着る洋服は年齢とともに変わってくる。定年退職後にスーツやネクタイを着る機会は凄く減る。冠婚葬祭や何かのイベントぐらいしかないというシニアが多いはずだ。営業の仕事を続けているシニアはスーツやネクタイは必須だから気にすることはないが、日常生活や仕事でスーツやネクタイを着ないシニアは宝の持ち腐れになる。
私は一人でインターネットビジネスをやっているため実際にお客さんと会う機会は非常に少ない。1年に3回有れば多い方だ。ほとんどがメールや電話で完了する。そのため毎日スーツやネクタイを着る必然性が無い。NPO団体での仕事でイベントに参画したり、出張したりする時ぐらいになる。
会社員時代に購入したスーツやネクタイは60歳を過ぎて会社組織で働かなくなると上手く活用できない。スーツが5、6着あっても飾っておくだけになる。何とか有効活用して使い潰したい。
63歳は、まだ、夢を追い続けられる健康と体力がある。追い求める夢さえあれば、人生が夢の跡をついてくる。私は、70 歳になるまでに成し遂げたい夢がある。70歳までに今の仕事を完全に自己完結型の働き方にしたいのだ。自己完結型の働き方とは、自分の仕事が途中で止まっても第三者に迷惑が行かない仕事形態である。
B2Bの仕事は法人相手になる。B2Cは消費者相手である。どちらも私が仕事をやめれば、お客に迷惑が及ぶ。私が目指す仕事は自分だけにリスクが生じる自己完結型の仕事になる。典型的な事例は自分の製品を作って自分のショッピングサイトだけで直売するビジネスである。別に自分の製品を作ろうと頑張っているわけではないが、それができれば本当に嬉しい。
Walt Disneyがこんな事を言っている。
"The way to get started is to quit talking and begin doing" (何かを始める方法はまず話を止めて行動に移す事だ!)
定年退職は一般的に60歳。多くの企業は、60歳になった社員を退職させてから雇用条件を変えて再雇用をする。同じ仕事をするシニアもいるし、全く別な仕事をするシニアもいる。再雇用で喜ぶ人は少ない。提示される雇用条件を見て戸惑う社員が多い。背に腹は代えられない社員だけが再雇用契約をする。
再雇用契約をしないシニアは何をするのか?私の知人は56歳になった時に自分でビジネスを始める準備を始めた。60歳から起業するためにはこれからの4年間の活動が物を言う。私も起業家として色々と彼に助言した。
51歳に起業してずっと一人社長&社員で生計を立ててきた。67歳になってまた会社員に戻り仕事をすることはもう精神的にできない。一人で自由にスケジュールを立ててお金を稼ぎ出すと上司の管理下で与えられた仕事をする環境に苦痛を感じるからだ。1年でも何らかの会社組織で働く環境から離れると組織で働くという感覚が失われ、組織に慣れるまで精神的なストレスを味わうことになる。
シニアが再就職を望むならば、出来るだけブランクの期間を空けないことである。組織内で働くという感覚は仕事から離れると急激に失われていく。制約のない自由な時間を一人で楽しみ始めるともう一度「籠の中の鳥」に成りたくない。制約がない生活空間が制約のある組織環境を遠ざける。
私はNPO団体のメンバーに成っている。自主参加を原則にしているので制約がない。これが義務になるとストレスを感じて続かない。パートやアルバイトは働く時間が短いし、自分の都合が多少反映しやすい自由がある。これを考えると会社は組織の制約や義務のストレスが多い。
お年寄りが何か新しいことをやろうとすると躓く。若い頃と違って新しいことをするための基本が出来ていない。スマホをいきなり使おうとしても初期設定のやり方が分からない。
最近の洗濯機を使って汚れた衣類を洗おうとしても基本操作が分からない。昔は、洗剤をいれて開始ボタンを押せばそれで終わりだった。今は、その前に色々と設定をしてからでないと上手く稼働してくれない。
シニアが新しい仕事をしようとすると時代にあった仕事のやり方ができないために新しいことを学ばなければならない状態に陥る。高齢者を雇用する上での問題になるのが時代にあったITツールを使いこなすスキルと経験が身に着けていないことにある。
人生に迷う時が誰にでもある!
