66年間も生きていると色々な苦しみ、不安、喜びを味わう。会社への入社、他の会社への転職、起業、そして、海外旅行などで思いがけない経験をする。思いがけない経験とは、常識では説明できない出来事。人間の知識が及ばない出来事である。この世の中にはそんなことが日常茶飯事に起きている。
66年間の人生で困ったことがたくさん起きた。人生の節目節目で大きな決断をしてきた。その度に頭を悩ましてきた。お先真っ暗な時も何度も経験した。如何にしてこの困難を解決するべきかを悩んだ。人生のピンチに直面する度になぜか私は誰かに助けられてきた。
それも予想もしないような助けられ方である。普通では考えられない出来事が自分の人生に起きて助けられ、今の自分が存在している。何故、そうなるのか説明が出来ない不思議な経験である。このような経験は起業したからこそ出来たと私は思っている。起業するには勇気がいる。未知の世界に足を踏み出す勇気である。誰かに頼るのではなく、自分自身に頼る生き方である。
もう駄目だと思った時に救いの手が突然差しのばされる
体が、「おまえはもう若くない!」というメッセージを少しずつ伝えてきている。老いから来る警告は自分の人生観を変える。今までと同じ仕事を起業家として継続できないと言うことを教えてくれる。一人で始めた事業は気楽な稼業と思われるが現実は辛い物が多い。頼れるのは自分の能力だけ。
今までは体が何も言ってこなかったので今まで通りの生活や仕事観で将来を考え、働いていた。体が発信する警告メッセージを受信してから健康を意識し始める。
生きて行くには仕事を継続してお金を稼ぐ必要がある。一人でビジネスを展開するというのは何かが起きた時に誰もビジネスを助けてくれないと言うこと。自分の生活は自分の働き方にかかっている。
ピンチはチャンスである人生の転換期
Appleの創業者スティーブ・ジョッブスが、スタンフォード大学の卒業式で講演したスピーチの中に私と同じ経験をした内容があった。自分の人生を振り返ってみると人生の転換期という時期が点としてある。その点は苦しい時と楽しい時の点である。それぞれの点がつながって現在の自分を作っている。
あの時の不幸(その当時はそう思っていた)は結果として幸であったという事が今になって理解できる。今を不幸と感じている時は将来この経験が幸に転じる点であると。人生良いこともあれば、悪いこともあるという所以である。人生の底辺にいると感じれば、後は上がるしかないと言う感じ方である。
長い人生の中で絶望感を感じ、生きるのが辛い時期が必ずある。その時期をなんとか乗り越えると人生が明るく展開する。あの時のピンチは後で振り返るとチャンスに成っていたという事を悟る。苦しい時ほど不思議な助けの手がどこからとなく差し出される。
人間が作った良い、悪いの倫理観や価値観で判断できない世界
私は人間や他の生命を創造した神という存在を信じている。信じるに値する出来事があまりにも多く起きているし、それを体験しているからである。人間が作った良い、悪いの倫理観や価値観で判断できないことがあまりにも多い。なぜ、罪のもない子供が事故で亡くならなければいけないのか誰も説明できない。そこには、良い、悪いの世界観はない。
良い、悪いに起因することなく予測不能な事故や出来事が日常茶飯事に起きている。それが個人の人生にも起きている。私は起業してから真剣に不思議な出来事を何度も経験し、人間には見えない力が存在することを感じている。常識で考えて起きることが無いことが起きた時、誰もがミラクルだと言う。
コロナ禍で倒産していく会社と奇跡で生き返った会社がある。どちらの会社が良い、悪いという判断は出来ない。その渦中にいる人が現実をどの様に考えて今後の生活に生かしていけるかである。
説明がつかない出来事
起業初年度は多くの起業家が赤字に成る。売上を立てる前に運転資金を使い果たして倒産して行く会社もある。私の起業は初年度から黒字に成った。予想もしていなかった。不思議なことは何処からともなく仕事の依頼が入ってくるのである。何故、そうなったのか未だに分からない。
法人サイトの構築サービスをしているのだが、決済条件は前払いである。多くの起業家は後払いでビジネスを始める。私は最初から前払いでないと仕事はしないとホームページ上で宣言していた。営業で訪問する会社経営者にもそれを説明してビジネスを展開していた。同業者は口を合わして「信じられない!」という。お陰で運転資金で困ることはなかった。この事も何故、お客は受け入れてくれたのか分からない。
あるお客の会社から訴えられたことがある。民事訴訟で支払った料金を返金しろというクレームである。こちらも弁護士を立てて未払いのサービス料金を支払えと訴えた。結果は民事裁判が開かれる前にクレームをしてきた会社が倒産した。多分、金策困って個人企業の弱者を脅してお金を巻き上げようとしたのではと解釈した。弁護士費用が重くのしかかる前に相手企業が倒産してくれて助かった。
ビジネスを展開していると思いがけない事を多く経験する。サラリーマンでは決して経験できないことだらけである。
結論
ピンチはチャンス。苦しい時期はチャンスに成る。辛抱強く苦しい時期を乗り越えるとそれが後でチャンスを導いてくれる。起業はリスクが有ると誰もが思っている。それは正しいが、リスクよりもメリットが多いと私は思っている。経験できないことを経験させてくれる。不思議な世界が見えてくる。