私は68歳にして自分の健康寿命を伸ばしたいと願っている。運命には逆らえないが、自分で出来ることをやりたい。健康寿命は普通の生活が問題なくできる体の状態を言う。自分一人で自分の世話ができる健康をできるだけ長く維持したい。家族や第三者に依存して生活する人生は苦痛である。
健康寿命を延ばすメリット
義母は老人ホームででリハビリをしながら歩行車を使って動き回る生活を送っている。第三者による支援無しで普通に近い生活は送れていない。その生活を見ていると健康寿命を失うとどうなるかが目で見て分かる。
60歳になってから自分の忍耐力に変化が起きてきていることに気がついた。自分の前に歩いている歩行者が邪魔に感じ始める。周りの雑談や大きな声で話している女性に絶えられなくなる。我慢できる許容範囲が狭まってきている。子供の声の響きに驚く。
良く聞く話は、老夫婦の周りを駆けずり回り大声を出して遊ぶ孫たちを喜ばしく思わなくなると言う。最初の20分ぐらいは賑やかで雰囲気を楽しんでいる老夫婦も次第に孫の声がやかましく感じ始める。最後には、孫の声が聞こえない別室に逃げてしまう。
刺激が強いと受け取るストレスも大きくなる。老いてくるとストレスに耐えられなくなる。
老化が及ぼす変化
65歳を過ぎて自分独自の生活のリズムを作り始める。趣味、アルバイト、娯楽、運動などを上手く組み立てながら老後の生活を過ごすのだが、老化による身体能力の衰えから今まで味わったことがないストレスが生まれる。
仕事で毎日横浜まで通勤している。駅まで通じる歩道を歩くのだが歩くのが遅い人がいると自分のペースが乱れるため頭の中でこう叫び出す、「速く歩け!」と。自転車が歩道を走っていると、「ここは歩道だよ。自転車は車道を走れ!」と心の中で叫ぶ。スーパーマーケットの入り口近くに止められた沢山の自転車で入り口が狭くなっていると、「こんな場所に自転車を止めるなよ!」と思いながら入り口近くに止められた2,3台の自転車を勝手に別の場所に移す。
80歳過ぎの老婦人が私の前を通り過ぎた。そごう横浜デパートの3階エレベーター出口あたりであった。誰が見てもおしゃれな老婦人。ちょっと目立つ赤い口紅を付けていた。年齢はどう見ても80歳を越えているのだが、歩き方、姿勢、ファッションがシックで落ち着いていた。健康な80歳代の婦人はこんな感じなんだろうと思わざるを得なかった。
一般の老人が住む世界とは違った世界で生活をしている老婦人の印象である。
この写真の女性のように姿勢が良く、雰囲気が良い服装をしている。姿勢が良いだけで着ている洋服が目立つ。それに髪型が清潔で綺麗であれば申し分ない。
毎日の食事で十分なタンパク質量を摂取しているシニアは少ない。60歳以上のシニアは男性は1日60グラム以上のタンパク質の取得が求められる。タンパク質は筋肉を作る上の材料になる。体の筋肉量は老化で落ちて来る。老人の体が年齢と共に枯れて来る理由がこれである。
1日に必要なタンパク質量を摂取できればそれで良いという物ではない。老化で失った筋肉を回復する必要がある。筋肉量を増やすには普通以上の負荷を体の筋肉に与える筋トレをしなければならない。
定期的な筋トレはシニアの健康に貢献する。筋トレをすることで摂取したたんぱく質が生きる。健康寿命を延ばす上で筋肉を増やすことに意味がある。筋肉が増えると80歳になっても普通の生活を維持できる。自分の体の世話は自分で出来る体力を保持できるからである。
筋肉を作る材料であるたんぱく質は老後の生活を楽しむための基盤になる。70歳を過ぎるとフレイルという言葉を多く見聞きする。体の筋肉ロスで思うように体を動かせなくなる。特に歩行障害が一番のネックである。足腰の筋肉ロスが原因で歩くのが辛くなる。
老後の生活を楽しみたいと願うシニアならば、今から1日のタンパク質量の摂取と定期的な筋トレに励む必要がある。
医者から最適な体重は、70キログラムであると言われている。現在、75キログラム。あと5kgぐらい体重を落とせれば自分なりに満足いく体重になると思っている。健康を意識し始めると体重計で体重を計るのが朝起きた時の日課になる。
テレビ広告で有名なライザップでは、余分な体重を落とす時に筋トレ以外に食事療法を指導している。炭水化物を制限して減った分だけ肉や魚、野菜で補うというやり方である。極端な言い方をすれば、ビタミン豊富な野菜や果物、タンパク質が多い肉や魚は好きなだけ食べて良いということである。
私の体重の問題は彼らにしてみれば直ぐに解決が出来る問題になる。炭水化物のご飯の量を減らして筋トレをいつも通りやり続ければ良いだけ。
運動習慣がないシニアは食事療法だけをやると筋肉を減らすことになる。シニアは1年に1%筋肉を失っていく。それを何とかするには定期的な筋トレしかない。運動で脂肪を燃やしながら筋肉を成長させる食べ物を多く取る。
私はあすけんスマホアプリを使って体重の変化、朝昼夕の食事カロリーと栄養素バランスをモニターしている。体重は朝起きてトイレに行った後、パンツだけになって体組成計で体重を測る。今朝の体重は73.2キロ。70キロの目標までまだ道のりがあるが、体重は確実に減ってきている。
40歳代の頃、筋トレ2日後に風邪をよく引いていた。その理由がわからなかった。会社の健康セミナーで質問をしたら、こんな回答が帰ってきた。
私:「筋トレ2日後に風邪をよく引くのですが、原因は何なんでしょうか?」
医者:「筋トレ後の2,3日は傷んだ筋肉を修正するために免疫力が一時的に低下する。その時に風邪菌にやられる場合が多い。」