51歳で会社を退職して起業という道を私は選んだ。起業は、自分がやりたいことであった。起業して16年が終わろうとしている。この16年間に天国と地獄を味わっている。私が勝手に天国、地獄と言っているだけであるかもしれないが、すべて新しい体験であるがゆえそう思う。
会社を退職して独立するには何が必要なのかと誰もが考える。16年間の起業を振り返って考えると一番必要なことが頭に浮かんでくる。起業した人たち、それぞれ、違った事を浮かべるかもしれない。
60歳を迎えようとしているシニアは定年退職後の人生をどうしようかと考えている。直ぐに再就職先を探すか、半年から1年ぐらい人生の休暇を楽しむか決めかねている。
金銭的に余裕があるシニアほど今まで出来なかったことをやろうと遊びに走る。定年退職後に遊びや人生の休暇を優先するシニアは65歳になって驚く。
人生の休暇は十分味わったので老後資金を貯めるためにもっと働きたいと仕事を探すのだが、見つからない。60歳を過ぎてから仕事を探すよりも条件が悪くなっているのに気づく。65歳以降の生活は自動的に人生の休暇状態になる。
65歳から仕事を探すのではなく、10年先を見つめて自分に合った仕事を作り出す方が望みがある。経営者は、特別な技能や能力があるシニアでないと65歳を過ぎたシニアを雇用しない。お客を探せる営業が出来るシニアは年齢に関係なく雇用されるが、使い捨て労働者になる。人脈が尽きたところで雇止めになる。そんな現実を知らない定年退職者が多い。
労働生産者の人口が減少してきている今、シニア労働者にも雇用の目が向き始めている。問題は、シニア労働者と会社のニーズでミスマッチがある。企業側は、単純労働者としてシニア労働者を見ている傾向がある。現在、直ぐに雇用される分野に「介護」と「建築」がある。
シニア労働者には、元会社員が多い。キャリアと教養があると極端に違った分野での仕事に入っていけない。
自分で自分に合った仕事を探す事が出来ないシニアは、生活困窮者にならない限り人の嫌がるつらい仕事には就かない。私自身も自分のキャリアや技術が生きる仕事であれば、給与が安くてもその会社で働くだろう。
朝日新聞朝刊(平成30年4月8日)に掲載された週刊現代の広告である。その呼び込みトピックが、「毎月5万円稼げて、他人に感謝される楽しい仕事」である。週刊誌は読んでいないが、あまり期待していない。この手の週刊誌はキャッチコピーだけで内容が伴わない。
先日、妻の兄夫婦と一緒に駒ヶ根高原にあるリゾートホテルで待ち合わせて宿泊した。温泉があるリゾートホテルで1泊朝夕食付き一人1万円の宿泊パッケージである。兄夫婦はペットの犬を連れてきたのだが、ホテルには犬を置く場所がない。自動車の中に犬を一泊させたのだが、一夜明けた朝、自動車の中は犬の糞で溢れた。
本来ならば、ペットの犬をペットシッターを頼んで日中だけ世話をして頂くとか、ペット宿泊施設に預けるとか出来たはずである。こんな時にスポット的に犬のお世話と見守りをするアルバイトが生まれる。ニーズはある。検索サイトで アルバイト ペットシッター を探すとペットシッターのアルバイト募集が表示される。
先日NPO団体の定例会に参加していた。平均年齢が70歳を越えるシニアが40名以上集まっていた。この暑い時期にだ。70歳過ぎの老人と言って良い人達が神田までやってくる。本来ならば、自宅で冷房を掛けて涼しんでいるべきなのだが。彼らはお金を稼ぐためにNPO団体のメンバーになって働いているのではない。
70歳を過ぎて働き始めるシニアには色々な動機がある。人それぞれのニーズがあるが、NPO団体でビジネス活動をしている老人たちに共通しているニーズがある。 70歳を過ぎると暇で精神的に苦しくなる。自宅でゴロゴロしていても妻に睨まれ居場所がない。
妻はこう言う、「あなた、元気なんだから外で仕事を見つけて働いたら!」と。
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このページのシニアライター:Norito H.Yoshida
Profile
Joomla CMSを使った法人・個人サイト構築で独立。51歳の時に会社を卒業。雇われる生活から自分を雇う生活になる。ソニー(株)、Yahoo!ジャパン(株)でインターネットビジネスの面白さを味わい、個人でも法人と競争が出来る隙間市場があるのに気が付いた。生涯現役でインターネットの世界で生きて行く。Western Washington University, B.S. in Sociology, Bellingham, Washington, USA.
シニアの生活は、体の老化に従って変わって行く。その体験記をこのブログで書いている。