知人の会社が最近70歳定年に人事制度を変えた。これは、政府が既に70歳定年を意識した社会構造変革の準備をしている証拠だろう。年金の支払いができなくなる可能性が高いためではないか。
70歳の会社員(高齢者)がどのような仕事を会社でする事になるのだろうか。会社側は、全員の雇用を意図しているのだろうか。それとも、間引きをして本当に会社に役に立ちそうな高齢者社員を70歳まで雇用するのだろうか。
65歳以上のシニアが社会で働き続けている。その割合は全体の労働者の約14%になり、増え続けている。2020年は新型コロナ感染元年になり、世界中が経済的に悪影響を受けている。シニアの労働者も若い者たちもコロナ禍で仕事を失ったり、リストラされたりしている。
生活苦で生活保護受給者になる人たちが急増している。働きたくても仕事が見つからないというご時世になってしまった。そんな社会で生きて行くには人々が困っていることを解決する仕事を作るしかない。高齢者も持ち前の専門知識や経験を活用して時代にあった仕事を作り出せるのではないだろうか。
社会がピンチなときは新しい仕事を作り出しやすい。
シニアが仕事を探す時、自分の都合で探す傾向が強い。このやり方であると仕事が見つからない。シニアは仕事を探す時に優先順位をまず決める必要がある。優先順位とは、自分の好みではなく雇用する側の優先順位である。人を雇う経営者の視点や気持ちで仕事を探す。
経営者の立場になってシニアを雇用する時に何を考えるか、シニアである自分に何があれば、書類審査を通過して面接まで行けるかなど。何か工夫をしないと経営者の目に止まらない。ただ、履歴書を郵送すれば良いと考えていたら考え直したほうが良いのではないだろうか。
65歳のノマドワーカーを10年以上続けている。仕事場として活用しているのは仕事環境で好都合のスターバックスのCafeである。この8年間ぐらいスターバックスを仕事場として利用している。私はタバコを吸わない。Wi-Fiや電源、そして、トイレなど必要なものがスタバにあるし、雰囲気もナウい。
ただ、問題も抱えている。
カフェは色々な人達がやってくる憩いの場、仕事場として何時間も使用する場所ではない。大きな話し声、笑い、子供の鳴き声、カフェのバックグランドミュージックなど色々な雑音が周りにある。何かに集中して仕事をする場所には適さない。
60歳、65歳で起業するシニアが増加している。人生100年と言われるが、誰もが100歳まで生きられない。健康寿命は長くても75歳までだ。既に起業しているシニアは、70歳になる頃、引退を考え始める人が多い。その理由は、体力を要求する仕事で起業しているシニアが多いからである。肉体は、老齢化すれば衰える。できるだけ、体に負担がない生活を求め始める。それが70歳代。
60歳代で起業しても肉体の老齢化で仕事が出来なくなるような起業の仕方は問題である。起業する時はどのような状態になったらビジネスを閉めるべきかを事前に考えておくべきである。私はB2Bビジネスで始めたが、最終的にはB2Cビジネスにシフトする。今はその過程にある。
なぜ、そうするのか。
B2Bビジネスは自分が他界したら迷惑が直接法人企業にかかる。B2Cビジネスであれば、販売やサービスが止まるだけで他人に迷惑が行かない。老いていく過程で突然他界するというリスクが高くなる。そのリスクを事前に考慮して起業することである。
どんなビジネスを始めるにしてもお客探しが一番先にする仕事になる。自分のビジネスのお客がいる場所と市場を見定める必要がある。起業したてのシニア起業家は、藁にもすがりたい気持ちでお客探しをする。
最初にお客探しをする場所がある。
これは法人向けのビジネスを展開する起業家向けである。潜在顧客が見つかりそうなセミナーと懇親会に参加することである。そこには詐欺をする人が必ずいる。新規の起業家を餌にしている人たちである。
法人向けに詐欺を働いている怪しい人は、得体の知れない名刺を差し出す。話をしても背景が分からない。やたらと儲かるという言葉が出てくる。儲かる話は誰もが聞きたいのだが、話がうますぎるという疑いを持たないと騙される。
65歳を越えた男性が仕事を探そうとする。大企業の役職経験者で人脈が有る方は、顧問サービスを提供しているところで登録をすると営業支援の顧問の仕事にありつける。問題は、大勢のシニアは顧問という仕事にありつけない場合が多い。特別な専門分野があり需要があれば、大丈夫なのだが誰もがそうではない。
誰もが挑戦できるシニア向けの仕事がある。自分の人生経験と知識をホームページで発信することでお金を稼げる仕組みである。
