自宅にじっとしていられない高齢者が外に出てくる。通勤時間帯を避けて電車に乗って街中にやってくる。そんなシニアが昼間の街中で目立つ。子供は学校。若者たちは会社で働いている。昼間のお店は年配の女性たちがウインドウショッピングをしている。その中に混じってシニア男性がうろつく。
横浜の街中でさまよい歩く高齢者が大勢いる。そんなシニアたちをいつも見かける。観察しているとあてども無くゆっくりと何かを捜しながら歩いている様子がうかがえる。今日の自分の居場所を探しているようだ。一人寂しく自宅にいるのは耐えられない。そんな老人が外の世界に自分の居場所を探す。
今の社会が求めているシニア人材は偏っている。
シニア人材を求めている会社がある。99%以上が大手企業で管理職をしていたOBを中小企業に派遣する顧問サービスである。シニア人材と業務委託契約をして顧問を求める中小企業に送り出す。または、中小企業が求めている経験と知識があるシニア人材を人材斡旋会社が紹介して直接中小企業と顧問契約を行う形式である。
このニーズを満たすシニア人材は限られたシニアになる。そのため、60歳で定年退職した多くのシニアの再就職ニーズを満たせない。なぜなんだろうか。
人手不足と新聞では報道されているが、働きたいシニアが多いのに仕事が見つからない現実がある。
マンションを購入して30年がたった。子供たちは巣立ちした。隣人たちはこの数年の間にリフォームを始めた。大がかりなリフォームからプチリフォームまで。大がかりなリフォームでは1000万円以上もかけたという。我が家は予算的にプチリフォームになった。
30年以上経過したマンションは壁紙にカビが生えている。カビが見えている部分と隠れている部分がある。床のカーペットもすり切れて見苦しくなっている。浴室なんかは水回りであるためカビの主が住んでいる。家内は叫ぶ、「今がチャンス、リフォームをしよう!」
昨年の春にプチリフォームをした。洗面所の壁紙とカーペット、トイレの取替・壁紙とカーペット、キッチンの壁紙とカーペットのみのプチリフォームである。半日ですべてが完了。費用は35万円前後。本当ならば、すべての部屋の壁紙と絨毯の張替えをやりたかったのだが、一度にやるのは負担が多い。そこで直ぐに出来て金銭的負担が少ないプチリフォームにした。
夫婦二人の生活になっている。新婚の時と同じ。もう、子供は作れない。他界するまで2人だけの老後の生活が続く。人生を旅に例える小説や言葉が多い。子供を育て上げて独立させた後は親としての義務を終える。後は、独立した子供が次の世代を作り育っていくことを見守る立場になる。
終着駅がある列車の旅(老後の生活)が今から始まる。途中でどちらかが列車の旅を終えるだろう。最終的には二人共旅を終えて列車を降りることになる。社会は少子高齢化に向かっている。高齢の夫婦が社会で目立ち始める。老後の生活は個人差があるので当事者しか分からない。
分かるのは老後の生活は弱者の生活になる事。60歳、70歳、80歳になるにしたがって老後の生活に大きな変化がある。最終の生活は老人ホームになる人が多くなるか、人知れず孤独死を迎えるかもしれない。
NPO団体のグループ定例会に毎回参加している。60歳から80歳以上の人生の先輩たちが集まる。彼らの側面を見ながらシニア学を勉強している。一言で言って個人差がありすぎる。老いてくると頑固でわがままになると言われる。そんなシニア会員は確かにいる。一方で何事も柔軟に積極的に物事に対応しようとする魅力的なシニアもいる。
定年退職して年金生活に入っている70歳代の団塊世代シニアは自分たちの生活スタイルを確立している。NPO団体での活動を生活の中心にして老後の時間を有意義に使っている魅力的なシニアも多い。自由な生活を送っているシニアには個人差が出る。
会社員であった頃と違って老後の生活に個性が出る。生活だけでなく人格や性格の面で鎖を解かれて本来の自分の姿を出し始める。自分の生活に誰も文句を言わなくなるからだ。それ故にシニアの個性が色々な面で目立ち始める。
週5日、横浜駅周辺にあるスタバに通勤(仕事をする場所として利用しているだけ)している。午前のお務めは9時から12時まで。1時間から1時間30分ぐらいのランチ休憩を取る。65歳のシニアがランチを何にするかでいつも迷う。毎日同じものは食べられない。食べる物もバリエーションが求められる。食べる物も価格次第だ。
私のランチ予算は、1000円前後にしている。気分で2000円近くになる時もあるが、稀である。500円、ワンコインランチにすると食べる物が限られる。1000円まで引き上げると食べるランチの種類が自由選択になる。2000円以内になると好きなランチが食べられる。
外出時のシニアはどんな基準でランチを食べているのか。
平日の午前中にカフェに行くシニアが多い。奥さんに自宅を追い出されて暇を潰せる場所に行くのだ。平日の午前中は、意外な場所がシニアの居場所になる。私は、いつも、スタバに行って仕事をしている。スタバは、出勤前にコーヒーを飲んで時間調整をしている会社員が多い。9時前後に席が空き始める。
