毎日歩く運動習慣を身につけると老いてきても足の自由は確保できる。体の筋肉は年齢に関係なく鍛えれば鍛えるほど強化される。老人の体は普通の生活で1年に1%づつ筋肉の量が減って行く運命にある。これを防ぐには意識して定期的に体の筋肉を刺激する活動をする必要がある。
筋肉は少しづつ負荷を増やすやり方をしないと増えていかない。散歩をする習慣があるシニアは少しづつ散歩する距離を伸ばすか、散歩の回数を増やす必要がある。
私のように60歳代のシニアは老後の健康を気遣って筋トレに励む人が多い。健康促進と予防の対策として運動習慣を作ろうとしている。その一つとして毎日一定の距離以上を歩くという方法がある。加齢から来る肥満対策としても歩く習慣は効果がある。米国で6ヶ月間毎日10キロを歩いたら肥満から標準体重に改善されたという。歩く活動は全身運動でもあるので身体の代謝を向上させる効果がある。
医者からの助言で老人は自宅にこもらないで外出しなさいというのが当たり前になってきている。横浜駅周辺にはリュックを背負いながら歩いている老人を大勢見かける。杖をついて歩いている老人、ゆっくりと歩いている老婦人、色々な歩き方で老人は歩く。
自分の足で自由に歩き回れる能力はシニアにとって一番重要である。歩けなくなれば誰かの助けが必要になり普通の生活が難しくなる。動物は歩けなくなれば餌を取れなくなり餓死する。人間も徐々に死に近づく。歩ける能力を維持強化する意識と運動習慣を身につけるのがシニアにとって必須になる。
1日に歩く歩数と距離の目標を持つ生活習慣
1日にどれだけ歩くのかが分かっているシニアは少ない。目標を持って歩いているシニアも少ない。歩くことがどれだけ健康に良いのか、その重要性を認識しているシニアも少ない。多くのシニアは70歳過ぎに自分の脚力がすごく衰えたと肌で感じ始める。それから焦り始めて歩くことを意識し始める。
日々の生活でエスカレーターやエレベーターを使うのをやめて階段を使うことがどれだけあるだろうか。駅で電車から降りるとエスカレーターに乗るために長い列が生まれる。一方で階段はガランとしていて少数の乗客が使っている。エスカレーターやエレベーターは自分の足を楽にさせる。シニアにとっては有り難いのだが、足の健康を気遣うとマイナスになる。
歩くのをやめるとこんな健康障害が起きる
足を楽にさせる行動は足の運動を妨げる。歩いていける距離を自転車や自動車で行く行為、階段があるのにエスカレーターを使う行為、シニアが自分の足の健康を意識しないと足は年齢とともに老化を早める。使わない筋肉は自然と衰えていく。
学生の頃に懸垂や腕立て伏せをやった記憶があるはず。今、懸垂が1回でも出来るのかどうか、腕立て伏せが5回以上出来るのかどうか、試してみると良い。使わない筋肉はその筋力が落ちているのが分かる。足の脚力は腕以上に重要な筋力である。身動きの自由が足で確保されているからである。
足の筋肉量が減ると脚力も低下する。脚力が低下すると身動きの自由も制約され始める。自分の足で負担なく歩ける力を維持しないと普通の生活に支障が出る。それが肌で感じ始める年齢が70歳過ぎに起きる。私の兄は73歳であるが、既に足の筋力が衰えて1キロ以上の距離を歩くのに苦労している。
足の筋力は使えば使うほど強化される。歩くのをやめると足の力が低下する。病気で1週間ほどベッド生活をしていると、足の筋力が低下して普通の歩き方が出来なくなる経験があるのではないか。ベッドに寝ている生活が長いと足を動かすことが殆どない。その結果、体は使われない足の筋肉を削ぎ取る。
毎日10キロ歩く習慣を身に着けているシニアは歩く上での自由を何歳になっても失わない。足は10キロ歩くだけの脚力を維持できている。
歩け歩け運動が推奨される背景
