日本語でよく聞く言葉が、「ピンチはチャンスだ!」。なぜ、こんな言葉が私たちの生活の中で使われているのか不思議である。因みにピンチという英語 Pinchの意味は、摘まむという意味で困った状態を意味しない。完全な和製英語だ。本来の英語の表現は、"Tough times bring opportunity."(ピンチはチャンス)になる。
シニアは人生の中で何度もTough Times ピンチに遭遇し、何とか乗り越えて今にきている。捨てる神あれば拾う神ありという感じで困難な時期を何とかやり過ごしてきた。年齢が60歳、65歳になると会社を卒業する時期になる。年金生活で優雅な余生が送れるシニアとそうでないシニアが生まれる。多くは後者のシニアである。
60歳代はまだ若い。体力もあり、新しいことに挑戦できる気力が残っている。働けるうちにお金を稼ぎたいと思うのは自然である。問題は年齢という壁が社会で働き続けることを難しくする。年金以外の収入を何とか稼ぎたい。そんな欲求が自然と生まれてくる。
60歳を過ぎると人生の節目に直面しピンチになる。今までの生活のリズムが崩れ、自分で生活設計を作らねばならない。会社で働き続ければ、会社生活の延長線で余生を考えれば良いのだが、それが出来ない現実がある。今度は自分で人生設計をしなければ老後の生活が見えてこない。
直近の問題は年金以外の収入を得る方法を作り出すことである。期限は自分の体が健康で元気なうちにである。年金以外の収入をどこに見い出せば良いのか。
高齢者になると仕事もお金も釣り合わない事に気がつく。人生の価値観に新しい要素が入ってくる。健康である。健康である事が余生を楽しく過す大前提になるからだ。 仕事があっても、お金があっても、健康でなければ楽しめない!
ただし、ダラダラした老後の生活は健康を台無しにする。新しい健康的な生活のリズムを作る必要がある。そんな生活のリズムを作る上で実行すべきことは
自発的に事を起こすこと。受身的な時間の使い方は楽であるが、何故か充実感がないし後味が良くない。残りの人生を悔いのないようにしたいのは私だけではない。シニアの運動習慣は必須である。社会との繋がりを維持しながら孤独、孤立を防ぐ。精神的な充実感を得るには自分のプロジェクトを作るしか無い。
中高年のリストラ、定年退職、会社倒産などで起業するしか生きて行く選択がない人たちが増えている。多くは、若くない。若者と違って何度も起業への挑戦が出来ない年齢になっている。挑戦が出来ても2回ぐらいだろう。1回失敗して2回目に挑戦するまで年月がかかる。失敗で生じた借金の返済と新規に始めるビジネスの運転資金の蓄えに時間がかかる。
私は、51歳の時に起業した。起業したビジネスは今も続いているが、新しいビジネスモデルに転換している。シニアがビジネスを始める時、私の助言が役に立つと思う。もし、私が若返って25歳で起業するならばこんなプランを立てて行う。
仕事を探している高齢者が、男女ともに多い。いつも、年齢が問題になる。自分が望む仕事を探すが、見つからない場合が多い。生きがいを探すのと同じである。この問題を解決するのは、いつも、自分とつながりが有った人からの紹介である。
ただ、シニアになると知人、友人の数が減ってくる。新しい就職先を紹介してくれる人は自ずと難しくなる。定年退職の前に経営者たちとの親交を深めて自分の能力や魅力を売り込んでおけば、会社を卒業した時に声をかけてくれる可能性がある。
多くの定年退職者はハローワーク、人材登録会社や派遣会社を頼るのだが仕事は見つからない。そんなシニアが出来ることは限られている。退職金で経済的に余裕がある間に起業することである。年金を受給できる65歳までに小遣い稼ぎビジネスに挑戦してみることである。自分でお金を稼ぐという経験がシニアには必須になるからである。
息子たち二人がマイ・インターンをPrime Videoで見た。凄く良かったというコメントであった。本日、家内と一緒にこの映画を見た。ロバート・デ・ニーロ (Robert De Niro)がシニアインターンの役で心を打つ演技をしてい;た。映画のあらすじは、こちらを参照。
この映画を見て感じたのは、経験豊かなシニアが輝くのは人生の荒波を乗り越えてきた人生経験であるという事である。まだ働きたいシニアはこんなシニア労働者のイメージで再就職先を探してみてはどうか。若者たちが始めるベンチャーには人生経験豊かなシニアが必要だ。一緒に働きながら自分の将来に不安を覚える若者の話し相手になる。