色々な理由で今働いている会社ではやっていけないと感じている会社員が大勢いるのではないだろうか。2月から3月にかけて人事異動が激しくなり、その中には会社を去らなければならない人もいる。大きな技術革新や社会の変化(A.I.、IoT、ロボット、働き方改革など)で既存の仕組みに歪みが生まれ、その歪みから投げ出されてしまう人たちがいる。
会社は社会の変化に適応しようとして構造改革を行う。構造改革=人員整理(リストラ)である。
家族があり、住宅ローンを抱えている一家の大黒柱がリストラ対象になったり、会社を突然辞めたくなったりすると運を天に任すような状態になる。リストラ対象者ならば、会社から早期退職金や転職支援などが提供されるのでしばらくの間は現状の生活が出来る。問題は、突然、会社を辞めたくなったという会社員だろう。多くは、精神的に耐えられなくなったという感じだ。
会社は、組織のために理不尽な事を従業員に強いる。倫理的に我慢できない事もやらされ、責任を取らされる。それで精神的に耐えられなくなる。こんな状態になっている人は、深呼吸を6回やってから冷静に処世術を学ぶ必要がある。
朝、午前9時前に横浜駅地下街を歩いてスターバックスに行く。地下街では、出勤する人たちが足速に歩いている。その中にシニアの男性たちもいるが、仕事に行くという印象はない。60歳以降も継続して仕事をしているシニア男性であれば、スーツ姿に革靴だ。
年金生活を始めたシニアたちは、窮屈な革靴を履くことをやめる。会社の束縛を逃れるために足元から始めるのである。革靴は決して歩きやすい靴ではない。歩くにはスポーツシューズが良い。軽いし、クッションがあり膝に負担がない。
スーツ姿のシニアは働いている人が多い。年金生活を送っている人はスポーツシューズにカジュアルな服装。ジーンズに革靴を履いて歩いているシニアは少ない。私ぐらいかも。
シニアはなぜ革靴からスポーツシューズを好むようになったのか。
10年先の世界は、還暦を過ぎたシニアが活躍する社会になっているだろう。
ただ、活躍できるシニアと出来ないシニアが生まれる格差社会になる。この10年の内に若者を対象とした高等教育が崩れる。現在の大学の数は、少子高齢化社会を反映していない。人気が無い大学は倒産するか、教育対象者を若者からシニアに鞍替えするしかない。
問題は、還暦を過ぎたシニアが求める知識を大学側が提供できるかどうかだ。シニアの仕事に密着した実利を得られるスキルを学べる大学でないとダメだろう。若者対象の純粋な教養と学問ではシニアのニーズを満足させない。
第二の人生とキャリアを求めるシニアは増えてくる。社会はそのニーズを上手く消化できていない。多くの会社は60歳から65歳までシニアを再雇用して安い労働力として使っている。シニアのやる気を潰している。積極的に老後の生活を生きたいと思っているシニアは新しい知識と社会でのつながりを求める。
時代の変化が激しいので今までの知識や経験が生活面で生きてこない場面が増える。コロナ禍でウエブ会議が当たり前になっているが、ウエブ会議が何であるかが分からない、経験がないシニアが多い。中小企業の老いた経営者はウエブ会議、ビデオ会議、オンライン会議が同じことであることを知らない。
時代に追いつくためには学び直しが必須だ。
普通の生活が出来るシニアであれば、店舗や屋台、路上の簡易販売所でお弁当を販売する仕事が出来る。実際にシニアの方がお弁当を販売していたのを見ている。ランチ時間帯だけのアルバイト。シニアでも簡単にできる仕事である。
シニアが探す仕事は一つにする必要はない。複数の仕事を集めて自分の都合に合わせれば良い。アルバイトを3つ、朝、昼、夜にできる簡単な仕事を組み合わせる。時給が1000円あらば、1日6時間で6000円。それを平日だけ働けば1日6,000円x20日=12万円になる。
目標を1日5000円稼げる仕事に合わせれば、どのようなアルバイトを組み合わせればそれを達成できるかが見えてくる。
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このページのシニアライター:Norito H.Yoshida
Profile
Joomla CMSを使った法人・個人サイト構築で独立。51歳の時に会社を卒業。雇われる生活から自分を雇う生活になる。ソニー(株)、Yahoo!ジャパン(株)でインターネットビジネスの面白さを味わい、個人でも法人と競争が出来る隙間市場があるのに気が付いた。生涯現役でインターネットの世界で生きて行く。Western Washington University, B.S. in Sociology, Bellingham, Washington, USA.
シニアの生活は、体の老化に従って変わって行く。その体験記をこのブログで書いている。