この情報を得てから、私はいつもこんな対策を取っている。その時以来から20年余り、筋トレ後に風邪を引いていない。
「階段マニア」になるという今年の目標で通勤時に階段を使っている。階段を急ぎ足で登ると後で呼吸が荒くなる。この現象は私だけであるのだろうか。
そんな疑問を抱えながら階段がある場所は階段を使っている。最寄りの駅では、エスカレーターの取替で半年間の間使えなくなり、階段とエレベーターしか無い。階段を急ぎ足で上がって、駅のプラットホームに降りるために階段を降りる。プラットフォームに辿り着いてから息が荒くなってくる。
ゆっくりと階段を上がっていく時、階段のステップ数が少なければ、呼吸は荒くならない。階段を上がる階段数と速度で呼吸が荒くなる、ならないが決まる。 足腰の筋肉が衰えていると階段を上がり下りする時の体内酸素量が足りなくなる。そのため、足りなくなった酸素を体に取り入れようと呼吸数を増やし始める。
階段で息が上がる現象は個人差が大きい。肥満体の人、高齢者、運動不足の若者は強い足腰の運動に耐えられるだけの筋肉を持っていないため、階段の上り下りで息が切れやすい。階段の上り下りは足腰への負荷が高い。体がそのような負荷に慣らされていれば息切れは和らぐ。
私の場合はちょっと面白い現象である。普通の駅の階段を上がる時は息切れが起きない。続いて階段を降り始めるときに息が切れ始める。階段を上がって改札口に行き、改札口から階段を降りてプラットホームまで行くときに起きる。私の推測では体内酸素量が階段を降り始めるときに足りなくなるのではないか。
つまり、駅の階段の上がり下りが終わるまで体内酸素量が続かないということである。問題は68歳という年齢でこれが当たり前なのか、そうではないのかである。
シニアは理由を付けて外に出るべきだ。自宅に閉じこもるべきではない。自宅で何か仕事をしているのならば良いが、そうでなければ外に出る理由を見つけて自宅を出る事である。外出する時は、いつもよりも着飾って出ると良い。男性ならば、スーツやジャケットで。ワイシャツとネクタイもあれば、昔に返ったようにシャキッと気分が変る。
自宅や近所を歩き回る服装で外出をしてはいけない。年金生活をしているシニア男性は普段着と外出着の違いを意識して外出すべきである。その理由は外出時に接する人たちに良い印象を与えることにある。清潔で印象が良い服装は誰にでも快く受け入れられる。
老いたシニア男性の体は見ただけで若さと新鮮さがない。それをカバーするのに服装がある。横浜駅近くで見かける老人男性の服装は普段着そのままの服装の方が多い。近所の公園に散歩する感じで横浜駅まで来てしまっている。多くの人たちに見られるという事実を意識していない。
外出する時にこんな事を意識すれば、服装も変わる。
シニア男性が世間体を気にしなくなると周りの人たちから無視され始める。存在が薄くなり、社会との接点が希薄になる。
シニアにとって筋トレは健康寿命を伸ばす効果がある。自宅で普通の生活を送ることが出来る健康と体力がないと老後の生活はつまらなくなる。どんなにお金があっても自分の体が自由に使えなくなった体を買い替えることは出来ない。
老後は「体が資本」である。節約したいならば、健康な体を維持すること。病院通いになるとお金は出ていくし、病気による身体の制約も起きる。普通の生活を楽しめなくなる。自分の体の健康維持はお金以上に重要になる。
私は筋トレを始めて数十年立っている。本格的にやり始めたのは8年ほど前である。本格的というのはスポーツジムに通う回数を週2回にしたということぐらい。以前は週1回であった。週1回で筋トレは十分であると思っていたが不十分であることが分かった。筋トレの効果を体で感じるには週2回が最低条件になる。
週2回、近くのスポーツジムに通い始めてどんな効果を体で感じたかを話したい。もし、60歳代の方であれば、すぐにスポーツジムの会員になって筋トレを始めるべきである。今から始めれば、生活習慣病から逃げることが出来る。さらに70歳以降の生活で歩行障害にならなくなる。
筋トレを続けると「健康」というお金が手に入る。筋トレを続けて健康貯金をする。
60歳代のシニアで健康を意識している人は、定期的な運動をしている。健康を頭の中で意識していても定期的な運動をしていないシニアは、70歳以降にその結果を体力の低下と脚力の衰えで体感する事になる。特に、足の筋力低下が酷くなる。60歳代と70歳代の体力の差は、歴然としてくる。定期的な運動をしている高齢者とそうでない高齢者では、体の動きに違いが生まれる。
高齢者の歩き方を見れば、その人の足の筋力がどれほど低下しているかが分かる。
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このページのシニアライター:Norito H.Yoshida
Profile
Joomla CMSを使った法人・個人サイト構築で独立。51歳の時に会社を卒業。雇われる生活から自分を雇う生活になる。ソニー(株)、Yahoo!ジャパン(株)でインターネットビジネスの面白さを味わい、個人でも法人と競争が出来る隙間市場があるのに気が付いた。生涯現役でインターネットの世界で生きて行く。Western Washington University, B.S. in Sociology, Bellingham, Washington, USA.
シニアの生活は、体の老化に従って変わって行く。その体験記をこのブログで書いている。