最近、朝日新聞の朝刊を読むたびに目に入ってくる全面広告がある。ロコモア(サントリーの健康食品製品)や味の素のアミノエールの宣伝だ。若い人たちは、インターネットで情報を入手するため新聞を読まないが、シニア層は新聞で情報を取得している。その意味では、影響力がシニアに及びやすい。

ロコモアもアミノエールも体力低下(筋力の衰え)を飲めば直ぐにでも改善できるかのような印象を宣伝している。現実は、違う。ロコモアもアミノエールも健康食品であり、病状を治す薬ではない。あくまでも食事で十分とれない栄養を補足する役割しかない。体力や筋力の衰えは、老化や生活習慣から起きている。特に足腰の筋力低下は、運動不足から来ている

定期的な運動をせずにロコモアやアミノエールなど健康食品だけで筋力を改善できると思い込んでいるシニアが多い。

楽して体力や筋力の衰えは改善できない

ロコモアやアミノエールなどの健康食品は、筋肉を作り出す材料でしかない。筋肉を形成する時にこのような材料が沢山あると筋肉を作りやすくなるのだが、運動をして傷ついた筋肉を修復するプロセスがなければその材料は使われない。つまり、筋肉痛を味わうくらいの定期的な運動をしなければ、ロコモアやアミノエールなど健康食品はあまり役に立たないという事である。

シニアの消費者は、宣伝コピーをそのまま信じてしまう(自分の都合の良い解釈)。あたかもロコモアやアミノエールなど健康食品を飲めばマジックのように(薬のように)病状が改善すると勝手に思ってしまう。前提条件である定期的な運動が必要な事ロコモアやアミノエールなど健康食品は強調していない。典型的な宣伝マジックだ。

足腰の筋力と体力の改善

足の筋肉だけでなく体全体の筋肉は体に負荷を与え続ける事で成長する。年齢に関係なく成長する。69歳の私がフリーバーベルのベンチプレスで80キロを上げられる理由がここにある。私はロコモアやアミノエールなど健康食品を一切飲んでいない。定期的な運動とタンパク質が多い食事をしているだけである。

足腰の体力改善はお金をかけなくても出来る。本当に足腰の衰えで悩んでいるシニアならば、体を定期的に鍛える運動を地道に続けるだけで悩みは解消される。騙されたと思って階段の上がり下りの運動を半年間やってみてほしい。半年前の体力と比較できるほどの違いが体に起きているはずである。

「歩くのが辛いシニア」は、毎日近くの公園にある(階段がある場所であればどこでも良い)階段を5分間ゆっくりと上り下りする。毎日、階段の上り下りをする運動を習慣化することで足腰の筋肉を鍛えられる。

最初は、きつい。息が切れやすい。疲れる。何をやるにしても最初は辛いのは定番である。これを乗り越えないと足腰の衰えを改善できない。楽をする生活は足腰をだめにする。ロコモアやアミノエールなど健康食品だけ飲んでいれば足腰の筋肉が成長するなんてありえない。

甘いお誘いは騙しのテクニックである。「良薬は口に苦し」ということわざを思い出してほしい。甘い薬は糖尿病になると同じだ。楽して足腰の筋肉を改善できると思わない!世の中は簡単ではない。階段の上り下り、毎日5分間を6ヶ月間実行してほしい。違いが確実に体感できる!

体を積極的に動かしていない70歳以上のシニア

80歳以上になっても普通の生活ができている高齢者がいる。毎日農作業をしているシニアは足腰が大丈夫である。毎日体を使っていない生活を送っているシニアは自分の足で動くことが辛くなっている。定年退職で仕事をしないで自宅に隠るような生活をしているシニアほど体力の衰えが酷くなる。

運動不足になると、あまり食欲がわかないために食事量が減ってしまい、慢性的な低栄養になってしまう可能性がある。身体を動かす習慣がなく、さらに身体を作るために必要な栄養素が十分でないと、筋肉量が減ってしまい、からだの機能が低下したサルコペニアになり、次第にフレイルの状態に向かう。

体を動かす生活習慣は働いているときは何も意識せずに成立している。何か目的を持った生活習慣を身につけているシニアならば、体を使って動いている。問題は暇を持て余して自宅で何もしない、楽な生活を過ごしているシニアである。

体を動かさない生活

自宅にいる時間が長い人はソファに座ってテレビを見ているか、音楽を聞いているか、読書をしているかなどで体を動かしていない。ペットを飼っている家庭であれば、ペットを散歩に連れ出して歩く機会がある。朝と夕方の2回。問題は歩き距離と時間である。歩数で8000歩以上、時間で40分以上。自宅での生活が長い人はこの数字を超えない場合が多い。

歩くことで期待できる効果(引用先:サントリーウエルネスオンライン)

  • 2,000歩

    寝たきりの予防が期待できます。
  • 5,000歩

    速歩き7.5分の場合、要支援や要介護状態の予防が可能です。入浴や食事など、他の人の介助を受けずに生活できる状態の維持が期待できます。
  • 7,000歩

    速歩き15分では、血管が硬くなることや骨が脆くなることを防げるでしょう。
  • 7,500歩

    速歩き17.5分の場合は、筋肉量の減少や体力低下を抑える効果が期待できます。
  • 8,000歩

    速歩き20分では、生活習慣病の予防や75歳以上の場合はメタボリックシンドロームの予防が可能でしょう。
  • 9,000歩

    速歩き25分は、血圧や血糖値が高くなるのを防ぐ効果が期待できます。
  • 1万歩

    速歩き30分では、75歳未満の場合メタボリックシンドロームの予防に役立つでしょう。
  • 1万2,000歩

    速歩き40分の場合は、肥満予防の効果が期待できます。ただし、1万2,000歩以上を40分以上速歩きすると、健康を害する可能性もあるため注意が必要です。

 

結論

  • ロコモア(サントリーの健康食品製品)や味の素のアミノエールの宣伝に騙されるな!
  • ロコモアもアミノエールも健康食品であり、病状を治す薬ではない。
  • 定期的な運動が必要な事をロコモアやアミノエールなど健康食品は強調していない。
  • 足腰の筋力の回復には足腰を刺激する定期的な運動が必須。