昼間街中を歩いている老人を見る機会が多い。個人差はあるが、歩き方が弱々しい。力強く歩いている老人が何故か少ない。街中を歩いている老人たちの多くは70歳過ぎのように見える。全体的に体が枯れてきている。ドトールコーヒーショップやシャノアールのお店を覗けばすぐに70歳過ぎのシニア男性たちを見つけられる。カフェは老人たちの憩いの場所である。
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70歳を過ぎると脚力と体力の低下が自覚し始める。先日、スポーツジムで筋トレをしていると70歳代のシニア男性がスタッフに尋ねていた。このスポーツセンターにある筋トレ器具を使って運動をしたいのだが、使い方がわからないので教えてくれるか?という内容であった。
スタッフの女性は彼を筋トレ器具の所に連れて行って基本操作を指導していた。筋トレ初心者はスポーツジムのスタッフの指導を受けたほうが良い。自我流でやると体の調子が悪くなったり、怪我をする。老いてからの筋トレは若者と違って肉体に必要以上の負荷がかかるので正しいフォームでやらないと怪我をするリスクが有る。
筋トレジムのスタッフの指導を受けていた70歳代シニア男性の身体から力強さを感じられなかった。体の動きが鈍い。今まで運動らしき運動をしてきていない感じがした。健康寿命を伸ばしたいシニアは筋力を維持するための定期的な筋トレが必須である。体力の低下はそのままフレイル状態に結びつく。フレイルになる前に筋トレを習慣付けないと回復するのに時間と労力がかかる。
70歳になって体力が落ちたと感じたときが筋トレを始める最後のチャンス。
街中を歩いている老人の後姿は弱々しい
私はいつも足早に歩く。老人が大勢歩いているのだが、皆さん、弱弱しい歩き方をしている。一番弱弱しい歩き方をしている老人は、痩せ細って自分の周りで何が起きているのか分からないような感覚で歩いている。後ろから見ていてそれが分かる。五感の機能低下からそんな状態になっているのだろう。見るからにして80歳以上の老人である。
東京駅を出て丸の内界隈を歩いていたら、一人80歳代ぐらいの老人男性がスーツとネクタイ姿で足早に私と同じ速度で歩いていた。後姿の体格が一目で何か運動を長年やってきた方ではないかなと感じた。体が全体的にがっしりして大股で歩いていた。頭の毛は白髪でほとんどないが、歩き方に元気がある。
同じ80歳代の老人男性と比較すると凄い差があると感じた。
脚力の老化
体がしっかりできている老人とそうでない老人では、老いて来ると歩き方に差が出てくる。体の筋肉は、年齢とともに衰えて行く。その最初のサインは、脚力に出る。60歳を過ぎる頃から毎年1%づつ体の筋肉の量が減っていく。70歳を過ぎる頃から筋肉量の低下による悪影響が脚力に及ぶ。
もし、こんな経験を味わい始めたら足の筋肉の量が減少している証拠になる。
- 2〜3キロを歩くと疲れてしまう
- 階段の上がり下りを避けてエレベーターやエスカレーターをいつも使う
- 足を踏み込んだ時に自分の体を支え切れない
- 足だけで立ち上がれない。手を使って椅子から立ち上がる。
足の筋肉が減ってくると足で踏ん張る事が出来なくなり、転倒する時に踏み止まれなくなる。70歳を過ぎると体に異変が起きてきていることが分かるようになる。
歩く速度と姿勢
脚力が落ちた老人の歩き方には特徴がある。歩く速度が遅く、猫背的な姿勢で歩いている。前を真っ直ぐ見ないで2メートル先を見ながら歩いている感じである。70歳になる私でも楽な歩き方をやり始めるとどうしても目は下を見ている。瞼の筋肉が低下してきているのかもしれない。
会社に通勤するという目的で足早に力強く歩いている会社員と比べるとその違いが直ぐに手に取るように分かる。脚力が落ちた老人はどんどん会社員たちに抜かれて行く。
歩く速度を速めるには、これをすれば速くなるのだが老人には続けられないかもしれない。大股で踵から足を落とし、つま先に力を入れて足を押し出す。大股で踵を先に地面に落とす歩き方だけでも自然と歩く速度が速くなる。この歩き方をしようとすると足腰だけでなく体全体の筋肉を使うことになる。
この歩き方は、体が慣れないと疲れる。そんな歩き方の習慣を70歳過ぎに身に着けていれば脚力は回復する。姿勢も自然と良くなり前方をしっかり見るようになる。
体のバランス
体の筋力が落ちてくると体幹も弱くなる。体幹は歩く時に体をしっかり保ちながらバランスを取る。70歳過ぎのシニアがヨロヨロ歩くのは脚力の低下だけでなく体幹の筋肉の低下にも原因がある。膝関節や腰に支障がない体であれば、大股で力強く歩く習慣を身に着けることで体幹の筋肉も鍛えられる。
体のバランスを維持することが難しくなると階段の上がり下りで自分の体をうまく支え切れなくなる。駅の階段の上下りのときは必ず階段の脇にある手すりを使わざるを得なくなる。体のバランスをうまく取れなくなる歩き方は、日常の活動の中で色々な問題を起こす。
ヨロヨロ歩く老人になりたくなければこれをする!
体の筋肉を増やすために足の筋肉に負荷を与える運動を週3回のペースで行う。1番効果があるのは、スクワット運動と階段の上がり下り運動である。朝夕に散歩する習慣があるならば、散歩コースに階段の上がり下りができる場所を取り入れることである。
スクワット運動は、自重で1セット10回から始めて3セットできるようにする。足に力がついてきたらセット数を増やして1日100回できるようにする。
筋肉は、運動だけでは体につかないので毎日タンパク質の多い食事を心がける。肉、魚、大豆などタンパク質が多い食べ物を意識して食べることで筋肉の材料を体に提供できる。
筋肉はすぐに体についてこない。最低でも1年間ぐらい足を鍛える運動を定期的に行わないとその効果を感覚的に感じ取れない。
自分の歩き方を他人と比較して自覚する
町中を歩いている同年代のシニアたちの歩き方をじっくり観察してほしい。色々な歩き方をしているシニアがいる。その中で好印象を感じた歩き方を記憶に残す。奥さんに自分の歩き方(後ろ姿、歩幅)をスマホでビデオ撮影してもらう。そして、自分の歩き方と比較する。
チェックするポイント
- 姿勢
- 歩幅
- 奥さんが見た印象
自分の歩き方を自覚すると改善が必要かどうかが分かってくる。力強い歩き方を求める強い自覚があれば、足を意識して鍛えるアクションに導かれる。自覚だけに終わらないで確実に行動に移すかどうかで足の健康寿命を伸ばせる。
普通に自分の足で歩けるという当たり前のことが出来なくなるのが老化である。老化をできるだけ遅らせるには身体の筋トレを行うしか無いのが現実である。
結論
足の筋肉の衰えは、ヨロヨロ歩きに繋がる。足の筋肉の衰えに気がついたときは、体全体の筋肉も同様に衰えてきていると自覚すべきだ。70歳過ぎで10キロを問題なく歩ければ脚力はまだまだ衰えていないが、2〜3キロで疲れを感じ始めたら足の筋トレを始めるべきだ。