シニアの仕事
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生活習慣は一度出来上がってしまうと急には変えられない。古い習慣を捨てて新しい習慣を身につけるのと同じである。定年退職後のシニアは新しい生活習慣を作る機会が提供されている。この機会を逃すと大きな変化が起きない限り変らない。自分の健康のためにも意識して自分の人生にプラスになる新しい生活習慣を作り上げる必要がある。
平日の仕事がなくなり、自宅で自由な時間を過ごすことになるのだが1週間もしないうちに「暇」で苦しみ始める。朝、会社に出勤して、夕方に自宅に帰るという生活習慣が消える。自発的にやるべきことがない限り、自宅でゴロゴロしていることになる。
老後をどのような生活にしたいかをまず決めることから始める。それが新しい生活習慣を作る出発点になる。
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子供が大人になり社会で働き始める。親の手からだんだんと離れていく。それと同時に私たち両親が歳老いていく。老後のお世話がいつ始まるかが気がかりである。
私の両親は既に他界。妻の両親だけが健在である。80歳代の夫婦で普通の生活をしている。義父親は、もうすぐ93歳だ。私も90歳まで生きられれば嬉しいが怪しい。
だが、時間の問題で妻の両親のお世話が始まるのではないかと思っている。それまで夫婦で出来る事を今やっている。夫婦で海外旅行、国内旅行などがそうだ。お世話が始まると家内が旅行に行けなくなる。
子供の世話がなくなると両親の世話が始まるのだが、幸運にも2019年は両親の世話は始まっていない。この年から3年が過ぎた今は、老人ホームで生活をしている。この3年間に色々なことが起きた。義母が自宅で転倒し骨折。病院に入院後、自宅で介護。負担が大きいため老健施設に入居。その後、老人ホームに入居する。
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高齢者人口の統計(2020年総務省)で年齢階級別に見ると、
▼70歳以上人口は2791万人で、総人口の22.2%(前年推計に比べて78万人増・0.7ポイント上昇)
▼75歳以上人口は1871万人で、総人口の14.9%(同24万人増・0.2ポイント上昇)
▼80歳以上人口は1160万人で、総人口の9.2%(同36万人増・0.3ポイント上昇)
▼85歳以上人口は618万人で、総人口の4.9%(同27万人・0.2ポイント上昇)
▼90歳以上人口は244万人で、総人口の1.9%(同13万人増・0.1ポイント上昇)
▼95歳以上人口は60万人で、総人口の0.5%(同5万人増・0.1ポイント上昇)
▼100歳以上人口は8万人で、総人口の0.1%(同1万人増・0.0ポイント上昇)―となっています
(数値引用:GemMed)
65歳以上の高齢者数は3617万人で、総人口に占める割合は28.7%になる。高齢化が進んでいるが全員が普通の生活が出来ているわけではない。自宅介護、老人ホームなどのお世話になっている場合が多い。元気な老人でも経済的に困っていたり、孤独な生活をしていたり、病気で苦しんでいたりする。
長生きが出来れば幸せであると単純に判断できない。シニアは貧困、孤立、健康面で問題を抱えている。年金で生活が出来ないために生活保護を受ける老人が多い。働きたくても80歳を過ぎた老人は雇用対象外である。病気で働けない体ならば一人寂しく自宅でじっとしているしかない。
「長生きすれば良い」という常識はもう成り立たない。長生きは人生のリスクになっている。
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65歳になったから、お金を稼ぐ仕事が無くなったと嘆いているあなた!小遣いを稼げれば、自分の生活に余裕と充実が生まれることを知ってほしい。
今の時代は65歳から安定したお金の稼ぎ方が始まる。簡單ではないが、努力と挑戦するシニアならば誰でも出来る。私は以前から3インカム・ストリーム(3つの収入の流れ)を意識して作るべきだと書いている。3つの収入の流れは65歳から作りやすくなる。
定年退職をした元会社員ならば1つの収入の流れは出来上がっている。年金収入の流れである!後、2つの収入の流れを作れば3つになる。稼いだお金は生活の足しにもなるし、自分の小遣いにもなる。年金以外の収入を増やすことを今から考えておくことである。
