自分の今までの人生を振り返ってみて、好きな事をやってきただろうか自問してみてもらいたい。
元会社員は、組織に飼い慣らされてきた。「安心と安全」との引き換えに嫌なことも積極的に仕事として割り切って働いてきた。定年退職後は、自分が求めていない仕事を組織が押し付ける環境から、自分が興味を持つ仕事だけを追い求めることが出来る環境に変わる。定年退職の世界はそんな自由が当たり前の世界になる。
80歳までの20年間の人生設計を考えて見る必要がある。年金生活は65歳から始まる。雇用される仕事の多くは65歳で終わる。残りの15年間は自分が考えた人生設計に従って過ごすことになる。どのような人生を送りたいかの目標が見えていると生活のリズムを作りやすい。
65歳で再就職出来ると期待するのはやめよう!特別なスキルや専門領域の知識がない限り定年退職する社員を雇用しない。それが現実である。幸運にも再就職が出来ても70歳までで終わる。年齢制限の壁が会社組織にはある。
65歳から80歳までの15年間をどのように過ごしたいかを考えてから第二の人生の開拓をすることである。
64歳になると65歳で会社を退職する後のことが気になる。65歳まで働き続けられたことも幸せだが、65歳以降の老後が心配になる。イメージできない。65歳以降の老後の生活はどんな生活なのだろうか?先輩たちの老後はどうなっているのだろうか?一体何をして老後を楽しんでいるのだろうか?
このような疑問は誰もが味わう。誰もがその正解を持っていない。人それぞれの人生があるからだ。隣の人と同じ老後が待っているわけではない。64歳のシニアはまだ見ぬ世界に困惑している。やりたい事があるシニアは定年前にその準備が出来る。多くのシニアは何をしようかと迷うのが現実である。
知人が来年定年退職をする。そんな知人が2,3人いる。私は、定年退職する前に独立したので彼らの立場とは違う人生を送っている。自分の意志で会社を退職する人と会社から「ご苦労さん」と言われて出て行く人では、人生観が違う。
遣りたい事を見つけて働いているシニアと嫌な環境で働いているシニアとでは健康寿命が違うとテレビの健康番組で言っていた。それが本当かどうかは定かでないが、一つだけ確かな事は、変なストレスがなく精神的な満足感がある事だ。
70歳のシニアがお金を稼ぐには(1)健康な身体、(2)働く気力、そして、(3)お金を稼ぐ目的の3つがないと上手く行かない。特に、健康でないと何も始まらない。働く気力も大事。年齢とともに何故か気力が落ちてくる。
51歳のときに起業したときの私の情熱と気力は沸騰していた。68歳の今、同じエネルギーを感じていない。何かを始めようとするときは、身体の奥底から湧き出てくる気力がどうしても必要になる。
お金を稼ぐ目的も明確でないとお金を稼ぎ続けられない。目的を達成するために働くという大義名分があると苦しくても我慢ができる。シニアは年齢とともに肉体も精神も弱体化する。そんな状況でお金を稼いで生活を少しでも楽にさせるには知恵が求められ我慢と忍耐が強いられる。
60歳、65歳で会社を卒業した多くのシニアは70歳まではどこかの会社に再就職して老後の生活資金を貯めたいと考える。現実はそれが難しい。誰もが嫌がる仕事で低賃金。それに耐えながら老後の資金を貯めようとする。彼らが知らないことは70歳以降にやってくる体力低下と病気である。老化が激しくなる。
老後の生活で一番価値があるのは「健康と体力」である。老化で体が不自由になるリスクが高まる。お金を使って余生を楽しむには健康と体力がないと楽しめない。やりたい事をやり終える機会が60歳代にある。元気な体を維持できているうちに70歳以降の生活をどのように楽しむべきかを計画する必要がある。
理想は好きな事をしてお金を稼げることである。老後の不安はお金を稼げなくなることによる経済的な不安である。経済的な不安を好きな事を仕事にしてお金を稼ぐことで解決が出来る。そのような生活環境を作り出す方法を還暦を迎える前までに計画し、60歳代のうちに準備する。そんなプランがある、ないで老後の人生は変わる。
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このページのシニアライター:Norito H.Yoshida
Profile
Joomla CMSを使った法人・個人サイト構築で独立。51歳の時に会社を卒業。雇われる生活から自分を雇う生活になる。ソニー(株)、Yahoo!ジャパン(株)でインターネットビジネスの面白さを味わい、個人でも法人と競争が出来る隙間市場があるのに気が付いた。生涯現役でインターネットの世界で生きて行く。Western Washington University, B.S. in Sociology, Bellingham, Washington, USA.
シニアの生活は、体の老化に従って変わって行く。その体験記をこのブログで書いている。