人、会社の倒産でローンの支払いが滞り仕方なく任意売却する人、仕事で海外に駐在するため賃貸にする人、いろいろな理由で住民が入れ替わる。私の隣人宅はこの30年のうちに4回住民が入れ替わった。4LDKで120平米の広さである。

マンションは35年以上は大丈夫だと言われる。住宅ローンが35年間になっているからだ。もう、30年が過ぎた。あと、5年経つと住民の年齢が70歳代後半から80歳代になる。完全に老人の集合マンションになる。隣人たちはマンションのリフォームをやり始めている。バリアフリー設計でリフォームをやっている。

駐車場スペースが空き始める

駐車場は住民全員+アルファーの余裕がある。年老いてきた住民は自動車を手放し始めているため駐車場スペースが空き始めている。機械式駐車場に空きが増えているのだが、メンテ費用は変わらない。本来ならば機械式駐車場を使わなくして駐車場管理費を節約したいと管理組合は思っている。あと、5年から10年したら機械式駐車場の運用停止ができるかもしれない。

最近の自動車は大型化しているため30年前に作られた機械式駐車場のスペースでは入れなくなっている。時間の問題で古い機械式駐車場施設は終わりになる。

マンションの大規模修繕費用

30年経過すると部分部分の場所で修繕修理が発生する。建物も老齢化する。多くの集合マンションは修繕積立金をしているが3回目の大規模修繕時に赤字になると言われている。私達が住むマンションは大規模であるので積立金の金額も大きい。なんとか、3回目の大規模修繕でも積立金だけで賄われるようだ。

その頃は私の年齢も70歳を過ぎているだろう。年金生活の住民が増える。経済的な余裕がなくなり、大きな出費に耐えられなくなる住民も増える。古くなったマンションの問題は建物の修理修繕費である。修繕の資金不足でマンションが機能しなくなる恐れがある。マンションを購入する時、良く噂された事はマンションの修繕積立金の金額が高いマンションを購入すべきだという話である。マンションの修繕積立金が高いとマンションは長期に維持される。

安い修繕積立金のマンションは2回目の大規模修繕時で赤字になり住民全員が自腹を切ることになる。3回目の大規模修繕は最低限の範囲で終わるというか、積立金の範囲で終わる。修繕金の積立資金が枯れることで老後の住処での生活が快適でなくなる。

ライフサポートシステムの視点で考える

  1. 電気、水道、ガス、下水関連の維持
  2. 交通の利便性
  3. お互いを助け合う住民コミュニティ活動
  4. 何かの時の医療機関が近くにある

老後に困るのは2、3、4の項目である。自動車を運転できなくなると移動の利便性が損なわれる。徒歩10分以内に公共交通機関があれば、なんとか我慢できる。その利便性がない場合はどうするか。マンションの老人向けの移動サービスを今から考える必要がある。タクシーを相乗りして買い出しなんかはできる。

マンションには自治会がある。自治会中心にお互いを助け合う活動ができれば、孤独や孤立の問題も緩和される。世帯数が大きいマンションはそれができる。

歩ける距離に医療クリニックがあれば、ちょっとした病気は大丈夫である。いざとなったら、119番で救急車を呼ぶしかない。

私達の大規模マンション住宅ではシニア中心の同好会が増えてきている。趣味、スポーツ、健康、旅行など多岐に渡るが誰もが気楽に参加できるという雰囲気がない。どうしても誰かの紹介で参加するという形になる。人によってはあえてマンション住民と交流しない人達もいる。

集合マンション住宅は一軒家と違って閉鎖性が高い。何かが起きても何も分からない。仲の良い友人知人をマンションの中に持たないと何か困ったときに助けてもらえない。

結論

大規模マンションで生活を続けると生活環境が運命共同体になる。マンションの劣化と住民の老化が同時に起きる。時間の経過で思わぬ問題も生まれる。住民の老化で自動車を手放し駐車場が空き始める。大規模修繕が10年単位で行われるがそのときに使われる修繕積立金が足りなくなる。年金生活の住民が増えるため十分な修繕費を賄われなくなる。

自治会の活動内容もシニア中心になりがちになる。体力を要求する夏祭りなどの恒例行事も中止になる。途中で入居した若い住民との触れ合いも少なくなる。生活環境は高齢化が進むに連れて快適でなくなる。老いたシニア住民たちは各自で自己防衛をする必要がある。10年先を予測して今やれる準備をする。

 


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my profile pictureこのページのシニアライター:Norito H.Yoshida

Profile

Joomla CMSを使った法人・個人サイト構築で独立。51歳の時に会社を卒業。雇われる生活から自分を雇う生活になる。ソニー(株)、Yahoo!ジャパン(株)でインターネットビジネスの面白さを味わい、個人でも法人と競争が出来る隙間市場があるのに気が付いた。生涯現役でインターネットの世界で生きて行く。Western Washington University, B.S. in Sociology, Bellingham, Washington, USA.

シニアの生活は、体の老化に従って変わって行く。その体験記をこのブログで書いている。