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私の年代は60歳で定年退職になれる人とそうでない人が混ざり合う世代になる。私たちよりも若い世代は定年退職という言葉自体が憧れの的になる。これからの会社は確実に正社員の数を絞っていく。大多数の労働者は派遣社員か契約社員の立場で会社勤めする事になる。
経営者は会社の業績が悪くなると人件費を削減して生き残ろうとする。コスト高の正社員をリストラして契約社員と派遣社員で業務を補完する。正社員だから雇用が定年まで保証されていると信じている社員は危ない。大きな変化、コロナ禍では解雇されて失業した方が多い。航空業界、ホテル業界、旅行業界、飲食業界などは社員をリストラした。背に腹は代えられない経営状態に落ちたからだ。
終身雇用を美徳とした会社風土が消えてしまった現在、自分の雇用を自分で守る必要がある。会社は社員が思っているほど助けてくれない。雇用に安心と安定を求めている人は万が一のリストラのときに自分で生きられる準備をしておく必要がある。
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60歳、65歳で定年退職をするシニアは、一般的に会社組織で次の職場を探そうとする。聞こえてくる雑音は、再就職を見つけるのが大変という雑音だけ。実際に再就職活動を始めて、その雑音が現実であることを悟る人が多い。
70歳まで働こうとすると誰かの会社組織にぶら下がる生活が無理なのが想像できる。経営者と労働者とのお見合いがうまくいかない。経営者は即戦力になる経験者か、教育して育てる若者かのどちらかを考える。
即戦力になる経験者は、その会社が探しているスキルと経験、そして、知識を持っているシニアだけ。定年退職したシニアが会社のスペックに合っていれば、再就職は可能。自分をマーケティングする能力が有れば、再就職の可能性が高まる。人材紹介会社などを頼ると待たされた挙句にとんでもない、期待はずれの会社を紹介されるから注意。
人材紹介会社は万能ではない。担当者は紹介しやすい若い人材を優先的に紹介して自分の売上を伸ばしたい。シニア人材は市場も狭く、求めている会社も少ない。手間がかかる。
70歳を越えても収益を得たいシニアは定年退職前から退職後の生活をイメージして準備している。それがフリーランス(個人事業主)である。定年退職が近づいてくる3年から5年前から70歳以降の老後の生活を想像し、起業を準備する。
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どの分野でも美味しい仕事(面白くて遣り甲斐があり報酬が良い)は積極的に奪って行かないと手に入らない。誰もがそんな仕事を探して社内移動、社外転職をする。競争は激しい。激しい仕事の取り合いに65歳を過ぎたシニアは入れない。門前払いが最初の返答になる。
人材不足とメディアは騒ぐが、不足している人材は誰もが積極的にやりたがらない3Kの仕事が多い。精神的、肉体的苦痛を伴う仕事にニーズが有る。ホワイトカラーの仕事を長年してきたシニアならば、ブルーカラー労働者の仕事を探さない。探す前から耐えられない事を知っているからだ。
単純に仕事を探しているシニアならば、確実に見つかる仕事がある。介護の仕事である。絶対的にマンパワーが足りない。猫の手も借りたいほど人が見つかっていない。私は介護の仕事をやりたいという強い動機がないので仕事探しのリストから外している。というか、自分の仕事があるのでその必要が無い。
介護の仕事は強い動機付けが無いと続かない。取り扱うものが老人と言う人間だからである。認知症を持つ老人であれば、普通に接するのが難しい。介護の知識と訓練が求められる。
シニアはいつまでも働けない。体力と健康の壁がある。やりがいがある仕事が見つかっても死ぬまでやる続けられないのが現実。60歳、70歳代はお金稼ぎ、仕事のやりがいで暇な時間が有効に使われるがその後の余生をどうするかが問題になる。
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老人の誰もがいつも一緒に時間を共有する友人や知人、家族がいるとは限らない。昔は大家族で生活するのが普通であったが現代は核家族化している。子供に迷惑がかからないように独立して生活をする親が多い。年に何回か子供や孫に会うしかない老後の生活が生まれる。老いと共に孤独がやってくる!
