新型コロナウイルス感染が発生する前の横浜駅地下街は大勢のシニアが歩き回っていた。午前中のカフェはシニアと出勤前の会社員で席が埋まっていた。アフターコロナに成りつつある今の横浜は徐々にシニアの外出が増えてきている。
違っている点はシニアの皆さんが全員マスクをして歩いていること。カフェでの暇つぶしも少なくなっている。座れる席の数が半分以下になり、時間制限がされるようになった。シニアの居場所がアフターコロナで減ってきている。
60歳を越えて社会から高齢者と見られ始めると周りの環境が変っていく事に気がつく。普通の仕事をやりたくてもチャンスが見つからない。会社に勤務していた時のマインドで世間を見ていると自分にとって不都合な事だらけ。社会は、自分を阻害し始めていると感じさせる。
シニアは60歳を過ぎると社会の弱者になって行く。会社員として働いていた時代のマインドでは社会がすんなりと受け入れてくれない。60歳から70歳の10年間は、自分の足で新しい生活と仕事を作るための基盤になる。定年退職したシニアを社会はどう見ているか知り、それを前提条件に新しい社会生活に挑戦する必要がある。
過去の生活に精神的に縛られないで新しい生活を作り出す気構えが必須になる。会社に頼ってきたマインドから自分に頼るマインドにシフトする。簡単には出来ないので試行錯誤を繰り返す必要が出てくる。会社の名刺ではなく、自分の名刺を作る。その時、自分は何ができる人なのかが分かってくる。
仕事が見つからないならば、自分で仕事を作るほうが今後の人生を楽しむ上で意味がある。他人に頼って生活するのを一度諦めてみる。諦めたら、自分しか頼られなくなる。
「国内旅行の代金を半額補助(1泊あたり最大2万円)するほか、土産物店などで使えるクーポン券を発行する」という政府による打撃を受けている観光業や飲食業向けの需要喚起策が施行されようとしている。
開始時期が7月下旬頃というネットニュースを見た。家内と相談して直ぐに1泊2日のドライブ旅行に行こうと。宿泊施設を八ヶ岳にある清泉寮にした。1泊一人2万円ぐらいと高い。ツインで朝夕食付き。7月下旬頃は夏休みになるため早めに予約しないと泊まれない宿泊施設である。
幸運にも部屋が埋まる前に予約ができた。二人で1泊2食付きで約4万円になるが、政府の半額補助で二人で2万円になる。7月下旬の八ヶ岳はどんな気候になっているか、コロナはどうなっているか、分からない事が多いが予約だけは先にできる。
もし、都合が悪くなれば1週間前に無料でキャンセルができるので安心である。
アフターコロナ感染の時代はコロナ感染以前の時代と比べてスマホやパソコンという情報端末が必須になる。3密のルールを守って日常生活を送るには非接触で情報を交換する手段が重要になる。スマホが社会全体に広まっているが、70歳以上のシニアはスマホを思うように使えていない感じがする。
平均年齢72歳のNPO団体(230名)の会員の殆どがスマホを所有しているが、使用用途が限定されている。頻繁に使う機能は、通話とメール受信。若者はスマホをパソコンの代わりにして使っている。現在のスマホは高機能になっている。多くのアプリを上手く使えば、パソコン以上の機能を楽しめる。シニアはそれを知らないし、使えない。
昨日、NPO団体のメンバーとオンライン会議をした。Google Meetの無料サービスを使ってウエブ会議を参加者と一緒に体験した。Google Meetの操作は70歳を超えるシニアでも直ぐにマスターできるほど簡単であった。ノートパソコンのカメラが自分の顔を映し出すのだが、照明が悪いと顔が暗くなり写りが悪くなる。それさえ調整すれば、見栄えの良い顔でオンライン会議を楽しめる。
コロナウイルス感染のリスク予防で社会全体がリモートワーク、テレワーク、ウエブ会議を推し進める。今までは必要な人達だけで活用されてきたのだが、ポストコロナ時代はリモートワーク、テレワーク、ウエブ会議が当たり前になる。会社勤めの会社員はリモートワーク、テレワーク、ウエブ会議を使えないと仕事に支障が生まれる。
平均年齢72歳のNPO団体でもオンライン会議をやらないと毎月の定例会が開催できなくなっている。99%のシニア会員はオンライン会議が初めてであるため、現在、ウエブ会議の練習大会が各グループで行われている。最低限のITスキルを持っているシニアたちならば、新しく学習すれば乗り越えられるのだが社会にはIT格差で時代の流れに乗れないシニアが生まれる。
2020年5月9日(土曜日)付の朝日新聞朝刊に「新しい生活様式」何が変わるという記事が掲載されていた。コロナウイルス感染対策として今までとは違う新しい生活様式を取り入れて行かねばならないとしている。
