60歳になり還暦を迎えると自分が住む世界が変わる。定年退職して65歳まで雇用延長されるが、以前と同じ仕事や待遇ではないことにストレスを感じ始める。65歳以降はどうすれば良いかと考えながら65歳まで再雇用で働くのだが老後の不安がついて回る。65歳で仕事をやめて引退するのか、再雇用先を探して仕事を続けるのか、色々な選択を考える。
人生の羅針盤があれば、次に何をやれば良いかがわかり不安も少なくなる。65歳になると年金受給者となる。経済的に少しは楽になるが十分ではないシニアが多い。そう思っているうちに体の不調を覚え始める。その不調は70歳を迎えるあたりから顕著になり、体が老化してきていることに気づく。お金を稼ぐだけでなく健康維持に時間とお金を使わないと老後の生活は楽しめないと感じ始める。
80歳近くになると同世代のシニアの半分以上がこの世を去っている。いつ、自分の番になるかを心配しながらあとに残る家族のために終活をやり始める。老化は年齢とともにどんどん進む。時間の問題で自分の世話が自分で出来なくなる時がやってくる。歳を取りながら周りに住む同世代以上の老人たちの様子を見ながら老人になるとどうなるかを知ることになる。
年齢毎の人生の羅針盤がおぼろげながら見えてくると自分の老後対策も見えてくる。
老後の人生には年齢毎に節目があり体の老化に従って過ごし方が変わる
60歳を過ぎると体の老化現象を自覚し始める。年齢と供に体の老化現象はどんどん進んで行く。自分の体が思うように動かせなくなるまでの間、自分の人生を思う存分楽しむしかない。自分の足で歩けなくなったら、普通の生活はできない。老健施設などで足のリハビリをしながら介護ヘルパーの支援で老後の生活が始まることになる。
老後の生活と人生は、自分の体の調子と健康で大分変わる。健康で普通の生活が出来ていた事が当たり前ではなくなる。歳を取るということの意味が60歳を過ぎると体で分かってくる。
60歳代は再就職か起業
多くの会社員は60歳で正式な定年退職を迎える。65歳までは、再雇用で雇用条件も年収も悪くなる。再雇用か、起業か、引退かの選択を考える年齢である。大部分の会社員は再雇用を選ぶ。待遇や年収は悪くなるが、今の生活パターンを維持できて世間体も変わらない。妻も文句を言わない。最も無難な選択になる。
起業を選択する定年退職者は、3グループに分類される。
- 好きな事で起業することを望んで準備していた人
- 再雇用の待遇がひどいので起業したほうがまだしも将来性があると判断した人
- 65歳以降の仕事を自分で確保するために起業に挑戦したい人
60歳代は体力も気力もある。この年代にやりたいことをやらないと70歳以降は起業が難しいと考えている人が多い。どっちみち65歳になったら再雇用が終わり、自分で雇用先を探すのだが65歳を過ぎたシニアを雇用してくれる会社は少ない。ある仕事は、アルバイトやパートの仕事で誰にでも出来るような肉体労働の仕事になる。
65歳のシニアは自宅で暇な日々を送ることが耐えられない。体がまだ元気であるからだ。アルバイトやパートの仕事、NPO活動、ボランティア活動、趣味の団体やスポーツクラブでなどで暇を潰すしかない。それを見越しているシニアが自分を雇う起業に挑戦している。
70歳代は健康な体作り
70歳になると自営業者でも引退をする人が増えてくる。その理由が体の不調と健康障害である。老化現象が進んで免疫力が落ちる。体力を維持する定期的な運動をしていないシニアは、筋力が失われていることに気が付かない。気がついた時が、70歳を過ぎた頃になる。足が重く感じて長く歩き回ることが面倒に感じ始める。今まで出来ていた作業が何故か簡単に出来なくなる。そんな事が日常的に起きてくると今までと同じ生活は出来ないと感じ始める。
働いてお金を稼ぐよりも自分の健康と体力維持に気が行き始める。スポーツクラブやスポーツセンターに行き始めるシニアが増え始める。人間ドックを年に1度受けているシニアは必ず医者に言われることは、生活習慣病にならないために定期的な運動をして下さいという指導である。
サルコペニアとは、加齢や生活習慣などの影響によって、筋肉が急激に減ってしまう状態です。Sarx(筋肉)とPenia(減少)というギリシャ語を組み合わせた造語で、1989年ごろにアメリカで提唱された比較的新しい概念です。
サルコペニアは65歳以上の高齢者に多く、特に75歳以上になると急に増えてきます。サルコペニアになると、「歩く速度が低下する」「転倒・骨折のリスクが増加する」「着替えや入浴などの日常生活の動作が困難になる」「死亡率が上昇する」など、さまざまな影響が出てきます。(引用先:NHK健康チャンネル)