自分の足で歩かなくなると将来的に歩けなくなるという事実が知れ渡っている。人間ドックを受けると必ず定期的な運動をして体の筋肉の量を失わないようにしてくださいと助言される。年齢が70歳を超えると自宅を出て歩き回ることを勧められる。
歩け歩け運動は老化による脚力の低下を防ぎ、老人や肥満の成人の健康を改善するためにある。夜夫婦で散歩するシニアが多いが、散歩する距離が短いと効果が薄れる。意識的に歩ける距離にある場所に行くときは自転車や自動車を使わないで自分の足で行くと決めることである。
自分の足を使う機会を意識的に増やすことが脚力の衰えを防ぐことになる。万歩計やスマホの万歩計アプリを使って日々の歩数と距離をモニターする。思っている以上に歩いていないことが分かるはず。自宅だけで活動するならば、歩数と距離は本当に限られる。1日に1度は外出して歩数を伸ばす必要がある。
休憩無しで歩ける距離を知る
今の脚力を知るために夫婦でどのくらいの距離を休憩無しで歩けるかを試験してもらいたい。私達夫婦(67歳と63歳)は休み無しで10キロ以上は歩ける脚力を持っている。 少し我慢すれば20キロぐらいは歩ける。
毎日歩く距離を決めるには自分の脚力の限界を知る必要がある。10キロを歩く脚力がないのに10キロを目標にするのは無理である。休憩なしで歩ける距離が5キロならば、4キロを毎日歩く目標にしてみる。最大歩行距離の60から80%の距離を目標にして足の疲れ具合を見ながら歩く距離の目標を伸ばしていく。
スマホの万歩計アプリは毎日の歩数と距離を記録できる。普通の万歩計よりも機能が多い。スマホを持って歩くだけで済む。
毎日歩く距離が増えてくると健康面で多くの副産物が生まれる。
- 食欲が出る(筋肉を作るタンパク質が多い料理を食べること)
- 脂肪が燃焼してメタボ治療になる
- 血糖値が高い人は血糖値を下げる
- 血圧が高い人は血圧が正常値になる
- 疲れで夜の睡眠が充実する
- 便秘気味なシニアは腸内活動を活発にして便秘を改善する
- 汗をかくことが多ければ皮膚の健康を良くする(汗には肌表面の細菌や汚れを洗い流す働きがあるため、肌がきれいになる)
- ダイエット効果がある
歩くことで体全体の体力を維持強化することが出来る。
足の疲れを体で覚える
3キロ歩いたときの足の疲れ、6キロ歩いたときの疲れ、10キロ歩いたときの疲れを体で覚えておくと便利である。歩いているときの体調にもよるが、足の疲れ方でだいたい何キロぐらい歩いたという感覚がつかめる。これぐらいの疲れならば、後5キロぐらい歩けるという感覚も生まれてくる。
注意する事は足に障害を抱えている場合は医者の助言に従ってください。シニアは体力的に無理なことは出来ないので最初は出来る範囲で続けることである。
私達夫婦は毎週末土日のどちらかを公園歩き日にしている。広い公園まで自動車で行き歩き回る。リュックにお菓子とドリンクを入れて疲れたら休む。そしてまた公園を歩き回る。歩数的に1万歩はかならず行くようにしている。
結論:
老いてくると年毎に体の筋肉量が1%づつ失われて行く。足の筋肉量があるポイントまで失われると歩くのが辛くなる。歩くのをやめて自転車や自動車を頻繁に使い始める。外出時もタクシーを呼んで最寄りのバス停や駅まで歩いて行かない。
歩く力は生活をする上の基盤である。この力が損なわれると自分の身の回りの世話が自分で出来なくなり誰かの助けを借りないと生活が出来なくなる。普通の生活を維持して余生を楽しみたいならば、生きていく上での基本的力、歩く能力を失わないことである。
シニアは加齢により体を活発に動かすことが面倒になる。疲れやすい体になることで歩くことを避け始める。一度足を楽にさせる生活習慣を身につけると脚力を鍛える運動習慣を身に着けられなくなる。そうなる前に足を活発に使う習慣と意識付けをする必要がある。