私の知人が50歳代の時に転職をした。転職先では仕事が以前よりもやり甲斐があったと言う。60歳になり、転職先の会社を定年退職することになった。私は、彼が転職をする時に起業という選択もあるよと助言をした。転職をしても60歳で定年退職する。その時、また今と同じ状態になるから若いうちに60歳、65歳以降のキャリアを考えて準備したほうが良いよと話した。
その時、彼はそれは分かっていると言って色々考えているから心配無いと答えた。今、彼は振り出しに戻り新しい雇用先を探している。仮に新しい雇用先が見つかっても65歳なれば、また、今と同じ状態になる。そんな事は分かっているとまた彼は言うだろう。
頭で分かっても心で現実の世界を感じていないのが今の知人である。助言をすべきか、そのまま知らないふりをするか、悩ましい。
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定年退職後の61歳の知人
定年退職後の1年間、彼なりに新しい職を探したようだ。探して現実の厳しさを知ったのが今である。彼なりに計画して職探しをしたのだろうが、結果として再雇用先を見つけることが出来ていない。50歳代と60歳代では、年齢という壁の高さが違う。頭で理解していても自分はなんとかなると楽観的に思っている人が多いが、現実を知って落ち込む。
61歳の知人を見て助けて上げたいと思っているが、私が出来ることは私の経験から来る助言しか無い。助言してもそれを心で受け取って実行しないと無意味である。
定年退職1年後も失業中
彼は定年退職後の1年間を本当に職探しをしたのだろうか。職探しは時間がかかる。職を探して1ヶ月から3ヶ月ぐらいで年齢という壁が相当高いことを知る。望む職を探しても年齢で書類審査落ちしてしまう。正社員は無理で年次契約社員が当たり前。そんな現実を見ると甘い考えが吹っ飛ぶ。
気分転換に海外旅行をしたり、友人や知人と会って情報交換をしたりしていたらしい。私はそんな彼の行動を見て、私が想像したとおりの道を歩いていると思った。会社員の延長線がまだあるような思考で新しい職を探している。
65歳以降の自分の生活を考えるということをしないのだろうか。
新しい職が見つかっても65歳になればまた振り出しに戻るのが分かっているはずだ。他人の会社にぶら下がった生活スタイルは定年退職後に求め続けることは出来ない。職が見つからないという現実がそれを彼に伝えているのだが分かっていない。
最後は誰でも自分を雇用する選択肢しか残らない。それを61歳から挑戦するか、もっと、後にするか、やらないかだ。失業が1年以上続くと仕事の感覚が鈍くなってくる。マイナス要素が増えてくる。人材派遣で一時的にもう一度社会とつながる選択がある。繋がりながら、自分を雇用するビジネスアイデアを模索する選択肢もある。
なぜ、仕事が見つからないのか?
仕事が見つからない理由は個人差がある。理想を望んでも年齢制限で望めないのが現実だ。自分がやりたい仕事を見つけたいならば、その仕事を自分で作ったほうが簡単で早い。他人が人材を探す時、雇用する人材の要望に合うような職を提供しない。雇用する会社がいつも強い。雇用される人はいつも弱い。
仕事が見つからない理由:
- 仕事を選り好みしている(どうしても以前の仕事がやり甲斐があると同じ様な職を探す)
- 職探しが正攻法(職を探すならば、社長と知り合うことだ、または、知り合いの社長からの紹介を受けることだ)
- 3ヶ月ぐらい無償で自分を試してくれと言ったアピールをしていない
50歳代のシニアと61歳のシニアでは若い人材を選ぶ。これは当然である。競争は激しい。その競争に勝つには、経営者に直接接触して自分を売り込んだほうが良い。これを彼はやっていなかったと思う。
どうしたら良いかは本人が考え、決めることだが・・・!
私は彼にこんな助言をしたい。私の助言を本当に聞いて実行してくれればまた違って展開が出来るのではと思う。こちらからすり寄って助言しても聞いてくれないし、心に求めないだろう。相手から助言を求められて始めて知人は聞く耳を持つ。
- 中小企業の経営者と触れ合う機会が多い団体に所属する(NPO団体、中小企業経営者向け勉強会など)
- 65歳まで働ける職を探しながら、副業を始める(65歳以降は副業を本業にしてお金を稼ぐ)
- 副業にプラスになる仕事経験を求めて人材派遣社員になったりアルバイトをする。
知人が今何をしたら良いかを見つけない限り、このピンチはチャンスに変わらない。私に言わせれば、「ピンチはチャンス!」である。ピンチになると今までと違ったことを考え、実際に行動する起爆剤を手に入れる。必死になって自分の余生を考えないと足は動かない。ここで諦めてしまう人、そこまでの人でしか無い。
経済的にはまだ苦しくないはずだから今のうちに積極的に自分の新しい人生を開拓する行動を起こすべきである。
66歳の私、自営業で仕事をしながら70歳になったらどうするかを考える
知人の就職先を心配するよりも自分の余生をどうするかを考える年齢になっている。政府はシニアを70歳まで労働者扱いをしたいと言っている。会社はまだ65歳以上の元社員をどのように扱えば良いか悩んでいる。最終的には私のような個人事業主に向かわせることに落ち着くだろう。
起業して15年経過した私だが、70歳以降今のビジネスが継続できるかどうか分からない。次のステップに進みたいのだが、現在のビジネスモデル以外で期待する売り上げを出せていない。まだまだ、ピンチの状態が続く。シニアにとって自分の仕事がある、ないで70歳以降の生活のリズムが変わる。
仕事があれば、日中のコアタイムを上手く使えるが、なければ暇で精神的な苦痛を味わうことになる。70歳以降の生活をどのようにしたいかを今から考え、準備できていれば暇で殺されることはなくなる。仕事がない生活は仕事人間であった元会社員を駄目にする。
この記事「定年退職後の61歳、仕事が見つからない、どうしたら良いのか?」のポイントは、
- 定年退職後1年間、新しい職を探していた知人が未だに失業中であることがわかった。61歳であるのでまだ若い。彼に以前助言をした。目先の仕事を探す前に65歳以降の生活をどうしたいかを決めてから仕事探しをしたほうが良いと。
- 今新しい職を見つけても65歳になったらまた今と同じ状態になる。今度は、99%以上新しい職を見つけるのは難しい。残された道は、アルバイトぐらいだ。
- 私は彼に今から副業(起業)を勧めたい。体力、気力があるうちに新しいことに挑戦する。65歳になってから始めるよりも61歳のほうが有利である。