ニコンがカメラ事業と半導体製造装置事業を縮小する。それに伴い人員を2~3年かけて1000人削減するという。コロナ禍の影響で大企業を含めリストラが増加している。真っ先にリストラされるのは、中高年の社員。リストラ対象になった社員には、早期退職金が加算されて支払わされる。昔ならば、しがみついて抵抗しろと助言する人が多かったが、今は、これをチャンスと見て新しい人生設計をすることを勧めるう。私もその一人だ。
リストラ対象になった社員は、遅かれ早かれ合法的に退職を強要される運命にある。退職が遅くなればなるほど、早期退職金の額が下がっていく。早いうちに高額な早期退職金を頂いて新しい人生設計を描いたほうが良い。
リストラをチャンスと考えて新しい人生設計を描いてみる。そこに人生100年の入口がある。寄らば大樹の陰的な考え方は年齢が60歳に近づくにつれて意味をなさなくなる。思考は会社に頼れないから自分に頼るにならざるを得なくなる。
リストラは新しいスキルとキャリアを作る上でチャンス!
時代は大きな変化の真っただ中にある。ITベンチャーでは、副業を奨励している。会社に出社せず、好きな場所を仕事場にしてリモートワークをしても良いという会社が増えてきている。終身雇用制度を当てにした我慢の労働は時間の無駄遣いだ。終身雇用を維持できるだけの体力と不動の会社理念がある企業ならば、リストラなどはしない。もう、そんな会社は大企業を含めて無いに等しい。
早期退職金と時間を自己投資に使う
リストラされる社員は早期退職金を使って新しい時代が要求するスキルを身に付けるための自己投資をする。ビジネススクールに通いながら新しい時代のニーズを嗅ぎ分ける嗅覚を養う。同じクラスの人間と仲良くなってその人脈から新しい仕事を得ることも可能。人生は100年になる。40歳代、50歳代の社員は、まだ、人生の半分も過ごしていない。
次の仕事を探す転職活動は、時間がかかる。うまく転職できれば幸運かもしれないが、時間の問題でまた同じ局面を味わうことになる。60歳、65歳になればまた会社を去ることになる。それを前提に60歳、65歳以降に自活できるスキルを身に付ける機会がある転職先を見つけることである。
もし、あなたが50歳代の社員であるならば、1~2年の間、違った分野で最先端のビジネスを学ぶ活動をしてはどうだろうか。新しい産業の芽は時代の流れを見ればわかる。自分の知識やスキルが古いと思うならば、新しい知識とスキルを学ぶ道を選ぶべきである。
2つの選択がある。
- ビジネススクール、大学で学び直しをする
- 時代の先を行くと思えるベンチャー企業に転職する
私は51歳のときに起業した。ホームページをシステムで作るという時代の流れが見えていた。オープンソースのCMSを使って法人企業のポータルサイトを構築するビジネスを始めた。そのための下準備はしていた。半年間、必死になってCMSの使い方、操作、技術的な問題解決などをインターネットで学んだ。
自分のスキルを磨く
自分のスキルを磨くため、または、新しいスキルを身に付けるために興味を持ったベンチャー企業で新しいキャリアをスタートする。ベンチャー企業は、給与は低い。労働待遇も悪いが、将来の自分のスキルを磨く環境を提供してくれるならば、お金をもらいながら勉強ができる。そんなメリットがある。次の人生ステージに向かう踊り場は、誰も苦労する。その苦労がないと自分が求める仕事に有り付けない。
65歳過ぎになると自分でビジネスを始めなければ100歳まで生きるための生活費を稼げない。高齢者は、特別な尖ったスキルや専門的な知識がないと新たな仕事は見つけられない。有るのは、清掃の仕事や建設現場の交通整理、そして、介護の仕事ぐらいかもしれない。まだ体力と若さがある50歳代ならば、65歳以降の自分の仕事を念頭に置いた仕事のスキルを身に付ける挑戦が出来る。
新しい仕事に励んでいる自分の姿をイメージする
この世界には不思議な力が存在する。科学的に証明ができないが多くの人たちが体験している。私もその一人である。不思議な力とは「自分が求めている事を強く思い続けると実現する」力である。新しい仕事やキャリアで働いている自分の姿を強くイメージするだけで自分が向かうべき方向が示され、その願望を実現するための道が目の前に示されていく。
今の会社に入社する目に望んていたキャリアがあるならば、そのキャリアを得るために何をすべきかがイメージした自分の姿から見えてくる。こう有りたい、ああなりたいと強く求め続けると自然とその方向に自分を導いて行く。
リストラで得た早期退職金と自由な時間を上手く活用するには次になりたい自分の姿をイメージしてそれを実現するために何をすべきかをプランし、実行することである。他人に頼らないで自分に頼る経験を今から始める。自分が動かなければ、何も始まらない。
タイタニック号から小舟で脱出した自分の姿をイメージしてみる。頼れるのは自分ひとり。生き延びるために何をやるべきかは明白である。諦めたら終わり。
結論
いつも10年先を見ながら自分の仕事を探すことである。10年毎に社会構造に大きな変化が現れる。変化はビジネスチャンスであり、自分の人生を見直す機会でもある。65歳以降は、自分のリソースに頼るキャリアを追及するしか生きる道がなくなる。これは、65歳になった自分を想像して仕事環境を眺めて見れば直ぐに分かるはずだ。
早期退職金をもらいながら自分の新しいビジネスキャリア・スキルを作り直す機会が与えられたのはビックチャンスである。その自覚を持てば、新しいキャリアの第一歩を踏み出せるはず。会社員生活が長くなると独立して生きて行くという考えが薄れていつも誰かに頼ろうとする。時間の問題でもう誰も頼ることが出来なくなるのは明白。そんな年齢が目先に近づいてきている。
そうなる前に、そうなった時に何をすべきかの準備を今から始めるべきである。リストラは新しい人生とキャリアを始めるチャンスである!