どの会社も定年年齢が65歳であると信じていたら、そうではなかったという事実。それも雇用待遇面で問題がある。給与は大幅に落とされる。現役の給与の50%から60%が一般的。65歳で定年と言ってもこんな雇用形態である。

  • 「勤務延長制度」・・・正社員のまま雇用されるが、給与面で大幅に下げられる
  • 「再雇用制度」・・・一旦退職し、再雇用されるが契約社員か、嘱託社員で給与も大幅に下げられる

65歳まで同じ会社で働ける会社は全体で16%ぐらいしかない。多くの会社は、60歳定年退職だ。この結果は、厚労省が行なった「平成29年就労条件総合調査 結果の概況」から出てきている。定年退職後も同じ会社で働くことが本当にやりたいことなのかを自問してほしい。経済的な安心を求めるならば、長続きはしないと思うべきだ。時間の問題で組織から強制的に辞めさせられる。

頼れるのは「自分」しかない状態になる。定年退職後の人生は「自分に頼る人生」になる。誰かにすがって生きていきたいと願っても年老いて行くシニアは誰も見向きもしない。その事実を今のうちに受け入れて新しいライフスタイルを探すことである。

シニアはノマドワーカーになるべきでは?

私が起業を準備していた時、株式会社を設立してオフィスを借りるイメージでビジネスを考えていた。現実は、株式会社ではなく合同会社を自分で手続をして設立し、自宅をオフィスの場所として登録した。実際の活動は自宅外である。ビジネスプランを考えながら試行錯誤をしているうちに一人ビジネスでは必ずしもオフィスは必要ないと思い始めた。

一人ビジネスはシニア向けである。見が軽く固定費を最低限に抑えられる。起業する上でどうしても発生する費用がある。一番負担が大きい費用はオフィスである。Co-Workingオフィス、シェアオフィスなどがあるが、毎月固定費としてお金が出ていく。一人でビジネスを展開する上で決まった居場所が必要かどうかを自問してみると良い。

最終的に私は居場所を固定しないでオフィスを持たない「ノマドワーカー」になった。

ノマドワーカーとは

ウィキペディアでの定義

ノマドワーカーは、ノートパソコン、スマートフォン、タブレット端末などを使い、Wi-Fi環境のある喫茶店など、通常のオフィス以外のさまざまな場所で仕事をする人を指す日本語の表現。また、そのような働き方を、「ノマドワーク」という。

今の時代はビジネスを始める上で文明の利器を使わざるを得ない。ノートパソコン、スマートフォン、タブレット端末、モバイルルーター(Wi-Fi接続)はノマドワーカーにとって必須になる。インターネットビジネスであるので仕事場はインターネットの世界になる。法人向けのホームページシステム構築から始まり、メディアサイトでの広告収益までやっている。

仕事をする上で時間と場所に制約されないのが自分のライフスタイル、ワークスタイルに適している。始めるビジネスによってはインターネットはあくまでも情報発信と受信の場と割り切る人もいる。シニアが始めるビジネスが何であれインターネットを使った情報発信と受信は避けられない。

私の知人が定年退職後に起業した。私と同じようにオフィスを借りて始めようとしたが、その考え方を改めてノマドワーカーとしてビジネスを始めた。営業活動でオフィスいる時間が少ないことが分かったからだ。オフィスがないと始まらないビジネスではなかったのが理由である。

オフィスは必要ない

シニアが起業する時は大きなビジネスを作るのではなく、老後の生活の中に自分の仕事を持つという意味合い程度でよい。ビジネスを大きくすると他人を雇用してオフィスを借りないと回らなくなる。身軽なビジネスで老後の生活にちょっとした経済的潤いをもたらす程度にすることである。

売上がない最初の1年間、2年間を生き延びるためには固定費をできるだけ無くすことである。オフィスは起業家にとって一番負担が大きい。オフィスがないと始まらないビジネスはシニア向けではない。オフィス無しで固定費を少なして身軽に始められるビジネスにフォーカスすべきである。

ノマドワーカーはカフェを居場所と仕事場として使う。その理由は、

  1. Wi-Fi環境が無料で提供される
  2. トイレと電源供給がある
  3. 気分に合わせてカフェを変えて仕事ができる
  4. コーヒー代が居場所代になりコスト安である
  5. お客との打ち合わせ、話し合い場所として使える

コロナ禍でリモートワークや在宅ワークでも仕事ができる会社が増えてきている。カフェでリモートワークをしている会社員を多く見かけるようになった。私が利用しているスターバックスはコーヒー1杯で半日はいられる。ドトールコーヒー店では長居をすると追い出される。ノマドワーカーは自分にとって居心地が良いカフェを事前に探しておくと良い。

固定費を最低限にして活動費に投資する

シニア起業はビジネスが立ち上がるまで時間とお金がかかる場合が多い。ビジネスを立ち上げる経験がないため試行錯誤が続くからである。試行錯誤が続く=時間とお金が費やされる。起業が失敗する一番の問題は運転資金がなくなることである。営業活動でお金が毎月出ていく。活動するたびに交通費、食費、通信費などお金がどうしても出ていく費用がある。

起業する時にオフィスを構えると売上がない時点から負担が大きい家賃費用が毎月出ていくことになる。その家賃代を営業活動費に向ければより長くビジネス活動が続けられる。起業家はお客さんを探し、見つけることにお金と時間が取られる。お客さんさえ確保できれば、キャッシュフローが生まれる。

オフィスの家賃費用はマイナスのキャッシュフローになる。ノマドワーカーになれば、大きなマイナスキャッシュフローは発生しない。コーヒー1杯分の費用でオフィスに代わる場所が手に入る。

結論:

身軽で固定費があまり発生しないノマドワーカーでシニア起業すべきではないか。定年退職後のライフスタイルは自分に頼る人生になる。起業は第二のキャリアとしてやりがいがある。シニア男性にとって手に職があると経済的に精神的に肉体的にメリットが大きい。60歳、65歳で会社を卒業したら、自活と年金でしか生きていけない。誰かに雇用されて生きていく人生には限度がある。シニアのライフスタイルはノマドワーカーになって考えてみてはどうか。