老人になると筋力の低下と筋肉量の損失が目立ち始める。体の容貌、足の動き、姿勢、呼吸力など誰が見ても筋力の低下からくる老人の特徴が見える。60歳までは、筋肉はそれほど衰えない。60歳過ぎから気づかない内に急激に筋肉が衰えて行く。男女ともにそうなる。70歳代になって筋肉の衰えで足や体の動きに負担を覚える人が多くなる。

普通の生活が出来る身体を維持できなくなるのが老化である。健康で居られる寿命を伸ばすには体を自由に動かせる筋肉を維持できないと始まらない。筋力の低下と筋肉量の損失は体の動きを不自由にする。70歳を過ぎたときにことの重大さを肌で感じ始める。

筋力の維持と筋肉量の増加は老後の生活で意識して対処する課題になる。シニアは老後の生活の変化(体を活発に動かさない)で体の筋肉を気が付かないうちに失う運命がある。フレイルの状態に成ったら棺桶に足を突っ込んでいる一歩手前の体になる。

毎日体を動かして筋肉を使う生活をすること

60歳を過ぎたら意識して体を使う生活をする!エスカレーターを使わないで階段を登る。ちょっとした距離(2~3キロ)ならば、バス、電車、自動車などを使わないで歩く。朝夕毎日30分ぐらい散歩する。週1回はスポーツセンターやジムに行って筋肉運動をする。

筋力の低下は思いがけない所に出る。呼吸するための筋肉が加齢とともに衰えてくるという。運動を意識的にしないで普通の生活をしていると体全体の筋肉が衰えてくる。階段を登った後に息切れがする。カラオケで息継ぎが苦しくなる。呼吸を助ける筋肉が衰え始めると呼吸が浅くなる。呼吸が浅くなると酸素が沢山体に行き渡らなくなる。

筋肉を使わない生活は悪循環に繋がる

私の姉、70歳、は「西野流呼吸法」の教室に十数年通っている。

西野流呼吸法は、私たちの身体を構成する約60兆個の細胞の一つ一つに酸素をいきわたらせ、ミトコンドリアの働きによって生命エネルギーを培うメソッドです。(引用先:西野流呼吸法

彼女の話では、生活で出会う人達の呼吸の浅さに驚くという。呼吸の浅さが話をしていてわかるという。酸素を体全体に行き渡らせるために沢山の酸素を体に入れる必要がある。深い呼吸は沢山の空気を肺に送れる。深い呼吸を習慣付けないと健康な体に必要な酸素が体に行き渡らなくなる。

深い呼吸をするには、呼吸を助ける筋肉だけでなく体全体の筋肉も強化する必要がある。

「呼吸器筋が衰えた高齢者は、上体を揺らして呼吸する舟こぎ呼吸をするようになります。より多くの筋肉を使って空気を吸おうとして、多くのエネルギーを消費するようになるのです。それでも、酸素摂取量が減るので食事が十分とれなくなり、やせてしまいます。栄養不足から呼吸ができなくなり、心臓の機能も低下する悪循環に陥ります。そうならないためにも呼吸器筋を鍛える努力は必要なのです」(林院長) 引用先:日刊ゲンダイ

筋肉を使わないと自然に使わない筋肉を環境に合わせるようになる。それが続くと、つまり、楽する生活を続ける「生活を快適にする筋肉の量」を削減し始める。高齢者は体に普通の生活以上の負担を筋肉に与える運動を生活の中に運動習慣として取り入れる必要がある。

体が枯れてやせ細るのは筋肉を失ったため

66歳の私だが体の老化を自覚できる。老化を進行を遅くするために意識してスポーツセンターに毎週行って筋肉トレーニングをしている。その御蔭で同年代のシニアより体格は良い。ベンチプレスで90キロを挙げられるし、懸垂も10回以上出来る。毎週2回スポーツセンターに行って筋力トレーニングするという習慣が身についているからだ。

筋肉が減少すると痩せ細る。やせ細った高齢者は誰が見てもエネルギーが欠乏しているのが分かる。生命エネルギー自体が感じられなくなる。筋肉を維持して動かし続けると生命エネルギーの維持できる。体格も良くなる。定期的な筋トレを行うと基礎代謝が上がり筋肉の量も増えてくる。

健康的な生活を送るには体を自分で不自由なく動かせる筋力と筋肉の量が必要になる。この筋力が弱まると、例えば、足の筋力低下で車椅子生活が始まる。不自由な生活は精神にも悪影響を与える。自分の足で動けない人は、不自由な生活を痛烈に感じ始める。

筋肉を増やすには定期的な筋トレだけでは不十分。筋肉を作る材料(タンパク質とミネラル)を十分過ぎるぐらい食事やサプリメントから摂る必要がある。毎食タンパク質が多い肉、魚、納豆、ヨーグルト、牛乳、豆腐などを食べる必要がある。骨を作るカルシュウムやマグネシュウム、体のエネルギー代謝をサポートする亜鉛などを毎日意識して摂取する必要がある。

既に筋肉の損失、衰えで歩行障害を感じているのならば

タンパク質を多く摂る食事を始めること。毎食、タンパク質の多いメニューで筋肉を作る材料を体に準備しておく。跡は足の筋肉を鍛える運動を始めるだけで良い。

まず、この運動をやってみる。

  1. 階段がある公園を散歩して階段を上がり下りする(足が重く感じるまで)
  2. 水分補給を喉が渇かなくても15分毎に一口づつ
  3. 筋肉は普通の生活で使う以上の負荷を与えないと増えて行かないので筋肉痛を感じるぐらい鍛える

時間をかけて無理をせず足の筋肉を使う生活習慣を身に付けることが一番大切である。出来るだけ、日中は外出して足を使う時間を増やす。自宅に帰ったらお風呂に入って疲れた足や体を温めてリラックスする。筋肉を使えば自然と睡眠が取りやすく成る。

足に筋肉痛があるときは出来るだけ歩く。歩くことで血液が循環して老廃物が流れやすく成り、回復を促す。体を運動で動かすことを止めれば、楽な生活に成るが筋肉は失い続ける生活に成る。筋力の低下と筋肉量の損失で不自由な老後を迎えたくなければ、筋肉を使う生活のリズムを続けることである。

結論

筋力の低下と筋肉量の損失で不自由な老後を防ぐには筋肉を鍛える運動習慣が必須に成る。特に足の筋肉の損失で歩行障害に陥る高齢者は毎日の散歩だけでなく足の筋肉を意識的に鍛える筋トレとタンパク質を多く摂る食事を必要がある。

老後の生活は体を積極的に動かす仕事がない。楽な生活をしたければそれが出来てしまう。体を楽にする生活習慣は最終的に体の筋肉を衰えさせる。筋肉は使わなければ自然に体からいらないものとして消えていく。一度、筋肉を失い始めると元に戻すための時間と苦痛が伴う。そうならないために、今から筋肉を維持、強化する筋トレを習慣にすることである。

シニアは筋トレが必須である。意識して筋トレをしなければ自然に体から筋肉が失われて行く。