人手不足で倒産する中小企業が増えていると聞く。人手不足で人件費が高騰し、収益性が低下し、人材の確保が難しくなり、生産性が落ちる。大企業は、技術革新で機械化を進めて雇用調整が出来るが、中小企業はそんな技術も投資も出来ない。

自然と会社は主婦と定年退職者に目が行く。問題は主婦は家を長時間離れて仕事は出来ない。定年退職者は体力を要求する3Kの仕事は敬遠する。一般労働者と同じ労働を主婦と定年退職者に求めると人材は集まらなくなる。

70歳以降も働きたいと思っているシニアは14.2%。60歳から69歳ならば、49%になる。働きたいシニアは増えてきているが、シニアのニーズを満たす仕事は増えていない感じがする。シニア労働者は嫌われる職種か、単純労働か、人手を満たす用途に使われる。

シニア人材が人手不足の仕事を満たせるのか?

最近の住み込みマンション管理者募集広告を見るとこんな変化に気が付く。以前は、夫婦住み込みで月額26万円ぐらいであった。今は、夫婦で56万から60万ぐらい給与を支給する条件に変わっている。

需要と供給がアンバランスになってきている証拠である。マンションの管理業務は3Kの仕事に入る。マンション住民の苦情対応から共有スペースの清掃、ゴミ処理、保安など何でも屋さんになる。夫婦住み込みでないと小さなマンション棟は、対応が出来ない。

介護業界も慢性的な人手不足である。他の業界が人手不足になると介護業界から人手が流出する。もっと条件が良い仕事があるからだ。

コンビニエンスストア業界は田舎に行けば需要はあるが、都会は外国人労働者で満たされる傾向がある。この傾向は飲食業界でも同じだ。日本語と生活習慣に慣れてしまえば外国人労働者で間に合う。

営業の仕事は、いつの世になっても需要はあるがシニアが営業向きであるかどうかは個人差がある。御用聞き営業ならば、営業経験があるシニアならば大丈夫だろう。新規開拓の営業マンになろうとするとシニアは限定される。人脈があるシニアが採用される。

短期的に稼ぐを増やしたいならば、一番需要があり高給を支給してくれる警備交通誘導業界、建設業界や流通業界で仕事を探すのも一つの選択である。自宅から最寄りの駅まで歩くのであるが、その途中で建設中の宅地がある。道路は交通誘導が行われている。4人ぐらいの高齢者が歩行者や自転車の誘導をしていた。高齢者の中に一人の女性もいた。その4人の平均年齢として80歳前後と私は判断した。交通誘導の日当は普通のアルバイトよりも高い。その代わり、かなりの肉体労働になりやすい。長時間、立ち続けなければならない。

狙い目は夫婦住み込みでマンションの管理業務をする事。大手のマンション管理会社は65歳という年齢制限がある。規模の小さいマンションであれば、年齢制限などを設けていない。働けるまで働いてほしいというのが本音だ。

結論

70歳を過ぎても働きたいという高齢者が全体の14%弱いる。多くのシニアは70歳になる前まで働くことを求めるが、70歳を過ぎてまで働きたいとは思っていない。日本の労働者人口が減少しているため、人手不足で企業が倒産している。特に中小企業が多い。

ただ、求められている人手は誰もがやりたいと思う職種、業界の仕事ではない。シニアのニーズとマッチしない場合が多い。それでも働きたいというシニアは経済的に働かざるを得ないのかもしれない。人が嫌がる仕事はどの時代でも需要があり、高給である。

働いている高齢者を見かける。ビル内での清掃業務、マンション管理業務、交通誘導業務、介護施設のヘルパーアシスタント、工場での仕分け業務、スーパーマーケットでの品出しや品揃え業務など普通のシニアがやりたいと思う仕事ではない。でも、そんな分野に仕事の口がある。仕事に何を求めるかである