忙しい日々を過ごしていると孤独を感じる暇がない。いつも、やるべきことが見えているからだ。時間があれば、何かをやっている生活ほど孤独が近寄らない。孤独を感じる多くの人は暇な時間を多く持っている。やるべきことが何もないといつも感じているシニアである。
友人、知人、遊び仲間がいれば孤独を感じないと思うのは短絡的である。自宅に帰って一人でいる時間が長いと孤独は近寄ってくる。問題は一人でいる暇な時間をどう使うかではないか。
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日本語でよく聞く言葉が、「ピンチはチャンスだ!」。なぜ、こんな言葉が私たちの生活の中で使われているのか不思議である。因みにピンチという英語 Pinchの意味は、摘まむという意味で困った状態を意味しない。完全な和製英語だ。本来の英語の表現は、"Tough times bring opportunity."(ピンチはチャンス)になる。
シニアは人生の中で何度もTough Times ピンチに遭遇し、何とか乗り越えて今にきている。捨てる神あれば拾う神ありという感じで困難な時期を何とかやり過ごしてきた。年齢が60歳、65歳になると会社を卒業する時期になる。年金生活で優雅な余生が送れるシニアとそうでないシニアが生まれる。多くは後者のシニアである。
60歳代はまだ若い。体力もあり、新しいことに挑戦できる気力が残っている。働けるうちにお金を稼ぎたいと思うのは自然である。問題は年齢という壁が社会で働き続けることを難しくする。年金以外の収入を何とか稼ぎたい。そんな欲求が自然と生まれてくる。
60歳を過ぎると人生の節目に直面しピンチになる。今までの生活のリズムが崩れ、自分で生活設計を作らねばならない。会社で働き続ければ、会社生活の延長線で余生を考えれば良いのだが、それが出来ない現実がある。今度は自分で人生設計をしなければ老後の生活が見えてこない。
直近の問題は年金以外の収入を得る方法を作り出すことである。期限は自分の体が健康で元気なうちにである。年金以外の収入をどこに見い出せば良いのか。
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高齢者になると仕事もお金も釣り合わない事に気がつく。人生の価値観に新しい要素が入ってくる。健康である。健康である事が余生を楽しく過す大前提になるからだ。 仕事があっても、お金があっても、健康でなければ楽しめない!
ただし、ダラダラした老後の生活は健康を台無しにする。新しい健康的な生活のリズムを作る必要がある。そんな生活のリズムを作る上で実行すべきことは
- 体力、筋力維持のための運動習慣
- 社会との繋がりを持つために仕事をする
- 自分がやりたいことをやる
自発的に事を起こすこと。受身的な時間の使い方は楽であるが、何故か充実感がないし後味が良くない。残りの人生を悔いのないようにしたいのは私だけではない。シニアの運動習慣は必須である。社会との繋がりを維持しながら孤独、孤立を防ぐ。精神的な充実感を得るには自分のプロジェクトを作るしか無い。
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このページのシニアライター:Norito H.Yoshida
Profile
Joomla CMSを使った法人・個人サイト構築で独立。51歳の時に会社を卒業。雇われる生活から自分を雇う生活になる。ソニー(株)、Yahoo!ジャパン(株)でインターネットビジネスの面白さを味わい、個人でも法人と競争が出来る隙間市場があるのに気が付いた。生涯現役でインターネットの世界で生きて行く。Western Washington University, B.S. in Sociology, Bellingham, Washington, USA.
シニアの生活は、体の老化に従って変わって行く。その体験記をこのブログで書いている。