つま先立ち

老人は運動を意識的にやらなくなる傾向が強い。年齢ともに足を使って動き回る事が少なくなり、自宅に隠りがちになる。体を動かさないと血行が悪くなる。血液は心臓だけに頼って血液を体に送っていない。第二の心臓と言われる「ふくらはぎ」を使って足に流れた血液を心臓に押し上げている。その意味合いで「ふくらはぎ」を使う運動を意識的にする事で血行を改善し、健康を増進させる効果がある。

ふくらはぎの筋肉が衰えると歩幅が狭くなる。ふくらはぎは足をつま先で後ろに蹴る動作をする。大股で歩く時につま先で蹴ると大股で歩ける。でも、ふくらはぎが弱くなっていると大股で長く歩け続けられない。時々、電車の中でシニア男性がつま先立ち運動をしているのを見かける。足の健康を意識してやっているのだろうと思った。

電車の中でただ立っているのは無駄な時間。この無駄な時間をつま先立ち運動で足の健康を改善できる。ただ、ポイントは定期的に行うことが前提になる。2、3回やって終わりでは効果がない。毎日外出時に電車を利用する時はつま先立ち運動を立っている時するという決意が必要になる。

つま先立ち運動は誰にでも出来る第二の心臓を鍛え、血行を良くする!

私は61歳の初老の男性だ。筋肉は60歳を境にして急激に衰えていく。60歳代から意識的に筋肉運動をやり始めないと70歳になる頃に筋肉の衰えを体で感じ始める。特に「足の筋肉」の力が衰えてきている事を自覚する。こうなったら、やばい!!

人間を含めた動物や生物は自分で動けなくなったら死を迎える

足は私たち人間が生きて行くために最も重要な役割を果たしている。下半身に送られた血液を上半身にある心臓に送り返す第二の心臓だからだ。この機能が衰えたり、阻害されると血行が悪くなる。血行が悪くなると体の隅々まで新鮮な血液が行き届かない。そうなると体に栄養が届かない。

第二の心臓の役割を果たしているのが足の「ふくらはぎ」だ。シニアは足の「ふくらはぎ」を意識して鍛える事のメリットを知らない!

誰でも出来る簡単な「ふくらはぎ」運動

椅子に座った時、荷物を膝の上に置いて負荷をかけながらかかとを上げ下げする。立ちながらつま先立ちをする時よりも負荷は小さいので老人でも簡単にできる。重要なことはこの運動を長期間続けることである。毎日、椅子に座ったら1セット30回行う。椅子に座るたびに1セット行うだけで脹脛の筋肉を十分刺激できる。

脹脛の筋肉(下腿三頭筋 かたいさんとうきん)は耐久性が高いのでかかとの上げ下げの回数を増やす必要がある。1セット30回から始めて50回を目標にやってみる。1日3セットできれば、それを1ヶ月間毎日続ける。通常の筋トレと違って1回の動作の負荷がそれほど大きくないので1セットの回数とセットするを増やして負荷を増やしていく。

1セットの回数が少なくても気にしない。ポイントは毎日やり続けることである。効果は毎日やることで生まれてくる。

原田式カーフレイズ(つま先立ち)

一般的なつま先立ちはつま先を前に向けた状態で行う。原田式のつま先立ちはつま先の向きを「外側」「前側」「内側」にそれぞれ向けた状態で行うやり方である。つま先の向きを変えて運動をする理由は向きを変えることでふくらはぎの筋肉をまんべんなく使う効果が生まれる。

1日に行う回数

  1. つま先の向き「外側」30回 (上げて下げるを1回とカウントする)
  2. つま先の向き「前側」30回 (上げて下げるを1回とカウントする)
  3. つま先の向き「内側」30回 (上げて下げるを1回とカウントする)

このやり方を続けると肩こり、四十肩、腰痛、ひざ痛、股関節痛、座骨神経痛など、さまざまな症状の改善に効果がでると原田氏は言っている。

つま先立ちをする前と後に前屈をしてみるとその効果が体験できる。つま先運動後には前屈がしやすくなる。血流が良くなり体を柔らかくする。

朝起きた後、原田式つま先立ち運動をすると肩や腰の痛みが和らぐ。体全体の血流が良くなり、体調が良くなる。普通のつま先立ちよりもふくらはぎの筋肉を鍛える上で効果が出やすい。

足の「ふくらはぎ」を鍛えるとこんなメリットが体に生まれる!

  1. 血行が改善される
  2. 新陳代謝が向上する
  3. 下半身の筋肉を鍛えると同時にバランス感覚を養える
  4. ダイエット効果がある
  5. 便秘を治す
  6. むくみを無くす
  7. 冷え性の改善
  8. つま先に力が入りやすくなり、歩きが力強くなる

私は生活のリズムの中に「つま先立ち運動」を入れている。毎朝、横浜に通勤する電車待ちの時間から電車の中で立っている時間までつま先で立ち続けている。行きと帰りの2回。時間として電車待ち時間、各10分~15分、電車の中で各10分。往復だから1日50分ぐらいつま先立ちで立っている。

電車が横浜駅に到着する頃には、体がポカポカして汗が出てくる。ふくらはぎも辛くなる。その辛さは、歩き出すと直ぐに消えてなくなる。

最初から何十分もつま先立ち運動をする必要はない。最初は、適当な時間を設定して1日に2回朝と夕につま先立ち運動を行う事から始める。習慣付けをする。これが出来るようになったら、つま先立ちの時間を徐々に長くしていく、または、1日の回数を増やしていく。

つま先立ちをする時に注意する事

親指で立つような感じでつま先立ちを行う事。ややもすると小指側でつま先立ちを行いがちだからだ。親指で立つような感じでやり始めると歩く時につま先に力が入りやすくなる。しっかりした歩き方が自然と出来るようになる。

つま先立ちはふくらはぎの筋肉を鍛えるためのやり方。結果的にふくらはぎを鍛える運動ならば何でも良い。自分がやりやすいふくらはぎを鍛える運動をカスタマイズしても良い。最終的にふくらはぎを鍛える運動が習慣化すれば体に良い効果が生まれてくる。

1日に足を鍛える機会が何回もある

歩行に支障を感じ始めたシニアは足を鍛え始める。まず、散歩する距離を伸ばしたり、時間を増やしたりする。でも、足の筋肉は増えていかない。足の筋肉を鍛えるならば、散歩で足を鍛える以上の負荷を与え続ける必要がある。足の筋肉は負荷が増えた分だけ適応しようと増やしていく。

1日にどれだけ足の筋トレをする機会があるか!

  1. 坂がある道を意識して歩く
  2. 階段がある場所はエスカレータなどを使わないで階段を上がったり下ったりする
  3. 足で歩く機会を増やし自動車や自転車を使わない
  4. 庭の草取りや自宅の掃除は足を鍛える
  5. 食料の買い出しは歩いていける距離のスーパーに行く

この中で一番効果があり、続けられるのは1と2番である。ちょっとした意識付けで足の筋トレをする機会が増える。

 

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結論

カフェで仕事をしているときに椅子の下にある足が交互に上下する運動をしている。座り続けていると血行が悪くなるからだ。ふくらはぎを刺激すると第二の心臓が活発に動き出す。血を体中に回す事で新鮮な酸素と栄養素を細胞に提供できる。

ふくらはぎの筋肉が衰えると血行の勢いも悪くなる。ちょっとした運動で健康を助けるつま先立ちは運動はどこでも出来るし、知らないうちに健康を助けている。自分に都合が良いやり方でつま先立ちをやってみることである。