私が住む大規模集合住宅はもう直ぐ築後23年になる。565戸の住民が住んでいるのだが、最初から住んでいる人の年齢が還暦を過ぎ始める。後10年すれば、自動車免許証の自主返納が進むだろう。自動車免許を失えば、自動車を所有する必要がなくなる。
10年後の日本は、自動運転が出来る自動車が当たり前になっているだろう。社会も自動車を所有するからシェア・レンタルする方向に進む。自動車にA.I.が搭載されてオンディマンドの依頼で自動車が自宅までやってくる。オンディマンド自動運転カーサービスを利用するだけで行きたい場所に自動車が自動的に連れて行ってくれる。
自動車による移動が負担なく安全になる。
65歳を過ぎて年金生活を始めたシニアは、お金と老後の生活をどうしようかと悩み始める。老後の生活を不安なく生活できるお金が十分あるかどうかだ。夫婦のどちらかが介護状態になった時に手持ちのお金で生活を維持できるかどうか。不安は尽きない。
60歳代と80歳代では、ライフスタイルが変わる。80歳代の老後生活は、不自由になる。体がくたびれてくる。行きたい所へも行けない。夫婦のどちらかが他界しているかもしれないし、介護施設生活になっているかもしれない。
命という時間が刻々と減って行くのが見え始める。老人になるということは、減って行く命の時間をどれだけ満足がいくように使えるかだ。
60歳はシニアの入り口だ。60歳の声を聞くと周りの目が変わってくる。社会での取り扱いも老人として分類され始める。会社で働くことも出来なくなる場合が多い。第二のキャリアを準備しろと会社は言い続けてきたが、何を職業にしたら良いか定まらない。そんな60歳代が大勢いる。
シニアの関心ごとは、定年退職後の生活設計である。60歳から65歳まで再雇用で働けてもその先は自分たちでどの様な老後の生活を送るかを考えねばならない。
老後の生活は頭で考えた絵のようには行かない。義父は昨日介護付き有料老人ホームに入居した。自分から老人ホームで生活したいと言い出したからだ。それにはそれなりの理由があった。
60歳から75歳までの15年間は、まだ、体の自由が効き、普通の生活が出来る健康がある。この15年間のうちに心の奥底に隠していいた願望を実現できる。いつ、その願望を実現させるかはその人次第だ。ある人は、定年退職後すぐに1年間世界旅行をした。行ってみたいという国々を訪れて長年出来なかった欲求を満たした。
人それぞれの秘めた欲求がある。死ぬ前にできればその願望を実現したいと思うのは自然である。定年退職後は、会社という縛りから解き放され、退職金を手にし、自由な時間を自分の思い通りに使える。
60歳を過ぎるとあと何年生きられるかと考え始める。平均年齢が80歳としたならば、運が良ければ20年ぐらいは人生を楽しむ時間がある。私が起業してあっという間に14年が過ぎてしまった。20年なんか "Time flies!(光陰矢の如し)"のように過ぎてしまう。
いつも遭遇する出来事は、歩道を歩いている時に老人とぶつかりそうになることだ。前方をよく見て歩いていないと急に立ち止まる老人にぶつかりそうになる。特に、女性の老人に多い。急に立ち止まって手提げ袋の中を探し始める。後ろを歩いている人に気がついていない。
急に立ち止まるのは老人だけに限らない。私でも若者でも何かを考えていたり、思い付いたり、物を探し始めたりするときには歩くのを急にやめて立ち止まる。問題は、立ち止まった相手が老人であることだ。老人は誰かに後ろからぶつかれるとバランスを崩し、転倒しやすい。一度転倒すると自分のカラダを防御できないほど筋力が落ちているので怪我をする。
老人との接触事故は思いがけないときに起きる。歩行障害がある老人が歩いていたら、できるだけ遠回りに抜き去るか、歩く方向が変わるまで後ろを歩くしかない。老人は歩くときのバランス感覚が鈍っている。ちょっと体に触れてバランスを崩させると転ぶ可能性が高い。
