62歳の時に1年に1度の人間ドックを受診した。その中に検便検査があった。3週間後に人間ドックの結果が郵送されてきた。検査結果と精密検査依頼状が入っていた。一瞬、目を疑った。精密検査なんて今まで受けたことがない。なぜ、この歳の時なのだと。
精密検査依頼状には、大腸がんの疑いありと書いてあった。がん、がん、がん。私はがんにかかってしまったのか。すごいショックと不安が襲ってきた。予想もしていない病気の疑いだ。大腸がんについてネットで調べたが、精密検査で大腸内視鏡検査を受けてみないとはっきりしないとあった。
そうか、大腸内視鏡検査をすれば本当に大腸にがんがあるのかがわかるのだ。高齢者になるとがんになるリスクが高まる。60歳を過ぎると体の免疫力が下がる。私の免疫力も当然下がってきている。
人間ドックで大腸がんの疑いが見つかった
高齢者が自分の健康に真剣に気遣い始めるのは、思いがけない病気が見つかったときである。私の場合は、大腸がんという疑いである。自分の体の健康管理は自覚としてはあったが、意識して健康を維持する努力をしてきていなかった。やってきたことは、筋トレの運動だけ。
人間ドックの結果から大腸の精密検査を受ける
早速、人間ドックを受けた横浜保土ヶ谷中央病院に電話をかけて大腸の精密検査を受ける手続きをした。翌日、病院に出向いて大腸内視鏡検査を受けるための手続きと説明を受けた。心の中は、私は大腸がんにかかってしまったのだろうかという不安でいっぱいであった。
私の病歴で深刻な病気は一つも今までなかった。あえて深刻な病気と言えば、緑内障である。緑内障は時間とともに視野を失うが命までは取らない。後は、子供の頃のおたふく風邪、インフルエンザ、痔瘻、喉の風邪、ぎっくり腰ぐらいだ。今回のように命に関わる大腸がんの疑いは不安で仕方がない。
大腸内視鏡検査は、腸の中を洗浄してからでないと内視鏡で腸内を見ることができない。大腸内視鏡検査を受ける1時間前から病院で腸内を洗浄する液体ドリンクを1.5リットルぐらい飲んでトイレで排出する。液体だけが出始めたら、大腸内視鏡検査が始められる。
検便検査で陰性であれば、こんな事をしなくても済んだ。2つの検便検査で一つが陽性であったため、大腸がんの疑いありと判断され、大腸の精密検査となった。
大腸の内視鏡検査は、自分の腸内をモニターを見ながらどんな状態であるかを探る。自分の腸内状態が見て取るようにわかる。担当の医者が内視鏡で映し出した部位(大腸の始まりから肛門まで)を丁寧にモニターを見ながら説明してくれる。
大腸がんは、S状結腸と直腸あたりに出来るがんである。担当医は、疑わしい部位を写真で取り、あとでその部位について説明してくれた。幸運にもがんと疑われる部位はなかった。見つかったのは、いぼ痔である。担当医によれば、私の大腸は非常にきれいな状態にあったと言う。
大腸がんは、急に成長して大きくなるがんではないと説明してくれた。次回は、5年から8年後にもう一度内視鏡検査をすると良いと助言してくれた。今までの不安が一瞬にして消えていった。
62歳になって初めて大腸内視鏡検査を受け、自分の体の健康を真剣に気遣うきっかけになった。人間は、何か問題にぶつかって初めてその重要性に気がつく。健康は当たり前のように思っていたが、いざ、大腸がんの疑いありと言われると自分の健康に気遣う重要性を認識する。
健康に不安ならば年に1度の人間ドックは必須!
60歳を過ぎると体の免疫力が下がってくる。免疫力が下がると今まで抑えられていた病原菌や細胞が暴れだす。深刻な病気は、体の中で弱くなった部位に現れる。人間ドックは、そんな兆候を事前に見つけるためにある。自分は健康だと思っていても自覚症状がない病気がある。大腸がんの疑いは、検便検査をしてみないと分からない。
今回の大腸がんの疑いは、痔に起因したようだ。排便をする時に力むと痔が傷ついて出血が便に含まれる。目に見えない出血であると自覚がないので今回のような結果になる。高齢者の健康管理は、早期発見、早期治療である。
66歳になった今も毎年2月に人間ドックを受診
62歳のときの精密検査から健康に気遣う生活を心がけたのだが、数年後にまた検便でひっかかり大腸がんの精密検査を受けることになった。2回目も痔による出血で誤診となった。今年の人間ドックでは何も問題がなく安心している。今、心配していることは70歳を過ぎた頃の健康である。
多くのシニアが70歳から80歳になるまでに予想もしない病気を発症して健康障害を受ける。免疫力の低下が原因ではないかと思う。自分の健康を維持するには病気に勝てる免疫力を如何にして維持、強化していくかにかかっている。コロナ禍の環境でも自分の免疫力が弱いと重症化する。
体の異常を早期に見つけるには血液検査が一番。生活習慣病も血液検査である程度分かる。私は年に4回献血をする。確実に社会貢献が出来て、お金がかからず、人を助けるやり方である。献血をすると数日のうちに血液の状態をウエブで知らせてくれる。
血液センターでは、献血にご協力いただいた方々への感謝の気持ちとして、7項目の生化学検査成績と8項目の血球計数検査成績についてお知らせしています。(引用先 日本赤十字社)
7項目の生化学検査
何らかの異常が体で起きれば、血液検査項目の結果に現れる可能性がある。人間ドックのような大掛かりの検査でないので気軽に体の状態を献血で分かる。現在、献血は69歳までのシニアで60歳から64歳までに献血をされている方に限定されている。
結論
- 精密検査依頼状には、大腸がんの疑いありと書いてあった。高齢者になるとがんになるリスクが高まる。
- 高齢者が自分の健康に真剣に気遣い始めるのは、思いがけない病気の疑いが見つかったとき。
- 健康で不安になるならば年に1度の人間ドックは必須。
- 年4回の献血で血液検査をする