30歳代の頃、同期が昇進して管理職になった。自分はまだ平社員。そんな時、どうしても他人の人生と自分の人生を比較してしまう。いらない精神的なストレスを自分が作り出す。若い時は、まだ、人生の過ごし方を悟っていなかったからだ。65歳で会社組織を卒業し、自分で生活を営み始めると人生観ががらりと変わる。
独立した生活は他人と比較しても全く意味が無い人生になるからだ。同時に年齢が65歳を過ぎると人生の価値観も変わってくる。早く、会社の社長になりたければ、起業すればすぐに社長になれる。そんな簡単な事が若い頃は分からなかった。今、定年退職前のシニア社員は今までの会社生活で何か悔いがあるとしたならば、組織内での昇進が思い通り出来なかったことではないか。
65歳で会社組織から離れると自分の価値観で残りの人生を過ごさなければならない。新しい価値観と生活設計、生きがいをどこに置くかでライフスタイルは変わる。
会社を卒業すれば、人生を他人と比較する意味が無い事に気が付く!
定年退職後、または、リストラで起業した後は人生の再出発が始まる。自分で自分の人生の舵を取らねばならない。自分の人生を比較する他人もいない。会社員であった頃は、必ず、同期、先輩、後輩がいた。会社内でのキャリア比較が潜在意識の中にいつもある。会社組織を離れた65歳過ぎのシニアは、真っ白な紙の上で何かを書かなければ行く道が見つからなくなる。
一人になると他人と比較する必要がなくなる
会社に残って再雇用されている同期や、会社役員になって在職している同期と自分を比較しても何の意味もない事が分かるはずだ。同期は、会社組織を卒業した時点で消滅する。もう、彼らの事を気にしながら生きる必要が無くなる。
独立して15年目になる66歳シニアだが、頭の中にあることは他人の人生との比較ではない。過去の自分の人生と現在、未来との比較である。自分の人生に他人が入る余地が無くなっている。他人と比較しても自分の人生が影響されない。自分の人生は自分が作りだしているからだ。老後の生活は自分中心になる。子供の頃と同じで自分中心に物事を考える傾向が強くなる。
毎日が日曜日のシニアは、社会との接点が薄れ、社会の中での役割も失い、自分の存在さえも意味が無いように思い始める。社会から必要とされない人間ではないかと感じ始めるのだ。誰もがそうなるのではない。自分で老後の人生を積極的に作り出している人たちは違う。積極的に社会で活動し、社会の中での存在感を自分で作りだしている人たちだ。
他人と比較して優劣を意識する人生では無くなる65歳
65歳を過ぎた頃から、老後の自分の人生をどうしたら良いのかを考え始める。今までの価値観が変わって来ている事に気が付く。名刺を持たない無職に近いシニアは会社組織内で生きる価値観を失う。新しい人生の価値観を自分で見つけなければならない。
会社組織で引き続き働きたいと思っても65歳までが限度。65歳を過ぎれば、自分で自分を雇用するか、引退生活に入るかだ。アルバイトやパートで働き続けようと思っても年齢制限で雇止めになる。結局、元の木阿弥で振出しに戻り、自分の人生を再構築するしかなくなる。
65歳を過ぎたシニア男性の人生は誰かと比較しながら優劣を感じる人生ではなくなる。自分の過去と現在、そして、未来と比較して進歩しているかどうかだ。今までの幸せを感じる価値観を見直す必要が出てくる。
- 幸せをどう感じるか
- お金が沢山あれば幸せを感じるのか
- 自分の手で何かを作り上げることで生まれる達成感が幸せを作りだすのか
自分の幸せを感じるポイント(価値観)
老人の関心事は(1)健康、(2)旅行、(3)お金だそうだ。会社員の頃は、多分、(1)お金、(2)昇進、(3)旅行ではないだろうか。健康は当たり前であるので関心事から自然と除外されてしまう。
健康は他人と比較しても何の意味もなさない。自分の体の事は自分しか分からない。健康を見た目で計れない。旅行はその人の興味次第。求める物には個人差がある。海外旅行に価値観を置いている人から国内旅行に価値観を置いている人まで様々だ。お金も使い方次第で直ぐに無くなってしまう。お金の価値は年齢とともに失って行く。
老人になればなるほど体が言う事を聞かなくなる。お金で体を良くする事は出来ない。味覚機能が衰えれば高価なアワビやフカヒレを食べても美味しいと感じない。体調が悪い状態で海外旅行をしても楽しめない。お金の価値を十二分に感じるのは、お金を使うタイミングだ。
ビジネスで大成功した人が幸せだとは思わない。幸せの感じ方は人それぞれだからだ。外見では幸せを他人が感じ取れない。幸せの感じ方はその人自身しか分からない。
結論
組織に属して自分の生活を作り込んできたシニアは65歳を境にその生活環境と価値観をリセットして老後の生活に適した生活環境と価値観を作りださねばならない。その世界には他人が入り込む余地はない。
- 会社組織を卒業し、自分で生活を営み始めると人生観ががらりと変わる。
- 独立した生活は、他人と比較しても全く意味が無い人生だ。
- 60歳を境にその生活環境と価値観をリセットして老後の生活に適した生活環境と価値観を作りださねばならない。