65歳シニア男性の楽しみは
シニアの楽しみは人それぞれでこれだという共通のものはないかもしれない。お酒好きな人は「お酒」を飲む事になり、女好きのシニアは若い女性との触れ合いを好む。
ビジネスを展開しているシニアならば、売上と収入が増えること。車好きな人は新車を乗り回すこととなる。楽しみは好きなことと同意語になる。「シニアの楽しみは何か?」は「シニアの好きなことは何か?」に置き換えられる。
私の知人が歩いている時につまづいて転倒てしまった。手で支えようとしたのだが顔に怪我をしてしまった。一週間ぐらい療養生活を送ることになった。このことを聞いて一瞬驚いた。なぜ、つまずいて転ぶと顔に怪我をするのだろうかと?そんなはずはない。そんなに簡単に怪我をするなんて考えられない。それが私の率直な印象であった。
60歳を過ぎたシニアでも腕の筋力が無いと倒れる自分の体を十分に支える事が難しくなる。それが70歳を越えた老人であるならば、転倒でケガをする可能性は高くなる。老人の体は、毎年1%づつ筋肉を失っていく。筋肉を失うと自分の体を上手くコントロールできなくなる。
転倒した時に自分の体重を支えるだけの筋力があれば、手だけの怪我で終わるかもしれない。筋力が不十分であると手や顔、そして、体全体まで怪我が及ぶ。
65歳の私は、66歳にこんなライフスタイルを考えている。私の趣味は、筋トレである。現在、週2回近くのスポーツセンターのジムに通っている。2年前から筋トレの回数を週1回から2回に増やした。その効果は、体の体形に現れてきている。
66歳になったら筋トレを週3回確実にできるよう生活のリズムを作り上げたい。同時に足腰を重点的に鍛えるために朝起きたときとお風呂に入る前にワイドスクワット運動を習慣にしたい。通常のスクワットはジムで行うので日常ではあまり鍛えられない太ももの内側を鍛えるワイドスクワットをして足の贅肉を落としたい。
66歳からは筋トレ中心の生活を送りたい。お金も大切だが、健康予防はお金以上の価値がある。
私の兄は71歳になる。自営業の仕事をやめて1年ほど好きな事だけをやってきたのだが、2年を過ぎた頃から暇をつぶす物がなくなってしまった。自宅内で時間を過ごす日々が続いた。その結果、足腰の筋肉を失い始めた。脚力を失ってきたと私に話してくれる。散歩を日課としてきたが、それも止めてしまった。
何をして1日を過ごしているのかを聞いてみたら、
こんな返答であった。私の目から見てもつまらない老後の生活をしていると見える。
幸せを感じる瞬間がある。なぜ、そのように感じるのかは分からない。他人から見ればそれが幸せを感じさせるのか理解できないかもしれない。在り来りのことで私は幸せを感じている。
幸せの感じ方は、人それぞれ違うのかもしれない。私は普通の生活が出来ている日々に幸運を感じる。住み慣れた実家を離れて老健施設で不自由な生活を送っている義母の現実を見ているからだ。老後の生活は夫婦二人でのんびりと共有する時間が過ぎて行く。
夫婦で共有する時間を楽しめるか、楽しめないかで夫婦の幸せ感は変わってくる。
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このページのシニアライター:Norito H.Yoshida
Profile
Joomla CMSを使った法人・個人サイト構築で独立。51歳の時に会社を卒業。雇われる生活から自分を雇う生活になる。ソニー(株)、Yahoo!ジャパン(株)でインターネットビジネスの面白さを味わい、個人でも法人と競争が出来る隙間市場があるのに気が付いた。生涯現役でインターネットの世界で生きて行く。Western Washington University, B.S. in Sociology, Bellingham, Washington, USA.
シニアの生活は、体の老化に従って変わって行く。その体験記をこのブログで書いている。