老化は足からくる。足の力が落ちたと感じたら、足を鍛える定期的な筋トレが必要になる。散歩だけでは足の筋肉は増えていかない。70歳代のシニアは、免疫力と筋力低下からくる健康障害がついて回る。
80歳代は終活
80歳になれた幸運なシニアは、あとの人生を自由に過ごせば良い。普通の生活が出来ている80歳代は、世を去ることを恐れる必要はない。この世界に悔いを残さないような生活を送り余生を出来るだけ愉しめば良い。あとに残す家族のために終活が主な仕事になる。資産がある人は、相続で問題が起こらないようにする。あまり資産がなければ楽勝である。
あとは、自宅にある物の整理と処分である。一軒家とマンションでは、物の量で相当の違いがある。時間をかけて思い切って使っていないものや物置に入れあるものを見切って処分する必要がある。80歳を過ぎた毎日の生活は変化があまりない生活である。使うもの、着るものは限定される。自宅にある物でいつも使うもの以外は処分対象になる。
子供の家族にあげられるものは今からどんどんあげていく。価値があるものとないものを仕分けして少しづつブックオフなどに売っていく。残ったものをできるだけ現金に変えて身軽にする。子どもたちと相談して何が一番良い処分方法かを決めると良い。
年齢にかかわらず体が元気なうちに
数カ月後に70歳を迎える私だが、10年前の私の体と現在の身体を比較してみると何が変わったのだろうか。60歳の頃はスポーツジムに週1回程度通って筋トレをしていた。今は週2回になった。この違いが体にすごく影響している。体重が75キロから71キロぐらいになった。今は、71.5から72.5キロ内で変動している。
体格も以前より良くなった。お腹周りの贅肉が減り広背筋が増えて逆三角形がより目立つ上半身になった。筋肉はすぐには増えない。10年で筋肉量の増加を自覚できるようになった。シニアでも筋トレを続ければ筋肉は増えるという証拠である。体力や持久力も増えた感じがする。
10年前は急に早足で歩き始めると呼吸が苦しくなり、立ち止まりたくなっていた。駅の階段を上がったあとに息が上がり始めたりもした。今はこのような症状が出なくなった。筋トレを続けているおかげで60歳のときよりも70歳になる今の身体のほうが元気である。
老後の生活は老化との戦いになる。75歳を過ぎた老夫婦が一緒に横浜の街中を歩き回っている姿を頻繁に見かける。年齢でアルバイトもできなくなり、暇な時間を健康作りに使っている。体が不自由になるとどのような生活になるかを知っているから足腰を歩くことで鍛えている。
75歳を過ぎたら暇な時間をいかに楽しむかが生きがいの課題になる。楽しむには体が普通に動かせる状態を維持しなければならない。多くの老人は運動不足で歩行障害になり、行きたい場所にもいけなくなる。そうなる前にやり残しがない時間を過ごすべきである。
外出で苦労する不自由な体と普通に生活が出来る体では老後の人生の楽しみ方で相当の違いが出る。今、60歳代の方はそれが自覚できないかもしれないが、70歳の声を聞き始めると同年代の友人や知人の体に異変が起きてきて自覚し始める。スポーツジムに通う70歳代以上のシニアが急増している理由がそれである。
結論:
人生の羅針盤があると老後の生活設計が立てやすくなる。60歳、65歳定年退職で会社を卒業するシニアは、仕事を失うショックと慣れない自由な生活で生活感覚を失う。60歳代は、体力もあり気力も十分ある。やりたいことがあるならば、十分やれる。ただ、社会環境が年齢という壁で悪くなるだけである。
70歳を過ぎる頃になると身体の免疫力が落ちてその影響が身体に出てくる。筋力も弱くなり、今まで出来ていた動きや行動ができなくなっていることに驚く。身体が弱くなると仕事よりも健康な体作りに思考が向かう。体力の改善と免疫力の向上を目的にスポーツジムに通い始める。そんな70歳代シニアが増えている。
80歳代まで生き残れれば幸せだ。80歳になるまでに同世代の半分以上は他界しているかもしれない。終活が80歳から頭から離れなくなる。他界した時に家族に迷惑が行かないように相続対策、葬儀と墓石、延命すべきかどうかの指示など自分が亡くなった後のことを考え始める。介護関連が一番難しい。子供たち家族と一緒に暮らすのか、老人ホームに入居するのか、資金は大丈夫かと心配しなければならない。
今から60歳代、70歳代、80歳代以降の生活計画を考えて自分の羅針盤を作ることである。