令和2年度年金改正法案の成立で注目されるのが、年金受給開始時期の選択肢の拡大である。現状65歳から年金受給が75歳まで拡大される。65歳で年金を受け取らないで73歳で受け取るという選択ができる。今までは70歳までという範囲であった。
国が支給する基礎年金は、死ぬまで支払いがされる。長生きすればするほど累積年金額が多くなる。もし、年金受給を先に繰り上げすると(1)他界する可能性が高くなる、(2)累積年金額が少なくなるというリスクがある。国民にとって一番利口な年金受給は、早くもらって長生きする事である。
年金は少子高齢化で受け取る金額が少なくなって行く事が分かっている。年金を生活の基盤にして生きて行こうと考えているシニアは考えを改めたほうが良い。これからのシニアは年金プラス他の小遣い収入でお金を稼ぎ続けないと余生を楽しめなくなる。
老後の生活は働いてお金を稼いでいる限り安泰!
今、60歳代のシニアは生涯現役で自分の人生を終える事を真剣に考えるべきである。毎月のキャッシュフローが懐に入ってくる生活であれば、年金に依存する生活を考える必要が無い。仕事を失うと収入は年金しかなくなる。貯蓄には限度があり、毎月切り崩す羽目になる。老後の生活に安心をもたらすには、年金以外の収入を確保する事である。
年金以外の収入を確保するには
60歳代のシニアならば、自分が得意とする分野で副業に挑戦する事。副業でお金を稼げるようになるまで時間がかかる。失敗しながら試行錯誤を繰り替えす。65歳まで非正規社員で給与をもらいながら、副業で月額10万円以上の売り上げを目指す。65歳を過ぎれば、働ける口がアルバイトやパートしかなくなるリスクを副業で軽減する。
65歳で年金をもらいながら今まで挑戦してきた副業を本業に出来るようにする。それが可能になれば、年金収入プラスの生活を始められる。定年退職をしたシニアの経済的な目標は65歳以降の生活を年金収入プラスの収入で老後を過ごすことにある。
雇用されている状態で生涯現役は期待出来ない。生涯現役は自分が試行錯誤で見つけた、作った仕事でなければ成り立たない。出来れば、50歳代から副業を試行錯誤して自分の手でお金を稼ぐ経験を積むことである。多くの会社員は定年退職まで一つの収入しかない。私は自分の息子たちに会社員でいるうちに収入源を3つ作る事を教えて来た。
長男は大学生の頃からアフィリエイトで稼いだお金を証券や投資信託で運用して給与以外の収入を得ている。次男は会社員の仕事と自分が作り出した仕事を加えた兼業をしている。二人ともに年金の将来と会社の安泰に不安を抱いているからだ。最終的に頼れるのは、いつも、自分しかない。自分の力でお金を稼げるという自信が老後の生活をより良いものにする。
若い時から「自分の得意」でお金を稼ぐ経験をすると給与以外の収入源を確保できるようになる。だから、65歳から起業を考えるのではなく、定年退職をする前から副業を始めて給与以外の収入を稼ぐ経験を味わう事である。自分でお金を稼げることを体験すると守りの老後から攻めの老後にシフト出来る。
リスクは自分の健康!
生涯現役で働き続けるには、健康管理を意識して行う必要がある。年に1回の人間ドック、週2回の筋トレ、運動習慣を身に付けて成人病にならないようにする。病気は早期発見早期治療で治すしかない。老いて来れば来るほど、「体が資本!」になる。肉体労働で生涯現役の仕事をするよりも知的生産でお金を稼ぐ方が長続きする。
筋肉と脳は鍛えれば鍛えるほど成長する。定期的な運動で普通の生活が生涯続けられるならば老人ホームのお世話に成る必要が無くなる。その結果、老人ホームに入居するためのお金を沢山貯める必要がなくなる。出来るだけ長く普通の生活が続けられる体作りと知恵を使ったお金稼ぎの仕事があれば、年金で苦しむ事は無くなる。年金という所得制限で自分の余生をつまらないものにするよりも自分が作り出した仕事でお金に困らない生活をした方が断然楽しい。
攻めの余生を楽しく送るための下準備
- 今すぐ副業を検討し、自分の得意でお金を稼げる挑戦を始める事
- 今と同じ普通の生活が維持できる体を作り出すために定期的な運動習慣を身に付ける事
- 年に1回は人間ドックを受けて早期発見早期治療の考えを持つ事
誰もが老いてくると攻めの人生ではなく、守りの人生になって行く。その一つが無職になり年金以外の収入が無くなること。体を定期的に動かすことがなくなり筋肉の衰えから自分で動き回れる体力を失う。この2つの要因で攻めの余生から守りの余生にシフトしていく。
攻めの余生を送るには「体が資本」になる。普通の生活が維持できる体力と健康があれば、あとは年金プラスの収入を稼ぎ出す仕事を作り出せば良い。普通の生活が78歳まで維持できなければ、78歳以降の生活は介護施設や老人ホームで介護ヘルパーのお世話になるしか無い。生きている時間が10年以上あれば、その時間で発生するコストを支払うだけのお金を準備する必要がある。これが、88歳まで普通の生活ができていれば後の生活が介護施設や老人ホームであっても発生するコストは78歳のときよりもかなり少なくなる。
健康寿命を伸ばす理由がここにある。他界するまで普通の生活が維持できる健康と体力があれば、多額の老後資金を貯める必要はない。自由に動ける体を死ぬまで楽しめる。お金で困らないシニアになるには(1)普通の生活を維持する健康と体力、(2)年金プラスの収入の2要素が必須になる。
結論
老人にとって「お金」は普通の生活が出来ているという大前提でないと使う楽しみを味わえない。お金がなければ働いてお金を稼ぐ。そのときに健康と体力が求められる。老後をお金で困らないようにするには普通の生活を維持できる健康と体力で生涯現役で仕事をするしか無い。仕事は出来るだけ早い時期に自分で作り出す試行錯誤をすることで作れる。
60歳から65歳までに副業を始める。会社に頼らないで自分の力で小遣い稼ぎをする。会社員は自分でお金を稼ぐ経験がない。60歳、65歳で会社から完全に離れたら他社での再雇用の機会はない。有ったとしても誰もが嫌う3Kの仕事である。そんな仕事で余生を送るよりも自分で作り出した仕事でお金を稼いだほうが楽しい。