人件費削減で管理職を含めたリストラが多くの大企業で開始されている。早期退職優遇制度で40歳代、50歳代のバブル期入社社員を減らす。当然、50歳以上の社員が主な対象になる。リストラは誰もが嫌がるし、その対象者に選ばれたくないと願っている。今の会社で安定した仕事をしたいと誰もが思っている。

会社は社員の気持ちを優先できない。リストラをして人件費を削減しないと会社の業績を上げられない。身を軽くして稼げる事業でお金を稼ぐ方針にすると稼げない事業はリストラになる。誰もが頭の中で理解しているのだが、その対象に自分が含まれると不安になる。

リストラ対象者は新しいチャンスをつかんだ人たちであると解釈している。早期退職優遇制度で普通では得られない高額な退職金を得られるからだ。今は、就職氷河期ではなく、人材不足の時代である。再就職先を探せば、それほど苦労しないかもしれない。一番賢い社員は今の会社状況を予測して次の就職先を確保している社員である。

会社は社員を利用し、社員は会社を最大限に利用する。SONYの故盛田社長が言っていた。

早期退職優遇制度で得られる高額な退職金はリストラ対象の社員だけが得られる特権・チャンスである。時代はリストラ対象者を味方にしている。こんな面白い話を過去に聞いたことがある。

「ある中高年のエンジニアが今の会社でリストラ対象になった。彼は次の会社を探す時にこれからリストラをする可能性が高い会社を対象にした。そして、また、リストラ対象者になって高額な退職金を手に入れる。」これができればリストラ成金になれる。

高額な退職金を上手く使って老後資金や自分への未来投資にするチャンス!

住宅ローンや子供の大学資金で苦しんでいるリストラ対象者はこの高額な退職金を使って身を軽くすることである。老後に住宅ローンの支払いで苦しむ事を避ける意味で借金なしの生活を送ることが重要。子供の大学教育資金も負担が大きい。この負担を先に解決する事で精神的に苦しみながら再就職活動をしないで済む。

新しい生活を築くには金銭的な負担を背負いながらでは苦しい

高額な退職金は今の生活で生まれている金銭的な負担をなくす。リストラ対象者でない社員は定年退職まで住宅ローンと教育ローンで苦しめられる。退職金も減額されるかもしれない。会社の業績が低迷するからだ。

残った早期退職金で未来の自分に投資する、または、老後の蓄えにする。再就職先が見つかれば、それが一番良いのだが、もし、難しい局面に合うならば、起業という選択も考えるべきだ。起業は定年退職後にするよりももっと若い年齢で挑戦すべきである。会社員と起業家の思考には相当の隔たりがある。会社員は自分の手足でお金を稼ぐという経験がない。

老いる前に起業経験をする

起業するには自分の力だけで1円でも良いからお金を稼げるという経験と自信が必要になる。上手く再就職できた人でも65歳を過ぎれば、起業しか選択肢が無くなる。パートやアルバイト、そして、派遣の仕事をやるにしても年齢が70歳近くになれば雇用してくれる会社は無くなる。最後は自分でビジネスをするしかない。

ならば、先に起業経験を積んでおく方が得策である。歳を取ってから始める起業は体力と気力の面でエネルギーが足りなくなる。健康障害が起きれば働けなくなる。健康でいられる年齢の内にビジネスの基盤と経験を得る方が断然お得である。

早期退職金で精神的な余裕を買う

リストラで得た高額な退職金は普通では得られない金額になる。資金がある、ないでは精神的な余裕も違う。最後は誰もが自分でビジネスをするしか無くなる。誰もが年齢と言う理由で雇用してくれなければ、自分のビジネスでお金を稼ぐしかない。それをするには、ビジネスを起こすための経験と運転資金が必要になる。若い時しか動き回れない。挑戦し続けられない。

結論

65歳を過ぎれば確実に体力の低下と限界を感じ始める。そうなる前に新しい事に挑戦すべきなのだ。リストラを不幸と思ってはいけない。チャンスと思うべきだ。特に高額な退職金を得られる早期退職優遇制度によるリストラは新しい人生のための運転資金になる。