若者たちは人生の先輩が経験してきたことを参考にしたいと思っている。自分の父親よりも第三者のシニアのほうが聞きやすい。人それぞれの人生があるが、その中に参考になる経験がある。
60歳を過ぎて正社員の職を探すのは100%難しい。特別なスキルや経験が無い限り良くて年次更新契約社員である。良くて非正社員の職を得るぐらいだろう。それがもう見えている。
そうであるならば、最初からアルバイトやパートで65歳以上の高齢者が働き続ける職場を探したほうが良い。それか、まだ元気で体力があるうちにこんな生活を65歳までやって65歳以降から自分の仕事で生計を立て、老後をやりがいのある仕事で楽しむ。
こんな生活とは、・・・
夫婦二人の生活が始まっている。1ヶ月の生活費で大きな割合を占めるのは、食費。衣食住の内、住居費は定期的に定額が出ていく。衣類の方は、家内のニーズを除きほとんど無い。着るモノは余っている。食の方は、外食が増えるぐらい。60歳代はまだ若いので活動的になる。夫婦で一泊二日の旅行に行くことが多くなる。
食べて生きていくだけの生活費ならば、二人の年金だけでやっていける。それに色を加えるには貯蓄を取り崩し、小遣い稼ぎで収入を得る必要がある。年齢とともにお金の使い方が変わる。ひどい病気になれば医療費が増える。
それで、月額いくらぐらいあれば、生活を維持できるのだろうか?を考えることになる。
会社員で50歳代の中高年は、定年退職後の生活を今からプランしておいたほうが良い。人生100年と言っても実際に活動が出来る年齢は、長く見ても75歳前後。当然、個人差はある。一般的な話。自分の体が思うように動かせる体力は、75歳前後まで。特別に筋トレや運動を続けていない限り75歳後に体が不自由を感じ始める。
定年退職した元会社員が65歳で年金をもらい始めると同時に仕事が探せないという状況に直面する。この時に年金以外の収入が副業として稼げていれば、精神的にゆうったりとした気分で老後の生活を楽しめる。多くの65歳は、毎月の生活費でお金が足りないと感じるからだ。毎月、貯蓄したお金を銀行口座から引く出すようになる。引き出す度に将来の生活が不安になる。
年金プラス他の収入を確保するには50歳代のうちに副業を生活のリズムに取り入れる。それが老後の保険になる。
会社員がリストラで揺れている。最悪の場合は、かっての山一證券のように突然倒産ということに成りかねない。銀行の融資が得られなくなればその時点で倒産になる企業が多い。色々と悪材料がこの時とばかりに水面上に浮かび上がってくる。悪循環が始まる。
リストラリスクで社員の心情は穏やかでない。昨年入社した新入社員は「寄れば大樹の影」で安心していた会社が安心できないことに気が付く。将来を見切って転職活動を始めている新入社員1年生もいる。こんなはずではなかったと!
社会に大きな変化が起きると今までの常識が壊れる。常識が通じない出来事が当たり前のように起きる。コロナ禍で中高年だけでなく若い労働者も職を突然失うリスクが高まっている。自分を守る対策を今準備する必要がある。
自転車駐輪場管理員の仕事は、体力をあまり使わない高齢者向きの仕事ではないかと思う。実際その仕事をしている人たちを見ると高齢者が多い。自宅で何もしていない生活を送るよりも少しでも日銭を稼ぎながら、同じ高齢者同士が仕事をする環境に身を置くほうが健康を増進できる。
体を毎日仕事で動かして日銭を稼げる仕事は老後の生活を充実させる。自宅で何もしないで時間を潰している状態よりも断然良い。なぜ、自転車駐輪場管理のアルバイト・パートが高齢者にとって魅力的な仕事なのかがわかる。複数人の自転車管理人で行う仕事であれば、おしゃべりしながら新しい出会いを楽しめる。
新しい人たちとの出会いが老後の生活で潤いを与える。それが一番の魅力かもしれない。
10 / 27
このページのシニアライター:Norito H.Yoshida
Profile
Joomla CMSを使った法人・個人サイト構築で独立。51歳の時に会社を卒業。雇われる生活から自分を雇う生活になる。ソニー(株)、Yahoo!ジャパン(株)でインターネットビジネスの面白さを味わい、個人でも法人と競争が出来る隙間市場があるのに気が付いた。生涯現役でインターネットの世界で生きて行く。Western Washington University, B.S. in Sociology, Bellingham, Washington, USA.
シニアの生活は、体の老化に従って変わって行く。その体験記をこのブログで書いている。