日常生活で絶えず周りにコロナウイルスがいるという前提で生活をしなければならない。それがニューノーマルの生活になる。新聞記事では「新しい生活様式」とはどんな生活様式であるかを説明している。
2020年4月25日土曜日から「ステイ・ホーム週間」が始まった。ゴールデンウイークが終わる5月6日まで長期休暇になる会社員が多い。12日間の休暇を自宅で過ごす事が可能かどうかが試される。
新型コロナウイルス感染ですでに休業自粛をしている人たちは明日から始まる長期休日は悩みになる。外出自粛の延長線であるからだ。旅行に行きたくても行けない環境が出来つつある。
休日らしい使い方に制約がかかっている。コロナ禍でストレス発散の外出ができない日々がこれからも続く。政府は5月6日まで国民に外出を自粛して自宅で過ごしてほしいと要請しているし、外出しても楽しめない環境を作り出している。
私のようなシニアも長引く外出自粛をどう楽しめば良いか思い悩んでいる。いくつかの時間の過ごし方を考えている。
政府は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急経済対策として、全国民を対象に「特別定額給付金」として一律10万円を支給する。年金生活をしている65歳以上のシニアにとっては有り難いお金になる。働いていないシニアにとってコロナ禍の経済的悪影響はゼロに近い。10万円の支給は天から降って来た恵みのお金になる。
私達夫婦の場合、仕事をしていない妻は恵みのお金10万円をそのまま自分のために使える。私の場合は自営業をしているのでコロナ禍の悪影響を受けた売上の補填になる。インターネットビジネスでも悪影響は出てきている。それは社会でお金が回っていないからだ。誰もがお金を使うのに消極的になる。
コロナ禍は時間の問題で解決されるだろう。普通の経済活動が出来る時期なれば、外出自粛をしていた人たちがストレス発散のために動き出す。頂いた10万円を色々な用途で使い始めるのは目に見えている。65歳過ぎた年金生活のシニアも同じ行動に出る。
コロナ対策「給付金10万円」をシニアは何に使うのか?自分たちのためだけに使うべきか、それとも、コロナ禍で被害を受けた中小企業や小売店、旅行業界の業者にお金を使うことを考えるべきか、迷う。
私はまだ夫婦で生活が出来ている。それぞれ自分の世界を持っているのでお互いの生活スタイルで衝突は起きない。家内は音楽の世界。私は、インターネットの世界だ。もし、どちらかが他界したらどのような生活になるだろうか。そんな生活は考えてもいないのだが心配だ。
現実に義父94歳が一軒家で一人暮らしを続けている。週に1回は家内か、夫婦で生活支援をするために訪問している。掃除をしたり、食事を作ったり、買い物に出かけたり、自宅で義父が出来ないことを1泊2日でやってあげている。1週間に1回だが、義父はその日を待ち遠しくしている。
その気持ちは私達もよく分かっているので毎週出かける。もし、自分が義父の立場なら同じことを期待するだろう。
自宅をいつも午前9時頃に出る日が何度かある。そんな時に限って老人が私の前を歩いている。その姿が異様だ。野球帽、スーツ、そして、運動靴姿の老人だからだ。なぜ、こんなファッショになるかをいつも考えている。
その老人は、80歳を過ぎている感じがした。健康のために外出をしているのだなと思っている。70歳代の老人の外出時の姿は、ジャケット(または、ジャンバー)、リュック、運動靴が多い。スーツ姿を見つけるのは、稀だ。仕事をしている70歳代ならば、当然、ネクタイとスーツと革靴だ。
80歳を越えている老人はネクタイはしていない。仕事をしていない老人であることは確かである。お昼頃に横浜駅地下街を歩くと着飾った老夫婦を見かける。二人ともちゃんとした服装であった。どこかのレストランにランチを食べに行くような印象がした。
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このページのシニアライター:Norito H.Yoshida
Profile
Joomla CMSを使った法人・個人サイト構築で独立。51歳の時に会社を卒業。雇われる生活から自分を雇う生活になる。ソニー(株)、Yahoo!ジャパン(株)でインターネットビジネスの面白さを味わい、個人でも法人と競争が出来る隙間市場があるのに気が付いた。生涯現役でインターネットの世界で生きて行く。Western Washington University, B.S. in Sociology, Bellingham, Washington, USA.
シニアの生活は、体の老化に従って変わって行く。その体験記をこのブログで書いている。