息子たち二人がマイ・インターンをPrime Videoで見た。凄く良かったというコメントであった。本日、家内と一緒にこの映画を見た。ロバート・デ・ニーロ (Robert De Niro)がシニアインターンの役で心を打つ演技をしてい;た。映画のあらすじは、こちらを参照。
この映画を見て感じたのは、経験豊かなシニアが輝くのは人生の荒波を乗り越えてきた人生経験であるという事である。まだ働きたいシニアはこんなシニア労働者のイメージで再就職先を探してみてはどうか。若者たちが始めるベンチャーには人生経験豊かなシニアが必要だ。一緒に働きながら自分の将来に不安を覚える若者の話し相手になる。
若者たちは人生の先輩が経験してきたことを参考にしたいと思っている。自分の父親よりも第三者のシニアのほうが聞きやすい。人それぞれの人生があるが、その中に参考になる経験がある。
人生経験は決して古くならないし、若者を助ける!
若い人たちが起業している。若い故に人生の荒波で苦しむ。ビジネスだけでなくビジネスを展開する上での人間関係、そして、自分の人生で新しい壁にぶつかる。若者たちには分からない物事の判断が求められる。それは、ビジネスという視点ではなくビジネスを展開する起業家の人生という視点である。
マイ・インターンを見てシニアの存在価値を再認識
私が言葉でこの映画の事を説明するよりは、一度、見て頂いた方が分かりやすい。 特に、シニアの方は自分の存在価値観を見直す事が出来る。若い会社組織には人生経験豊かな人材がいない。ビジネスと人生は同じ時間軸で動いていくのだが、若い故に人生に戸惑う。そんな起業家の側で人生相談に乗ってあげられるのは同年代の若者ではなく人生経験豊かなシニアなのである。
ビジネス経験豊かなシニアは若い人たちが作り出した組織の穴を埋めてくれる。社員と社員、経営者と社員の隙間で生まれる悩み、不安、葛藤、付き合い方、マナー、将来展望などの相談に乗れる人生経験がある。マイ・インターンの映画ではそんな潤滑油の役割が描かれている。シニアの存在価値は若者たちが経験していない人生経験にある。
そんな示唆をこの映画は物語っている。シニアインターンを始めるベンチャー企業が生まれても良い時代である。顧問という偉そうなタイトルではなく、一般社員と同じレベルで仕事での相談相手というか組織の精神安定剤として機能するのではないだろうか。
シニアの身なり
もう一つ、映画で印象付けられたのは身なりである。シニア男性のネクタイとスーツ姿は見る人の評価を変える。私がネクタイとスーツを着る時はお客さんとの打ち合わせがある時である。それ以外はネクタイなしのジャケットとスラックス姿になる。金曜日はラフな身なりのジーンズ姿になる。
夏は暑いのでネクタイやスーツは着れないが、秋から冬にかけてはネクタイとスーツが活躍する。長年会社で働いた時のシャキッとした気分をネクタイとスーツ姿で取り戻せる。その日の気分とTPOで身なりを楽しむ。そんなシニアのファッションを映画から感じ取れる。
ネクタイとスーツが制服であった私達の時代と違って今の若者達はネクタイとスーツを着る必要がない会社で働ける。IT業界は営業職でなければどんな服装でも良い。ただし、お客様の会社を訪問するときはTPOに合った服装が求められる。
ネクタイやスーツに慣れていない若者はいつもネクタイとスーツ姿のシニア社員の身なりを参考にする。時には相談する。TPOにあったネクタイとスーツは着慣れているシニアに聞いたほうが無難であるからだ。業界の懇親会で営業する社員はいつも着るネクタイとスーツではなく、高級感がわかるネクタイとスーツが求められる。そんな常識をシニア社員から学べる。
大きな変化が起きている時代に悩める若者が多くなる
誰の人生も波乱万丈である。シニアも若者もそれは同じである。違うのはシニアは先に波乱万丈な社会経験をしていることである。生まれてきた時代で人生は変る。私達の父親たちの時代は第二次世界大戦の時代であった。青春は戦争で狂わされた。私達の時代は戦争を知らない子供たちの時代である。高度成長の波に乗って生活が豊かになっていた。今の若者達の時代は低成長、コロナ感染、ウクライナとロシアの戦争、異常気象など生活面で大きな変化が起きている時代である。
年功序列と終身雇用の労働環境が崩れて人生設計の見通しが難しくなっている今の時代。若者たちは自分の人生とキャリア形成をどのようにすべきか悩んでいる。正社員と非正規社員、派遣社員とパート・アルバイト社員など労働階層が複雑になってきている。
雇用不安が増大し、貧富の差が目立ち始める。低所得層の若者たちが増える。コロナ感染で今まで見えていなかった貧困層の若者たちが浮上した。自分の人生をどのように舵を取れば良いかを相談したい若者が大勢いる。経済的に豊かなシニアはそんな若者たちの相談に乗れる余裕がある。
シニア労働者の存在価値は単純な人手不足を解消する労働者ではなくこれから活躍する若い労働者を支援する人材にもなる。人生のメンターとしてシニア労働者がベンチャー企業で役に立つ。
結論
映画「マイ・インターン」はシニア労働者の存在価値を再認識させる。若い労働者が多いベンチャー企業には人生経験の豊かなシニア労働者がいない。シニア労働者の存在は人生のメンターとして社員の相談相手になる意味で重要である。
シニア人材の価値を再認識してシニアが再就職の面接でそんなメリットを訴えても良いのではないか。