スタバに行く途中にマクドナルドのお店がある。いつも、通りすがりにどんな人たちが平日の午前中にマクドナルドにやって来るのか観察をしている。どのお店も時間帯で客層が変わる。子どもたちや若者たちが集まりやすい時間帯は下校時間帯である。ファストフードやコンビニ店などが子どもたちでにぎやかになる。
カフェもファストフード店も平日の午前中は静かである。午後になると子供連れやおばさんたちのお喋り会議でやかましくなる。シニア男性は意識して静かな時間を持てる場所を探す必要がある。
「ハレとケ」と言う言葉がある。「ハレ」は非日常的な生活を意味し、「ケ」は日常的な普段の生活を意味する。年金生活に入ると「ハレとケ」を上手く区別したシニア夫婦の節約生活になる。
子供は大人になり自活し始め、住居のローンは終わり、自分たちだけの生活費だけで第二の人生が始まる。日常生活での出費は以前よりも少なくなる。同時に入ってくるお金も少なくなる。
シニア夫婦の生活は無駄遣いがない節約の生活に入る。お金は使う時に使い、変にケチらない。お金で貴重な時間と体験を買う思考が強くなる。夫婦での旅行は一緒の時間と楽しい体験を満たす。
世の中は上手く出来ている。次から次に体と頭を使わせてくれる。体をゆっくりさせようと思っていると仕事で技術的な問題が発生する。今もその問題解決で悩んでいる。昨年の12月から2月まで家内の母親が骨折で介護ベッド状態になり、介護支援で生活パターンが崩れた。
義母の回復まで後どれ位の月数がかかるか分からないが、体力を回復して自分の足で自由に歩けるようになるまで私たち夫婦の介護支援は続くだろう。当分、1週間を越える夫婦の旅行はいけない。もう少し、夫婦が楽しめる時間があると期待していたのだが、老夫婦の介護問題がやって来てしまった。(5年前の出来事)
老後の生活で一番楽しいことは夫婦で旅行に行くことである。非日常生活を旅行で味わえる。まだ味わったことがないローカルフードを楽しめる。地域色豊かな風景や観光スポットに触れながら新しい体験をして行く。それが出来るのは両親の介護問題が起きる前の時期である。
現在、家内の両親は私達が住む場所から近い老人ホームで生活をしている。介護のお世話から手が離れたが月に2回ぐらい面会に行っている。色々と頼まれごとが降ってくる。老人ホームに入居してやっと私達の時間を確保できた。今年は長崎や博多に旅行をした。私達が老人ホームに入る前までに旅行を沢山したい。旅行は息抜きになる。
人生に息抜きは必要だ!日常の生活から非日常の生活に移ると意識と感覚がリフレッシュされる。それがシニアの喜びにつながる。行ったことがない場所に行く。新しい発見を見つける。旅先で子供心に戻れる。
68歳の私は1日にコーヒーを3杯、4杯飲むことがある。週末は朝起きた時と朝食時に1杯づつ飲む。平日は朝食時に1杯、午前の仕事場のカフェで1杯、午後の仕事場のカフェで1杯で3杯は必ず飲んでいる。それも常にブラックコーヒーである。
外食時も飲むのは紅茶よりも珈琲になる。シニアがコーヒーをこんなに飲むのは体に悪いのではと妻は思っている。一般的に知られているコーヒーの知識は夜コーヒーを飲むと眠れなくなる、コーヒーは胃腸に悪い、コーヒーは利尿作用があるなど悪い点が多い。
時々思うことはシニアにとって「コーヒーが体に良いことはなんだろうか?」ということである。私と同じようにコーヒー好きのシニアは多い。年金生活であっても嗜好品であるコーヒーにはお金を使う人もいる。ドリップコーヒーはインスタントコーヒーよりも高い。それでもドリップコーヒーを飲むシニアが多い。
コーヒー中毒ということがあるのだろうか。調べてみるとコーヒーの飲み過ぎは体調を崩すためコーヒー中毒になる前にコーヒーを控えるという。私も同様にコーヒーを飲み過ぎると自然に「もう、コーヒーはいらない!」と身体が伝えてくる。
でも、コーヒーは適度に飲むことでシニアの健康に貢献することが分かっている。特にブラックコーヒーは体に良い。
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このページのシニアライター:Norito H.Yoshida
Profile
Joomla CMSを使った法人・個人サイト構築で独立。51歳の時に会社を卒業。雇われる生活から自分を雇う生活になる。ソニー(株)、Yahoo!ジャパン(株)でインターネットビジネスの面白さを味わい、個人でも法人と競争が出来る隙間市場があるのに気が付いた。生涯現役でインターネットの世界で生きて行く。Western Washington University, B.S. in Sociology, Bellingham, Washington, USA.
シニアの生活は、体の老化に従って変わって行く。その体験記をこのブログで書いている。