誰もが心配する事が有る。伴侶が先に他界すると老後は一人の生活になる事だ。一人の生活はおしゃべりする相手がいない生活になる。一緒に食事も楽しめなくなる。これは避ける事が出来ない運命である。
令和2年簡易生命表によると、男女それぞれ 10 万人の出生に対して 65 歳の生存数は、男 89, 722 人、女 94, 569 人となっている。これは 65 歳まで生存する者の割合が男は 89.7%、女は 94.6%であることを示している。同様に、75 歳まで生存する者の割合は男 76.1%、女 88.4%、90 歳まで生存する者の割合は男 28.4%、女 52.5%となっている。(表3、図2)
生命表上で、出生者のうちちょうど半数が生存すると期待される年数を寿命中位数といい、令和2年においては、男 84.58 年、女 90.53 年となっている。平均寿命に比べ、男は2.95 年、女は 2.79 年上回っている。(参照:厚生労働省:令和2年簡易生命表)
老後お一人様の生活になるのはご婦人方が多くなる。一人で老後を生活する人たちはどのような生活をして余生を楽しむのだろうか。個人差があるだろうが、知られていない世界である。
お喋りをする相手、一人で生活が出来る健康、没頭できる趣味
私は男性であるので女性の一人生活については想像の世界でしかない。カフェで一人寂しくコーヒーを飲んでいる老婦人を見るが、それ以上は分からない。女性は男性と違って気楽におしゃべりが出来る友達が出来れば、寂しさを吹き飛ばしてしまう感じがする。男性はそんな事は出来ない。おしゃべりが好きなシニア男性は芸能人の「さんまさん」しかいない。
お喋りをする相手を見つけること
一人の生活になったら、自宅に帰っても待っていてくれる人がいない。自宅は自分が帰るまで電灯が付いていない。ペットがいれば、ペットが待っていてくれる。暇な老人は昼も夜も一人で時間を潰さなければならない。話す相手もいない。1日中、会話が無い生活が続く。精神的に参る人が多いのが分かる。
老人はネット経由で新しい会話相手を探す事が出来ない。若者たちはSNSでテキスト会話を楽しんでいる。音声による会話よりもテキストによる会話の方が楽なようだ。シニアはどうだろうか。スマホでLINEが出来るシニアならば、テキストによる会話を楽しめる。
20歳代、30歳代の独身時代は、社会をまだよく知らない。新しいことだらけだ。自宅のアパートに帰るのはいつも夜遅い。寝るだけの目的で帰る。昼間は仕事で時間が取られ、夜は可愛い女性との出会いを求めて遊ぶ。友人知人と食事をしながらお互いの近況を話し合う。自分の将来を想像しながら未来を夢見る。そんな楽しみがある。
一人になったシニアに足りないことは新しい知人、友人、恋人を見つけられないことである。特に男性は気楽に知らない人に話しかけられない傾向がある。話しかける理由を見つければ問題なく話しかけられるのだが、そんな理由がない状況では何もアクションが取れない。
一番簡単に知人や友人を作る方法がある。チームで何かをやる団体に参加することである。スポーツ、ボランティア活動、介護施設スタッフとして働くことである。
一人で生活が出来る健康
60年以上の人生経験がある老人たちには、若者たちと同じような夢と出会いが見えていない。待っているのが分かっているのは、いつ別世界に旅立つのかという事だけ。人生100年と言えども残りの人生を本当に楽しめる時間は神から頂いた肉体がいつまで自由に使えるかにかかっている。
年齢が80歳を過ぎると五感の機能が劣化してくる。味覚、嗅覚が衰えて来ると美味しい料理やお酒の味が分からなくなるという。美味しい料理を食べるという楽しみを失う。筋肉が衰えて来ると旅行にも行けなくなる。自由に旅に行ける体さえあれば、一人者同士の旅行パッケージに参加して新しい出会いと会話が楽しめる。
時間との戦いで若いうちに、体がまともに動いている時にやりたいと思っている事をやるしかない。老後の生活は、長年乗り続けたポンコツ車と同じようになる。体の至る部位で故障し始める。一人の生活を楽しむにしても普通の生活が出来る体を維持していなければ意味が無い。それが大前提になる。
シニアの健康維持
- 病気になる原因を早期発見、早期治療
- 足腰の筋力を維持、強化する定期的な筋トレ
- 栄養バランスの取れた食事、水分補給、十分な睡眠
- 外出して社会からの刺激をもらう
没頭できる趣味を見つけること
何かに夢中になるモノを見つけてその延長線上にいる人たちと交流してシニアなりの老後を楽しむ。夜は一人寂しくネット友達と会話して近況報告を交わす。ペットがいれば、ペットに話しかけて自分の世界に入り込む。
96歳になる義父がなぜ一人で生活を続けるのか。自分のプライバシーが保てて、好きな事が自宅で出来るからである。子供の家族と一緒に生活をすると言う選択があるが、生活する環境が変わり、子供の家族に気を使いながら生活するのが面倒で負担になる。
若者が楽しんでいるネットゲームなどはシニアでもハマりやすい。パソコンでもスマホでもゲームは出来る。自分が好きなゲームを探してやってみることである。私ならば、町中を歩いている美人を探して写真撮影をする。写真撮影はスマホでも簡単にできる。写真を取らせてくれる美人がどれだけいるかを調査するのも面白い。
結論
- 何かに夢中になるモノを見つけてその延長線上にいる人たちと交流してシニアなりの老後を楽しむしかない。その大前提が普通の生活が出来る健康と体力である。
- 一人で生活できるうちは一人で生活したほうが総合的に考えて気楽である。